ナチュラルワインをブームから文化へ。ワインインポーター・ディオニーが「ナチュラルワイン教室」を立ち上げたわけとその想いとは。

ワインの知識

ナチュラルワインをブームから文化へ。ワインインポーター・ディオニーが「ナチュラルワイン教室」を立ち上げたわけとその想いとは。

ディオニー株式会社は「酒」「食」「語らい」を通じて豊かな社会づくりに貢献することをモットーに2001年京都市伏見区にて設立されたワイン輸入と地酒の卸売業を中心とした酒食品専門商社です。2003年から20年にわたりフランスを中心にヨーロッパからナチュラルワイン輸入・販売を続け、業界の草分け的な存在として酒販店様や飲食店様への認知を進めてまいりました。

そんなディオニーがなぜ「ナチュラルワイン教室」を始めたのでしょうか。それはインポーターとして、ナチュラルワインの造り手と身近な立場にある我々だからこそ感じる市場可能性とこれから向かう未来社会への危惧があったからでした。

このストーリーではナチュラルワイン教室を立ち上げながら実際の教室講師を務める、取締役の前田一成がその誕生の裏側と今後への想いを語ります。

 

ディオニー株式会社 取締役事業開発本部長:前田 一成 氏

ディオニー株式会社 取締役事業開発本部長:前田 一成 氏

 

ナチュラルワインを求め続けた20年

ワインを輸入し始めた2001年、当初はいわゆるナチュラルではない一般的なワインを取り扱っていました。しかし輸入業を行う中で食品のオーガニック志向が高まってきていた当時、ワイン業界にも自然栽培・自然醸造にこだわる生産者がいることを知り、これこそディオニーが扱うべきワインだと確信しました。

それから2003年にナチュラルワイン中心の輸入に舵を切り、年に数回は渡欧して、未だ輸入されていないより良いナチュラルワインを探したり、既存の生産者とコミュニケーションを深めたりしながら「造り手の熱い想いや情熱を冷まさず、出来るなら私たちが再加熱してお客様のもとまでお届けすること」を大事にして弊社の事業を進めてまいりました。

 

ナチュラルワインを求め続けた20年

人為的コントロールにて大量生産されてきたワインへのアンチテーゼ。時代が求めているナチュラルワインの魅力と市場拡大

ナチュラルワインとは簡単に申し上げると「有機栽培で育てたブドウを極力人為的な介入せず醸造してできあがったワイン」のことを言います。

ワインは本来ブドウ果汁100%のジュースに酵母が働きアルコールを生成するという極めてシンプルなお酒です。それだけに土地の気候や土壌の質をそのまま表現します。このことは、裏を返せば化学肥料や化学的な農薬を使うことなく、大地に深く根を張りその土壌の様々な養分を窮したブドウのジュースをその土地や蔵の中にいる天然の酵母が食べてこそ、その地の風土を表現できることに他なりません。またワインには通常、酸化防止剤が入っていますが、ディオニーがナチュラルワインと呼んでいるその土地の気候風土を表現するワインは、極力酸化防止剤を使わずに造られています。

すなわちナチュラルワインは、戦後から進められてきた農薬や化学肥料を使って大規模かつ効率的にブドウを栽培し、培養酵母などを使用して人為的に発酵コントロールしながら大量生産的に造られたワインへのアンチテーゼとして、原点回帰的とも言えます。また、環境保護的視点からも、人々が地球上の生物と共生していくのに必要な持続可能な方法で造られたワインと言う事もできるかと思います。

そんなナチュラルワインの魅力を私たちは2つの角度から捉えています。

① 造り手の個性が光る自由なスタイル

より自然な方法で造られたワインはピュアなブドウの味わいを楽しむことができるため、新鮮な食材を活かした優しい味わいの料理に馴染み、繊細な味覚を持つ日本人にはピッタリです。また大量生産で造られたワインでは感じたことのないような個性的な香りと味わいがあり、どれ一つとして同じものがないためその一つ一つの個性を探求したくなるワインです。エチケット(ワインのラベル)も個性的なものが多く、料理とボトルを並べて撮るとSNS映えすることから最近では飲食店様での扱いも拡大傾向にあります。

ワインという飲み物がもつ、ともすれば敷居が高くスノビッシュなイメージを、和から洋、エスニックまで様々な食事と合わせやすくカジュアルなイメージに180度変えてくれるものです。

 

造り手の個性が光る自由なスタイル

② SDGs気運の高まりによる倫理観

化学肥料や化学的に生成された農薬を用いず地球環境を極力傷つけない農法やそれを取り入れる造り手への人々の共感が消費行動として反映されてきています。またその土地に根ざした自然な醸造をすることで、生産地の伝統・風土・アイデンティーの保護につながり、ワインの多様性と差別化が可能になります。持続可能な産業を応援したい気持ちもあると思います。

 

SDGs気運の高まりによる倫理観

 

こういった魅力をもっと世に広めたいと思うインポーター・酒販店様・飲食店様・消費者が一緒になって全国各地でナチュラルワインをPRするイベントがここ10年増え続けてきました。その結果、デジタルネイティブならぬ“ナチュールネイティブ”と呼ばれる「初めて飲んだワインがナチュラルワインだった。」という消費者をメディアが取り上げて話題にもなりました。

それに対応するように取り扱う酒販店様や飲食店様が増えて、ありがたいことに全国誌から地方誌まで大々的にナチュラルワインを特集する雑誌やネット記事がどんどん出てまいりました。

 

初めて飲んだワインがナチュラルワインだった。

ワインインポーターと飲み手との間で生じたギャップ

このトレンドは一過性のブームではなく、酒類や食品業界のみならず、さまざまな業界のステークホルダーが人々の健康や身の回りの環境を考える上で、永続的かつ重要な概念として捉えており、我々としても継続して意識し、追求していくものだと確信しております。

しかしいい事づくめのように思えるナチュラルワインですが、ネガティブな一面もあります。一番の問題は取り扱いが難しい事です。

ナチュラルワインの大部分はブドウの皮の周りや蔵に付いている天然の酵母(自生酵母と呼ぶ)で発酵させます。その自生酵母の中には発酵中のぶどうジュースに悪さをするバクテリアも含まれており、発酵の進み方によっては人間が不快に感じる臭いや味わい、いわゆるオフフレーバーを発生させることがあります。扱い方によってそれを回避したり、先延ばしにしたりすることが可能なのですが、扱いを誤ったまま消費者へ提供してしまうと、「ナチュラルワイン=マズい」のイメージが定着してしまう可能性があります。実際に需要が拡大していくにつれ、その扱い方が分からないまま品質が劣化したナチュラルワインを提供されている現場に出くわすとがっかりすると同時に、初めて口にされる方が、変な香りや味がするワイン=ナチュラルワインだというイメージを持たれることに大変危機感を覚えました。

このままではナチュラルワインが定着するどころか一過性のブームで終わりかねない、これを食い止め、その概念と魅力を伝えながらビジネスを展開するだけではなく、文化として発展させ、定着をさせるにはどのようにすれば良いかという課題に直面しました。

 

ワインインポーターと飲み手との間で生じたギャップ

ナチュラルワインの魅力と正しい扱い方、両方を伝えたい!ナチュラルワイン教室の立ち上げへ

我々はそういった葛藤の中でナチュラルワインという言葉が独り歩きしていることに気づき、「ナチュラルワインを正しく理解してその奥深さと楽しみ方を知ってほしい!それをお届けする酒販店や飲食店の皆様にはナチュラルワインの正しい知識と扱い方を学んでもらいたい!」という目的で「ナチュラルワイン教室」を立ち上げようと思い立ちました。

とは言え今までナチュラルワインについて1時間ばかりのセミナーをすることはあったものの、参加費を頂戴し教室を開講するとなるとその為のカリキュラムや講義内容をゼロから開発していくことになります。

 

そこでまずは一番伝えたい「ナチュラルワインの魅力と正しい扱い方」というゴールから逆算して考えました。その中で出た答えは①概論 ②栽培 ③醸造 ④熟成とオフフレーバーの4回に分けてワイン造りを体系的に理解してもらうことでした。

しかしこれだけでは他社と差別化された講義にしたいと考えた際、我々がインポーターという生産者に一番近い立場にいることに着目しました。

テイスティングに加え、講義内では今まで我々が生産者を訪問してきた際に撮りためたワイン造りの現場映像を流しながら生産者の苦労話やワイン造りへの想いを語ることで造り手を身近に感じられ、ナチュラルなワイン造りの魅力がより具体的に伝わり、愛情を持った正しい扱い方への理解も深まるのではと考えました。

 

このような経緯で2023年4月、京都と東京の2か所で酒販店様、飲食店様のみならず一般消費者でナチュラルワインラヴァーの方も含めた計70名を超える受講者様を迎え第1期を開講しました。

受講者様からは実際の映像を見ることで理解が深まったとのお声や、ナチュラルワインを扱い、その魅力を伝えていく立場としての基礎知識が備わったといったうれしいお声を頂戴しており、現在は現地画像をより多く紹介するなど改良点を加えて第2期まで開催いたしました。

 

ナチュラルワインの魅力と正しい扱い方、両方を伝えたい!ナチュラルワイン教室の立ち上げへ

ナチュラルワインを一時的なブームでなく深く根差した文化へ

ナチュラルワイン教室を通して伝えたい事、それは短期的な目線でいうと先ほど述べた「魅力と正しい扱い方」でした。しかし受講者様を前に講義をしながら見えてきたのはより長期的な視野で、「地球上の生物が自然と共存して多様性があるナチュラルワインを文化として永続させたい」というものでした。

経済性を重視するあまり、農業生産性を過大に重視する。その結果、農業生産品であるワイン造りまでも工業化され、大量消費されてきた市場環境の中で、大地からくる美味しさと個性、地球環境との共生が失われてしまいました。それに対して地球環境に配慮した農法で造ったブドウを極力人為的な介入を排除して醸したナチュラルワインを理解し、愛飲し続けることは、人間が自然と共生するという原点回帰であるという事を、講義を通してお伝えしています。

また、土地の気候や風土を表現するナチュラルワインは、造り手やヴィンテージによって味わいが同じものが一つとしてありません。それがワインの個性と多様性となり探求心を刺激してくれますし、その多様性と美味しさが楽しい食事のひと時を通した豊かな社会づくりに寄与できると信じています。

この“原点回帰”と“多様性”こそ、文化が醸成される要素になってくれるという事を講義のメッセージとしています。

 

ナチュラルワインを一時的なブームでなく深く根差した文化へ

今後の展開について

おかげさまで第1期、2期共にナチュラルワインに関して意識の高い受講者様が大勢いらっしゃいます。そういった受講修了者様とのご縁をこれからも大切にしたいと思っており、生産者来日セミナーや懇親会への優先案内や、分科会の開催を通してその輪を広げていきたいと考えています。

 

今後の展開について

 

第3期以降の講義も継続開催すると同時に、既存のワインスクールにも働きかけながら、教室よりもエントリーレベルの入門講座も展開も模索中です。また、酒販店様や料飲店様からの要望に応じて、従業員教育用にカスタマイズした講義や、オンラインでの教室などを展開していくことも考えています。

最後に、現在第3期の受講者様を募集中です。ぜひご興味のある方はぜひ下記リンクより講座詳細並びにお申し込みページをご覧下さいませ。

ナチュラルワイン教室 詳細&お申し込みページ

ナチュラルワイン教室 概要

大阪 火曜日コース 14:30~16:00

日程:4/9、5/7、6/11、7/9

会場 大阪市中央公会堂 地下1階 第4会議室

〒530-0005 大阪府大阪市北区中之島1-1-27

京都 金曜日コース 19:00~20:30

日程:4/12、5/10、6/14、7/12

会場 京都八百一本館2階 くらすルーム

〒604-8135 京都府京都市中京区三文字町220

東京 水曜日コース 19:00~20:30

日程:4/24、5/29、6/26、7/24

木曜日コース 14:30~16:00

日程:4/25、5/30、6/27、7/25

会場 レスパスディオニー(両コースとも共通)

〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-22-11 サンクスプライムビル5F ※ディオニー東京オフィス同フロア内

全4回の講座内容はこちら

第1回 ナチュラルワインの基礎知識 ~導入編~
  • ナチュラルワインの市場規模
  • ナチュラルワインと一般的なワインの違いなど
第2回 ナチュラルワインの基礎知識 ~ブドウ栽培編~
  • 一般的なワインとの栽培方法の違い
  • ビオディナミ
  • 病害と天候被害、気候変動の影響など
第3回 ナチュラルワインの基礎知識 ~ワイン醸造編~
  • ナチュラルワインと一般のワインの違い、酵母・濾過・清澄・添加物・補糖・補酸など
第4回 ナチュラルワインの基礎知識 ~実践編~
  • 熟成について
  • オフフレーヴァーについて
  • ナチュラルワインの扱い方、保管、抜栓後期間など~

ディオニー株式会社について

「酒」・「食」・「語らい」を通じて心豊かな社会の実現に貢献するナチュラルワインインポーター。地酒卸売業や添加物不使用の食品のOEMブランド「嵯峨野匠庵」も展開しています。

 

ディオニー株式会社について

会社概要

  • 社名:ディオニー株式会社
  • 本社所在地:〒612-8311 京都市伏見区奈良屋町408-1
  • 代表取締役:前田 豊宏
  • 事業内容: 酒類及び食品卸売業
  • 設立:1913年
  • HP:http://www.diony.com/

前田 一成(まえだかずなり)

ディオニー株式会社 取締役事業開発本部長

某アパレルメーカーに勤務後、ワイン生産者の想いと造りを学びに2011年渡仏。

南仏から収穫前線を北上し、最後にアルザスのビオディナミスト、マルクテンペで研修。

帰国して入社後も年に一度は渡欧し、生産者と会い交流を深めつつ買い付けを4年、営業を6年担当後、現職に至る。

現在は造り手の想いを消費者に伝えるべく奔走する傍ら「ナチュラル」をキーワードにしたECモール、「タベルとミンナヴィレッジ」も手掛けている。

 

※この記事は[PR TIMES]のプレスリリース情報提供をもとに制作・配信しています。

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