ワインってどんな酒? Vol.02 「ワインの製造工程 ~シンプルで奥が深い 7ステップ~」
ワインの知識
連載第一回目は「ワインとはブドウそのままの酒である」というお話でした。続く今回は、実際にどのような工程を経て完成するのか、を解説していきますよ。
原料がほとんどブドウと酵母だけなので、工程もやはりシンプルです。シンプルだからこそ、ブドウを育てるところから、様々な試行錯誤がなされてきたんですね。
細かい試行錯誤の部分は今回は割愛。まずは造り方を大まかに知ることで、なぜワインはあのような色・味わいなのかをつかむことからはじめましょう。
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製造工程 7ステップ
工程は大きく分けて7つ。図のように、順序でいうと発酵と圧搾(工程3.4)だけが赤白ワインで逆になっています。ここでは赤ワインの製法をベースに見てみましょう。
白ワインはあらかじめ圧搾を行ない、搾り汁だけを発酵させます。果皮を取るので色が付かず、種子も除くことで渋みを抑えているんですね。
つまり、果皮に色素のアントシアニンが、種子に渋み成分のタンニンが含まれている、というわけ。アントシアニンとタンニン、どこかで聞いたことのある方も多いのではないでしょうか? ブドウの果肉は、黒ブドウでも薄い黄緑色をしているので、赤ワインのあの色合いは皮の色、ということです。
では、下記からワイン造りを見ていきす!
1. 収穫
黒ブドウを収穫します。時期は北半球では9~10月が一般的。ブドウの成熟度を判断し、いつ収穫するのかも生産者の腕の見せどころです。酸化を防ぐため、収穫されたブドウはすぐに醸造所へと運び込まれます。
2. 除梗〔じょこう〕・破砕
「除梗」とは、いわゆるヘタや柄にあたる部分を取り除くこと。ブドウの果実上部の中心にあり、これを除かないと、苦みや渋み、えぐみが強く出てしまうんですね。
そのあとで、果皮が破れる程度に軽く潰す、「破砕」を行ないます。
3. 発酵
破砕したブドウを、果皮や種子ごと木桶やタンクに入れ、発酵させます。発酵により、アルコールをはじめさまざまな香味成分などが生まれます。酵母を加え、26~30℃くらいの低温でじっくりと発酵。白ワインの場合はもっと温度が低く、約15~20℃。
4. 圧搾
タンクの下部から、ワインを抜き出す工程。圧をかけずにワインを流出させたあと、上からプレスして残りを搾り出します。
5. 熟成・滓引き〔おりひき〕
ワインを木樽やステンレスタンクに移し、熟成させます。寝かせることで味わいがまろやかになり、風味に奥行きが出るんです。熟成期間は、赤ワインで約1~2年。白ワインは数ヶ月。
また、熟成期間に応じて数回、「滓引き」をすることも重要。底に沈んだブドウや酵母由来の混合物をタンクに残留させ、ワインを別の容器に移し替えます。
6. 清澄〔せいちょう〕・濾過〔ろか〕
「清澄」とは、卵白やゼラチンといった清澄剤を用いて、ワイン中に浮遊する細かい滓を取り除くこと。
その後に「濾過」を行ないます。フィルターや遠心分離機を通すことで、さらに微細な不純物を取り除きます。
7. 瓶詰め
瓶に詰め、コルクやスクリューキャップで栓をします。味わいにさらに複雑さを持たせるため、「瓶内熟成」を経てから出荷されるものも。ヴィンテージワインが美味しくなるのも、この瓶内熟成が進むからなんですね。
複数品種をブレンドする“ブレンドワイン”は、瓶詰めの前にブレンドが行なわれます。
次回からは、「テイスティング」編!
赤白のワインがどのようにして出来上がるのか、ざっくりとしたイメージはつかんでいただけたでしょうか?
次回からは、二回に分けてテイスティング編をお届け。まずは、ワインを楽しむための簡単な考え方やコツを伝授。その味わいの複雑さゆえに、ワインにとっつきにくさを感じている人も少なくないはず。
そんな方々に、「ワインを味わうってこういうことか」と少しでもピンと来てもらえる内容を目指します!
ワインってどんな酒?
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