”日本酒生産数量 No.1”を誇る兵庫県!イベント「SAKEKURABE 兵庫」にて、地酒の実力を余すことなく公開!
イベントレポート
”日本酒生産数量 No.1”といえば、兵庫県。酒米の王「山田錦」の発祥地でもあり、押しも押されもしない日本一の日本酒県ですよね。そんな兵庫県のお酒が集う「SAKEKURABE 兵庫」が、8月30日に東京の大手町の農業・農村ギャラリー「ミノーレ」で行われたので、兵庫県在住の筆者は迷わず参加!
「兵庫県の地酒に詳しい」方も、「山田錦のイメージはあるけど、よく分からない」というあなたも、改めて”兵庫県の日本酒の魅力”のベースを見ていきましょう。
SAKWKURABE
国内でもっと日本酒が愛されるために「伝統を重んじながらも、形にとらわれない自由な楽しみ方を提案していこう」という考えのもと、全国の熱意ある酒蔵が立ち上がり、蔵自らが運営する試飲会。
「新たな飲み手の創造」をテーマに、蔵元自ら企画・運営に携わり、酒卸・酒販店・飲食店の参加者と共にお酒の新たな可能性について考え、形にとらわれない自由な楽しみ方を提案している。
「SAKEKURABE 兵庫」に参加した酒蔵
- 剣菱酒造(剣菱)
- 本田商店(龍力)
- 神戸酒心館(福寿)
- 菊正宗酒造(菊正宗)
- 狩場一酒造(秀月)
- 壺坂酒造(雪彦山)
- 富久錦(富久錦)
- 万代大澤醸造(徳岩)
- 山名酒造(奥丹波)
- 泉酒造(仙介)
- ヤヱガキ酒造(八重垣)
- 岡田本家(金鵄 盛典)
- 茨木酒造(来楽)
神戸の日本酒は数が多く個性的なもの揃いなので、「どれを飲もうか迷う」という方も多いのではないでしょうか。筆者もその一人です(笑)。だからこそ探求が面白いわけですが、今回は基礎に戻って、お勧めの定番酒を蔵の方に伺ってみました。
龍力 純米大吟醸 米のささやき|本田商店
こちらの蔵は、オーナーをはじめ、酒作りついて非常に研究熱心な方が多く、「テロワール(土壌)とお酒の関係」について、いつも専門的な内容まで解説して下さいます。
特A地区の中でもさらにaランクである3つの地区:社地区(加東市)、東条地区(加東市)、吉川町(三木市)の土壌別に醸し、同じ山田錦でも風味が異なることを実感できる、日本酒のテロワールを理解できる飲み比べなど、お酒について分かりやすく、かつ、聞き手が興味を持てるように面白く説明してくれるトーク力にも定評があります。
瑞穂 黒松剣菱|剣菱酒造
松野さん
瑞穂 黒松剣菱は、2年以上熟成させた酒のみをブレンドしています。ボリュームはしっかりありつつ、凄くキレが良いので飲みやいです。もちろん兵庫県産山田錦を使用しています。
香りは優雅で余韻まで華やかさは残るけれど、後味の引かないキレの潔さで変なしつこさはなく、剣菱ならではのコクのある円熟な味わいに仕上がっています。
歴史のある「剣菱」では”酒作りの道具”にもこだわりがあるんです。それは、伝統的に積み上げて来た酒造りを守り続けるために、木製の酒造道具をいまだに多く使用している事。
木製の仕込み桶を採用している他の蔵元もありますが、「剣菱」ではまず、自社精米を木製の甑(こしき)に和釜で米を蒸し、全量麹蓋で麹を作ります。木製甑を使う理由は、内面が結露しにくくなる一方、蒸しあがりが良くなるからとのこと。
しかし一方で、仕込みタンク自体はサーマルタンクを使用して温度管理を行っています。伝統的なやり方は残しつつ、必要なところは近代化しているというわけなんですね。
百黙 純米大吟醸|菊正宗
片岡さん
百黙という名前に込めたのは、百の沈黙と一言の重み。多くは語らないけれど、一口飲めば(良さが)よく分かるという意味あいなんです。吉川特A地区で収穫された山田錦を39%まで精米しました。
まずは華やかな果実香、そして上品な甘み。心地よい苦みを伴った引き締めの余韻まで、最初から最後まで飽きることなくお楽しみいただけますよ。
単に「辛口」という言葉では表現しきれない魅力にあふれたお酒「百黙」。名前のインパクトも良いですよね。
以前、営業の方とお話した際「伝統ある蔵だからこそ(製造面など含め)変えられない部分、変化していかなくてはいけない部分がある。そこに葛藤もあるが、正解がないからこそ難しく、面白い」と仰っていた事を「百黙」を頂きながら思い出しました。
ちなみに、その時に教えて頂き「素晴らしい」と思ったのが、菊正宗のホームページに掲載している、こちら。(日本酒なんでもFAQ)
セールスマン用に制作した問答集なのですが「お酒について詳しく知りたい」というお客様の声にお応えし、日本酒に関する質問を公開しています。
素朴な疑問もあったり、解答もわかりやすかったり、非常に勉強になる内容なのでお酒を飲みながら見てみると、より一層お酒の美味しさが深まるかもしれません。
福寿 純米吟醸|神戸酒心館
八尾さん
まず、見た目の特徴が、この透き通った涼しげな外観です。もちろんお酒の特徴のイメージと合わせていまして、香りは、木なりの果物を思わせるような、すっとした綺麗な感じ。
口に含むと、口あたりはとても滑らかで、フルーツのジュレを思わせるような瑞々しさもあり、ミネラル感も感じられると思います。
繊細で透明感のある味わいなので、魚のお造りはもちろん、天ぷらを塩で頂くのにも凄くマッチしますよ。
2008年以降、ノーベル賞受賞晩餐会などの公式行事において「福寿 純米吟醸」は複数回提供されています。
また、環境を考慮したサステナブルな酒造りにも大変こだわっているなど、華やかさだけでなく、興味深い話題にも事欠かない酒蔵です。
(このサステナブル取り組みも訪問取材したので、それはまた後日アップ予定★)
日下部さん
兵庫県特A地区産山田錦を100%使用した、龍力を代表的するお酒です。しっかり冷やすほうがアルコールの角が取れて飲みやすくなるので、冷やすことをお勧めします。
アルコール分が強く、味もしっかりしているので、例えば、焼き鳥(たれ)や塩辛など濃い味のメニューと相性が良いです。
また、同じ山田錦でもテロワールによる違いが楽しめる飲み比べセットもあるので、ぜひお試しくださいね。違いを知ると、より一層お酒が面白くなりますよ!」