これからの寒い時期に飲みたい。熱燗におすすめな日本酒6選!
酒造・メーカー紹介
冷え込む季節がやってくると、熱燗の日本酒が欲しくなるでしょう。おでんや鍋を楽しむとき、熱燗は最高の相棒ですが、多くの日本酒の中からどの銘柄が燗に最適か気になりませんか。
今回は、熱燗にぴったりの日本酒を見つけるためのおすすめ銘柄と選び方について紹介します。温度が変わることで味わいがどう変わるか、好みに合った種類なども詳しく説明しています。
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熱燗に合う日本酒を選ぶには?
熱燗は、日本酒を温めて飲むための方法で、しばしば「燗酒」とも称されます。一般的に、日本酒は温めることで、甘みや酸味、苦味などのバランスが向上し、旨味が増すと考えられています。ひと言で「熱燗」といっても温度によっては、以下のように呼び方が異なります。
呼び方 | 温度 |
日向燗(ひなたかん) | 30~35℃ |
人肌燗(ひとはだかん) | 35~40℃ |
ぬる燗(ぬるかん) | 40~45℃ |
上燗(じょうかん) | 45~50℃ |
熱燗(あつかん) | 50~55℃ |
本章では、上記を踏まえて熱燗に適したお酒の選び方を紹介します。
特定名称で選ぶ
熱燗に適したお酒を選ぶ際は、純米酒系の日本酒が適しています。純米酒系とは、原材料として米と米麹、水のみを使用しており、醸造アルコールが添加されていない種類のお酒です。
これらの酒は、米の自然な風味や味わいが重要視されており、燗をつけることで、より深い味わいが引き立つことがあり、また旨味が際立つことがあります。具体的には「純米酒」「特別純米酒」「純米吟醸酒」「純米大吟醸酒」がおすすめです。
酸度に注目して選ぶ
高い酸度を持つ日本酒は、熱燗に最適です。酸度とは、乳酸やコハク酸の含有量を示す指標で、高い酸度のものは濃厚な味わいを、低い酸度のものは淡麗な味わいを特徴とします。
通常、日本酒の酸度は平均的に1.3ほどです。したがって、酸度が高い日本酒をお求めの場合は、1.4以上の数値を持つ酒を選ぶのがおすすめ。酸度の具体的な数値は、ラベルやパッケージ、公式サイトなどからも確認できます。
生酛や山廃は熱燗向き!
ボディがしっかりとし、コクのあるタイプの日本酒は、熱燗にすることでその味わいが一層芳醇になります。アミノ酸が豊富に含まれる「生酛(きもと)造り」や「山廃(やまはい)仕込み」の日本酒は、特に熱燗向きです。
迷った際には、まずは「生酛」や「山廃」の日本酒を探してみましょう。これらの酒は「醇酒」とも呼ばれ、濃厚な香りが特徴で、熱燗にすることでその香りが一段と引き立ちます。
熱燗におすすめな銘柄6つ!
熱燗におすすめの銘柄は、以下の6つです。
本章では、各銘柄の味わいや熱燗にした際の特徴を解説します。
月山 芳醇辛口 純米|吉田酒造(島根県)
月山は、芳醇な味わいとキレのある後味が特徴です。どんな料理にも合う、美しい旨味が広がります。辛口ながらも、出雲流の純米造りの特徴が感じられる純米酒です。
吉田酒造では、毎年新たな試みを通じて、常に「美味しいお酒」を追求し続けています。超軟水として、島根の銘水百選に指定された水源と、地元の契約農家で育てられた高品質な米を使用しています。フレッシュで香り高く、キレのあるお酒を醸造しています。
菊姫 純米酒 金劒|菊姫(石川県)
「金劔(きんけん)」は、日本酒の独自の風味を表現したお酒です。「燗酒の魅力」を楽しむために、菊姫が誕生させた純米酒だけあって、熱燗との相性は抜群。兵庫県吉川町で育てられた特上山田錦米を、自社で丁寧に65%まで磨き上げ、菊姫自家製の酵母を使って速醸酒母でじっくりと醸造されました。
米の柔らかな旨みと甘みを引き立て、まろやかな味わいの「旨口純米酒」に仕上がっています。やわらかな味わいは「女性におすすめなお酒」とも言えるでしょう。飲みごたえと味わいが調和し、口に含むと熟成によって滑らかに進化した甘みと酸味が感じられます。常温で楽しむのも良し、熱燗で楽しむのもおすすめです。
司牡丹 船中八策|司牡丹酒造(高知県)
高知の代表的な酒蔵が制作した純米辛口酒です。坂本龍馬が船上で提案した「船中八策」に敬意を表すために、このような名前がつけられました。
こちらのお酒は、上槽後の生貯蔵温度を低く保ち、貯蔵期間を短くして造られています。毎年少しずつ改良を重ねて、辛口酒の王道を進んでいます。非常に辛口ながら、口の中で驚くほど滑らかで、スムーズなキレを堪能できるでしょう。
熱燗にすると、清澄で滑らかな口当たりと豊かな味わいが一層際立ち、温かさに包まれるような美味しさが楽しめます。
三千盛 純米大吟醸 からくち|三千盛(岐阜県)
純米大吟醸として提供されていますが、大吟醸の名前が控えめに表示されています。通常、大吟醸酒には吟醸香が特有の香りとして現れますが、このお酒からは、ほとんど感じられません。代わりに、お酒らしい穏やかな香りが広がります。
初めの一口はサラリとした飲み口。その味わいの傍らに、爽やかな酸味が広がります。もちろんキレの良さも際立ちます。三千盛酒造の言葉で表現すれば、余分な味わいを排除して旨味だけが感じられる、繊細な味わいのお酒です。
浦霞 禅 純米吟醸|佐浦(宮城県)
「浦霞禅」は、ほどよいメロンのような、華やかな吟醸香と滑らかな一体感を持つ酸味が特徴のお酒です。お米の豊かな旨味と絶妙なバランスがあり、日本酒初心者にも受け入れやすい、クセのない味わいと言えるでしょう。
引き立つアフターテイストによって、口当たりが滑らかで、料理との相性も抜群です。
七田 純米 七割五分磨き|天山酒造(佐賀県)
七田ブランドの代表的な特徴は、75%精米された米を使用しています。このアプローチによって、米の独自の特性が引き立っており、お米そのままの風味を楽しめます。あまり磨かれることなく、お米が使われているものの、すでに磨き抜かれたような美味しさが感じられるのが、七割五分シリーズの魅力です。
特に、山田錦は他とは一線を画す安定感があり、ほのかなぶどうの香りと、後味の爽快さを持つ独自の酸味が特徴です。ボリュームたっぷりの旨みと力強さがありながら、山田錦らしいエレガントな風味も感じられます。