ワインってどんな酒? Vol.04 「ワインのテイスティング 後編 ~実践法・ワインを自宅で楽しむ~」

ワインの知識

ワインってどんな酒? Vol.04 「ワインのテイスティング 後編 ~実践法・ワインを自宅で楽しむ~」

ワインのテイスティングについて、今回は実践編です。後半では、自宅でワインを楽しむ方法と注意点も簡単にご紹介します。

前編記事はこちらから。

ワインってどんな酒? Vol.03 「ワインのテイスティング 前編 ~香り・味わいの整理法~」

 

ワインのテイスティング 4ステップ

1. 外観を見る

外観を見る

 

はじめのうちは、ブドウの成熟度とワインの熟成度合いをだいたい把握できれば上出来です。濃淡と色調に注目しましょう。

方法としては、まずワイングラスを持つときは、細くなっている脚の部分を必ず持つこと。グラス面が指紋等で汚れてしまうと、ちゃんと外観を確認することができません。

そして全体的な色の濃淡で、原料のブドウがよく熟しているものなのかを見ます。色が濃いと熟しているということ。

 

続いて色調(グラデーション)によって、ワインの熟成度合いをチェックします。グラスを少し傾けて、液面を見ましょう。

色調が均質で変化が少なく、淵が青みがかって(白ワインはグリーン、赤ワインは紫)見える場合は比較的若いワインだと推定します。逆にグラデーションが豊かで、淵に茶色み(白ワインは黄金~琥珀色、赤ワインはオレンジ~レンガ色)が見える場合はしっかり熟成がかかったワインだと予測できます。

2. 匂いをかぐ

匂いをかぐ

 

飲む前に匂いをかぐことで、ワインのさまざまな個性がわかるのは前回お話しした通り。グラスから立ち上ってくるアロマが全情報の5割、と言う専門家もいるくらいです。

では方法。グラスをテーブルに置き、人差し指と中指で脚を挟みます。そのまま、プレートと呼ばれるテーブルに接した底面を、円を描くように2~3周回します。

 

もしワインがこぼれてもほかの人にかからないように、右手で持つなら反時計方向に回しましょう。これが、「スワリング」と言われるワインを回す動作です。ワインは空気を取り込むことで、香りがふわりと立ち上がるんですね。

スワリングしてグラスに鼻を近づけるのですが、ポイントは鼻で息を大きく吸わずに、そっと吸い込むこと。身体の力を抜いて、嗅覚に集中しましょう。

アロマがよくわからなければ、スワリングからもう一度繰り返してみて。

3. 口に含む

口に含む

 

ワインを少し口に含み、舌先をゆっくり上下に動かして液体を口の中で転がします

これも前回解説した通り、前半→中盤→後半と刻々と変化する味わいを楽しみましょう。すぐに次のひと口を含むのではなく、余韻までじっくりと堪能して。

口をすぼめて空気を軽く吸い込むと、中盤以降のフレーバーをよりしっかりと感じ取ることができるので試してみてください。

4. 言葉にしてみる

言葉にしてみる

 

浮かんできた感覚を、できるだけ詳しく言葉にしてみましょう。「何々地方の夕日の下で湿ったなめし革を燃やすような」みたいな、凝った表現をしようとする必要は全くなく、何なら浮かんだ単語を頭の中で並べてみるだけで良いです。

矛盾すると思える内容でも、飲んだときの印象を感覚だけで終わらせるのではなく、考えて言葉にしてみることで、自分の好みをよりはっきりと、深く知ることができるはずですよ。

自宅でワインを楽しむために

簡単に抜栓できるコルク抜き

まずそもそも、ワインをうまく抜栓できない! という方は少なくないはず。ここではベーシックなソムリエナイフではなく、簡単に抜栓できる器具をご紹介しておきます。

「コルク抜き スクリュープル式」と検索してもらうと出てくるオープナーが、個人的にはおすすめ。

ボトルのトップを包装しているキャップシールをはがし、オープナーを被せて上部のツマミを回していけば、あとは自動で引き抜いてくれる優れものです。価格も2,000円弱くらいで購入できる品もあるので、初心者には特におすすめですよ。

 

やっぱりワイングラスが一脚は欲しい!

やっぱりワイングラスが一脚は欲しい!

 

ワインはスワリングすると香りが全く違ってくるので、赤白問わず万能に使えるワイングラスが一脚は欲しいところ。

写真のような、チューリップ型のグラスがおすすめです。ボウルの部分に膨らみがあったほうがスワリングがしやすく、先がすぼまっていたほうが上がってきた香りを拾いやすいという利点があります。

ワインの温度

ワインの温度

 

飲むときの温度にも気を配りたいところ。赤は温度高め、白、スパークリング、ロゼは温度低めとひとまず覚えておきましょう。

ただし、安価なボトルや軽やかでブドウのジューシーさが立った赤ワインは、冷やしたほうが美味しい場合があります。冷やしたほうが、酸味や渋みが強調され、全体のバランスもすっきりとまとまる傾向があるんです。つまり、甘ったるくなくフレッシュな印象になるんですね。

逆に温度が上がると、甘みや熟成感・複雑味がふくらみます。渋みが強かったり、ボディが重いワインは、温度が高いほうがポテンシャルを発揮できることが多いんですよ。

 

ワインは、温度による味わいの変化も楽しみのひとつ。一杯をじっくりと味わって、ぜひ刻々と印象が変わる様子を体感してみてください。

また、温度を下げる方法ですが、飲む前日に冷蔵庫に入れるようにします。理由は後述。

ボトルの保管法

ボトルの保管法

 

ワインボトルは、実は寝かせて保管するほうがいいんです。コルクをワインに触れさせることで、コルクが乾燥しない状態にします。乾燥すると、コルクに隙間ができてワインの酸化が進んでしまうんですね。

次に保存場所ですが、実は冷蔵庫の中に長期保存しておくのは良くないんです。10℃以下の環境にワインを長く置くと、「酒石〔しゅせき〕」という結晶が発生して味にまとまりがなくなってしまうんですね。

なので、日光が当たらず、できるだけ冷涼に保たれる場所を探しましょう。たとえば、床下収納や押し入れの中などがベターです。

次回は「ブドウ品種」!

さて、ここまで来れば、ワインとはいったいどんなもので、香り・味わいをどのように楽しむのかを大まかに理解していただけたかと思います。

では、いかにして好みの味を探すのか。その大きな手がかりとなるのが、「ブドウ品種」です。ひとまず覚えておきたいものだけをご紹介しますので、臆せずに進みましょう!

 
ワインってどんな酒?

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