ワインってどんな酒? Vol.05 「ワインのブドウ品種 ~国際品種 7つだけまずは覚えて~」

ワインの知識

ワインってどんな酒? Vol.05 「ワインのブドウ品種 ~国際品種 7つだけまずは覚えて~」

ワインは、原料がほぼブドウと酵母だけで、極めてシンプルに造られるお酒。そのためブドウ品種は、ワインのキャラクターを決定づける大きな要因のひとつになります。好みの味を見つけるには、好みのブドウ品種を覚えるのがとても効果的なんですよ。

今回はまず、「国際品種」と呼ばれるブドウ品種を7種だけご紹介。それぞれの特徴を見ることで、「ブドウによってワインにどんな違いが出るのか?」を大づかみにしてもらえれば幸いです。

ワインに使われるブドウの主要品種は約100種類。世界中では、なんと1000種以上のブドウから、ワインが造られているんですよ。

 

「国際品種」7種

「国際品種」7種

 

まず、国際品種とは何かを軽くご説明しておきましょう。その名の通り、国際的、つまり世界中で広く栽培・使用されているブドウ品種のことを指します。

正式な団体・組織による規定はありませんが、「世界的に人気の高い品種」と思ってよいでしょう。今回は、品種ごとの違いが比較的わかりやすい赤白計7種をピックアップしました。品種の後ろに、赤ワインは仕上がるボディの傾向を「軽~重」で、白ワインは味わいの傾向を「甘口~辛口」で記載しましたので、参考にしてみてください。

赤ワイン4種

赤ワイン4種

カベルネ・ソーヴィニヨン【重】

「黒ブドウの王様」と賞される赤ワインのお手本

栽培面積世界一位。フランスのボルドー地方といえばコレ! という品種です。後述のメルローと合わせる、ボルドーブレンドが特に有名。

赤ワイン特有の渋みが強いので、このブドウ品種から赤ワインの虜になる人も。また、骨格がどっしりとしたワインに仕上げることが可能で、長期熟成にも適しています

果実が未熟だとピーマン、熟すと杉やカシスのような香りに。

メルロー【やや重】

なめらか&渋み控えめな、角が取れたワインに

カベルネ・ソーヴィニヨンに次ぐ栽培面積と、世界的な人気を誇ります。なめらかな舌触りとコクのある味わいを両立し、渋みもソフトに仕上がります。

ブラックチェリーやプラムを思わせる豊かな果実味と、キノコや動物的な香りを併せ持っています。

ブレンドワイン用としても重宝され、特にカベルネ・ソーヴィニヨンと相性抜群。

ピノ・ノワール【やや軽~やや重】

単一品種で仕上げる若いワインは、繊細でフルーティー

フランス・ブルゴーニュ地方の赤の代名詞。豊かな酸味がありながら渋みは少なめなので、上品かつ繊細な味わいになることが多い品種です。

特に若いワインはさくらんぼ、ベリーといった赤い果実を思わせるフルーティーさを持っています。

基本的にブレンドはせず、単一品種で仕込まれるのもポイント。果皮が薄いため、ワインの色調はルビー系で、向こう側が透けるほどの淡色です。

シラー【やや重】

スパイシーな香りと、ボリューム感ある味わいが身上

渋みがしっかりあるものの、甘みやアルコール感も強いので、全体的にはふくよかな味わいです。

黒い果実の香りに、ブラックペッパーなどを連想するスパイシーなニュアンスが混じるのも特徴。

フランス・ローヌ地方北部が名産ですが、オーストラリアではより凝縮感のあるパワフルなワインが造られています。

白ワイン3種

白ワイン3種

ソーヴィニヨン・ブラン【辛口】

柑橘やハーバルな香りを楽しむ個性派

柑橘類やハーブ、青草のような独特の香りが印象的。果実味はしっかりしているものの、ほど良い酸味が甘みを引き締めます。

ブレンド用に採用されることも多く、単一品種ならいっそうハーバルかつフレッシュに。

フランスのボルドー地方・ロワール地方をはじめ、チリやオーストラリアなど南半球でも広く親しまれています。

シャルドネ【辛口】

造り手によって変幻自在な、カメレオン的品種

均整の取れた酸味とコクを持ち、品種固有のキャラクターが薄いため、「造り手の個性が最大限発揮される」品種として有名。

冷涼な産地では、青リンゴやライムを思わせるフレッシュな味わいに。逆に温暖な地域では、トロピカルフルーツやナッツを感じさせるような、ボリューミーな仕上がりになることもあるんですよ。

リースリング【甘口】

低アルコールで甘口な、ドイツワインの大定番

ドイツワインを代表する白ブドウ品種。ハチミツや白桃などを感じさせる甘美な味わいと香りが個性的。

ピュアな酸味も併せ持ち、甘ったるくない優れたバランスのワインが多数生み出されています。

人気は世界に波及し、近年では、樽熟成により重厚感を出したり、辛口寄りの味わいに仕上げられることも。

 

次回は「テロワール」について

同じブドウ品種でも、産地によって個性が大きく異なることもあります。なので次回は「産地」について・・・といきたいところですが、落ち着きましょう。産地を覚えるには、地理的な基礎知識もかなり必要になってくるので、ブドウ品種に増していっそう複雑。

まずは、産地を特徴づける「自然条件」について学びましょう。産地の自然条件――それが、「テロワール」と呼ばれているんです。

 
ワインってどんな酒?

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