ビールってどんな酒? Vol.11 「クラフトビールとは?」

お酒の基礎知識

Vol.11 「クラフトビールとは?」

いよいよ、ビールってどんな酒? 第一部最終章に入ります。第一部は、「ビールってそもそも何なのか?」「どういう楽しみがあるのか?」ということの大枠をつかんでいただける内容にまとめてきました。

検索したらたまたまこの記事に行き当たった、という人など、前の記事を読まれていない方は、ぜひ下記の記事だけでも目を通してみてください。

 

ビールってどんな酒? vol.1 「麦芽とホップと水と。」

ビールってどんな酒? vol.3 「ビアスタイルって何?」

「クラフト」とは何かを理解する

「クラフト」とは何かを理解する

クラフト=小規模製造

まず「クラフト」とは、手作りという意味。そこから派生して、クラフトという言葉は、「小規模で製造を行なっている」ということを意味するようになりました。つまり「クラフトビール」とは、小規模の企業や工場、お店などで製造を行なっているビール、というのが本来の定義になります。これは以前の記事でも少しだけ触れたことがあります。

で、この定義って、ほかのお酒、ひいては製品にも当てはまるんですね。クラフト、と頭につけようと思えば、何にでもつけることはできるんです。最近、クラフトジンとか、クラフトラムとか、巷で流行ってきていますよね。問題は、その名称が浸透するかどうかなんです。

どこからが小規模?

どこからが小規模?

 

次に出てくる問題は、「じゃあ小規模って、どのくらい? どこからがクラフトとは呼ばれなくなる?」ということ。これは正直なところ、かなり曖昧。アメリカには大きな団体が定めている「小規模・独立・伝統」という定義があるのですが、日本はありません。じゃあアメリカの定義をそのまま当てはめればいいかというと、それもなかなかそぐわないという現状があります。

つまり、ビアスタイルは作り手の自己申告であるのと同様に、日本ではクラフトもわりと、言ったもん勝ちなところがあるイメージです。今では大手企業も「クラフト」をうたった製品を出すようになりましたしね。ただやっぱり、「それは違うでしょう」という範囲はあります。大手の場合はどうやら、「主力製品と比べて製造数が少なく、異なる個性をもったもの」にクラフトをつけているようです。

「個性」が表現できているかどうか

製造数が少ないからこそ、一般にあまり認知されていないビアスタイルであったり、主力製品にはない個性を尖らせた銘柄を生み出すことができるんです。これも、大きなポイント。つまりまとめると、日本におけるクラフトビールとは、「製造数にフォーカスして、比較的小規模に製造される、個性が際立ったビール」と言うことができるでしょう。

「地ビール」とは何が違うの?

「地ビール」とは何が違うの?

 

クラフトビールという言葉が浸透する以前からあったワードに、「地ビール」があります。これとの違いがよくわからない、という方も多いのではないでしょうか。

これに関してはわりと簡単で、要は、「地域性」か「個性」か、ということです。地域密着の醸造所が作っていたり、地場の素材にこだわったものは地ビール。ほかにはない個性、オリジナリティを追求したものがクラフトビール、ととらえておくとよいでしょう。

ただし最近ではクラフトビールという呼称が日本でもかなり浸透してきたこともあり、よっぽど地元へのこだわりが強くなければ、両方ひっくるめてクラフトビール、と言っている印象もあります。

こんな特徴も

あと少しだけ詳しくみてみましょう。筆者自身が、日本のクラフトビールを取り巻く環境の、特徴的だと思うところを2点まとめました。

 

日本のクラフトビールの特徴

①製造者の顔が見える

小規模の醸造所(ブルワリー)の場合は、ブルワーも少人数で、最終的にゴーサインを出すブルワーが一人に絞られているところもあります。つまり、職人の人となりがそのまま醸造所の個性となって表れると言えます。ほかのお酒と同じく、工場見学を受け入れているブルワリーも全国にたくさんありますし、街場のビアスタンドがブルワーを店に招いてイベントを催したりと、作り手との距離が比較的近いのも魅力なんですよ。

②「限定」感が強い

製造が小規模であるだけでなく、醸造時期が決まっているものたくさんあるんです。たとえば季節のフルーツを使っていたり、ブルワリー同士がコラボレーションして生み出されたり。こうした銘柄は、その一期一会の限定感から、よりクラフトの印象が強い製品として認識されています。

どこで買える? 飲める?

どこで買える? 飲める?

 

最後になりましたが、この話も少しだけ。「いつも飲みに行く店や、なじみのスーパーやコンビニにはあまり置いてない」という方もいるかと思うので。

A.ビアバーやレストラン、スタンドで楽しむ

これが一番おすすめ。何を頼めばいいのかわからないときにも、「苦いのがあまり得意ではなくて」「フルーティーで飲みやすいものを」など簡単な要望を伝えれば、おすすめを提案してくれます。その場ですぐ、別の銘柄を飲み比べられるのもポイントです。状況にもよりますが、飲みながら感じた疑問を即座にスタッフに訊ねたりもできるので、世界がどんどん拡がりますよ。

B.専門店または高級スーパーで購入する

ビール専門店が近隣にあればベターですが、クラフトビールは特にネット販売が多く、リアルショップは少ないです。そんななか、品揃えが豊富で、筆者がよく利用しているのは「欧米の輸入食品に強い高級スーパー」。どこでもたくさん置いてあるとは一概に言えませんが、一般的な酒販店よりも種類が多い印象があります。ラベルや商品POPを見ながら、感性のおもむくままにジャケ買いしてみるのも楽しいですよ。

C.オンラインショップで購入する

お目当ての醸造所、銘柄などが決まっているならこれが一番てっとり早いでしょう。「あの時の味わいをもう一度体験したい!」というときにもうってつけです。ただビールは、どれだけ高くても一本1,000円出せばお釣りがくることがほとんどなので、新しい出会いをどんどん求めていくのが個人的にはおすすめです。

実際にお話を聞いてきました!

クラフトビールとは何か。これまでなんとなくわかったような感覚でいた方も、これである程度は理解が深まったのではないでしょうか?

さて次回は、「日本のクラフトビール」を味わえるビアスタンドに実際にお伺いします! ビアスタンドに行ったことがない方もイメージがつかみやすいようお届けしますので、どうぞよろしくお願い致します!

 

ビールってどんな酒?

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