ウイスキーってどんな酒? Vol.03「飲み方“9種類”をレクチャー!」
ウイスキーの知識
今回はさっそく、ウイスキーの飲み方を解説していきます。ハイボールだけじゃない、9種類、9種類もあるんですよ!
ちょっと長いので、興味が湧いた飲み方を、拾い読みしつつ試してみてもいいと思います。
コンテンツ
まずは用意するもの
2000~3000円のジャパニーズウイスキー
とりあえず一本買ってみるときの基準は、これぐらいざっくりでいいと筆者は思います。ジャパニーズはその名の通り、日本人の舌に合う味わいのものが多いです。このくらいの販売価格帯のものであれば、どんな飲み方にも対応でき、ウイスキーの奥深さを知ることができるでしょう。
量は700mlまでのものを。よく目にする、トリス、ブラックニッカ、角瓶は、水や炭酸で割ることが前提だと個人的に思っているので、今回はおすすめしません。
炭酸水、天然水
炭酸水はハイボールに欠かせません。加えて、水道水だと雑味が多すぎるので、天然水のボトルか、浄水を最低限用意したいところです。
用意したい道具5つ
「これでとりあえずは事足りる」という代用品も合わせてご紹介。ぜひご参考までに。
1. トールグラス、ロックグラス
飲み方によって使い分けるので、グラスは長短2種類あったほうがよいです。
2. メジャーカップ or 計量スプーン
計量スプーンの大さじ2杯がシングルの量、30mlに相当します。
器具を使うのすらめんどくさい・・・そんな方には、簡単に目安を計測する「指で計る」という方法があります。
グラスを氷で満たしたあとに、グラスの底の厚みの上に人さし指を沿わせます。指の上までウイスキーが達した状態、これがいわゆる「シングル」の量です。中指も揃えて計れば、ダブル。
たとえばウイスキー1:ソーダ3~4なら、使いたいトールグラスが指何本分の長さか、をあらかじめ計測しておいて、それに応じてウイスキーの量を調節するとよいでしょう。あとから入れる炭酸や水など割るものは、グラスの8割程度入れると想定します。
3. マドラー
筆者は料理のときに用いる“味見スプーン”という品を使っています。このように、柄が長くて先端が小さいものであればある程度は代用できます。見た目はアレですが、菜箸でも「ステア(かき混ぜる行為)」は可能です。
4. 丸氷製氷器 or かち割り氷
丸氷製氷器は、持っておくと本格的なオンザロックが楽しめます。安いものはネットショップで¥300~¥400で売っていますよ。コンビニやスーパーで買える、大きめのかち割り氷で代用も可能です。
5. チェイサーの水
道具ではありませんが、チェイサーの水か炭酸水を別で用意しておきましょう。チェイサー〔chaser〕とは英語で“追う者”の意味で、つまり強いお酒を飲んだあとから追って飲む水のことです。
ハイボールと水割り以外は、総じてアルコール度数が高めなので、これがあることで悪酔いを防げます。
飲み方(スタイル)9種類!
さあ、ここからは飲み方(スタイル)をどんどん紹介していきます! 作る工程も合わせて解説しているので、ぜひとも実際に作って飲んでみてくださいね。4番目の「トワイスアップ」は特に試してみてほしい飲み方です。
1. ハイボール
ウイスキーを炭酸で割る、言わずとしれた飲み方。アルコール度数を抑え、炭酸の爽快感で飲みやすくなるのが一番の魅力。炭酸はウイスキー本来の香りを際立たせてくれます。ソーダだけでなく、ジンジャーエールやトニックウォーターを用いるとまた違った味わいに。
- トールグラスに氷を一杯まで満たす。軽くステア(スプーンやマドラーでかき混ぜること)し、グラスを冷やしておく。
- ウイスキーを注ぐ。適量は、ウイスキー1:ソーダ3~4。ここでもマドラーをひと回しして、ウイスキーも冷やしておく。
- ソーダを注ぐ。炭酸が抜けるのを少しでも避けるため、氷にできるだけ当てないようにしてゆっくりと注ぐ。
- グラスの底から氷を持ち上げるように、マドラーで縦に一回だけステアする。あとは炭酸の発泡によって自然と混ざる。
2. 水割り
こちらもオーソドックスな飲み方。味わいがまろやかになり、食事にも合わせやすくなります。水道水だと雑味が多いので、天然水を用意しましょう。
- トールグラスに氷を一杯まで満たす。軽くステア(スプーンやマドラーでかき混ぜること)し、グラスを冷やしておく。
- ウイスキーを注ぐ。適量は、ウイスキー1:天然水2.5~3。ここでもマドラーをひと回しして、ウイスキーも冷やしておく。
- 水を注いで、マドラーで軽くステアする。
3.神戸ハイボール
兵庫県神戸市発祥の、ハイボールの別スタイル。氷を使わず、ウイスキーをボトルごと冷凍庫で冷やしておくのが一番の特徴です。ウイスキーが氷で薄まることがなく、最後まで一定した濃度で味わうことができます。仕上げに、レモンやオレンジのピールを香りをまとわせるように絞りアレンジすることも。
- 冷凍庫で冷やしたウイスキーを、トールグラスに注ぐ。比率は、ウイスキー1:炭酸2.5~3。通常のハイボールよりも少し濃いめを意識する。ウイスキーはボトルに霜が付着するくらい、キンキンに冷やしておくのがいい。可能であれば、グラスも冷凍庫で冷やしておくとなおよい。
- 炭酸水は冷蔵庫で冷やしておき、注ぐ。かき混ぜる必要はない。
4. トワイスアップ
ウイスキー1:常温の水1で割る飲み方。今回、一番おすすめしたいのがこのスタイルです。蒸留酒特有の強いアルコール感が薄まる代わりに、ウイスキー本来の香りや、甘みなどが際立つんですね。しかも簡単に作れます。蒸溜所で造り手が味を見る際にも、このトワイスアップの方法で試飲することが多いようです。
- グラスにウイスキーを注ぐ。グラスはロックグラスなど、あまり容積の大きくないものがおすすめ。
- 常温の水を同量注ぐ。ウイスキーと水をともに常温にしておいたほうが、本来の味わいを楽しめる。
- グラスを揺すって、ウイスキーの香りを立たせながら少しずつ味わう。
5. ストレート
その名の通り、グラスに注いでそのまま飲みます。アルコール感を調節するために、加水用の水を用意しておくのがポイントです。少しずつ水を足し、好みの濃さを探してみてください。
6. ロック(オン・ザ・ロック)
ウイスキーと言えばこの飲み方を連想する方も多いんじゃないでしょうか? ストレートよりは飲みやすく、氷が溶けていくごとに変わる味わいも魅力です。ロックグラスに入れた大きな氷の上から、ウイスキーをかけるようにして注ぐのがポイントです。
また、オンザロックを作ったあとに、同量の天然水を注ぎステア(かき混ぜる)する「ハーフロック」という飲み方もあります。アルコール感がきつすぎると思ったときには、ぜひお試しあれ。
ちょっと変わった飲み方3種
ここからは、一風変わったスタイルをご紹介。自分で飲むだけでなく、家に友人などを招いた際に振る舞うと、喜んでもらえるかもしれませんよ?
7. ミスト
ロックグラスを、粒の細かいクラッシュアイスで満たすことで、ひと口ごとに変化する味わいが楽しいスタイル。すぐにウイスキーが冷え、見た目にも清涼感たっぷりです。
- クラッシュアイスを作る。筆者のおすすめは、清潔なふきんで通常サイズの氷をまとめて包み、ハンマーや肉叩きなどで叩いて氷を砕く方法。かき氷より粒の荒い程度を目指す。
- クラッシュアイスをロックグラスに満たす。
- ウイスキーを注ぐ。シングルか、ダブルの量から試し、少なければ足す。
- マドラーで2~3回ステアして、ウイスキーを冷やす。
8. ウイスキーフロート
水の上にウイスキーを浮かべます。混ぜずに飲むことで、口をつけるたびに味わいが変化するんですよ。うまくいけば琥珀色と透明な層が2トーンになる、美しい見た目もポイントです。
- ロックグラスに大きめの氷を入れる。
- 水をグラスの約7分目まで注ぐ。
- 水面を波立たせないよう、マドラーに沿わせるようにウイスキーを少しずつ注ぐ。マドラーがない場合は、スプーンで微量ずつ膜を作るイメージで。
9. ホットウイスキー
あたたかいグラスから芳香が柔らかに立ち上る、特に寒い季節にぴったりの飲み方。ホットワインのような感覚で、シナモンスティックやクローブ、ハーブ類やジャムなどをお好みでトッピングしても楽しいスタイルです。
- 耐熱グラスに、ウイスキーを適量注ぐ。比率はウイスキー1:お湯2~3。
- お湯を注いで、マドラーで軽くステアする。
ウイスキーベースのカクテルも!
ウイスキーってどんな酒?
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