ウイスキーってどんな酒? Vol.10 「カナディアンウイスキー ~ライトで華やかな香り~」

ウイスキーの知識

ウイスキーってどんな酒? Vol.10 「カナディアンウイスキー ~ライトで華やかな香り~」

五大ウイスキー編もついに4か国目に入りました。今回はカナダで造られる「カナディアンウイスキー」!同じく軽い酒質と言われる「アイリッシュ」と読み比べていただくと、その特色がわかりやすいと思います。

ウイスキーってどんな酒? Vol.09 「アイリッシュウイスキー ~3回蒸留とブレンドの技~」

 

カナダってどんな国?

ナイアガラの滝

ナイアガラの滝

国の広さは世界第二位!

カナダは、北アメリカ大陸の北部の大半を占める国。グリーンランドの南側の群島もカナダの領土なので、世界第二位の国土の広さを誇ります。

一位はロシアだとして、二位はアメリカか中国だと思っていたのは、私だけではないはず・・・。

多民族文化と、圧倒的な大自然

オーロラ

オーロラ

 

トロント、バンクーバー、モントリオール。冬季オリンピックの開催地になったりもしているので、都市の名前は聞いたことがあると思います。

カナダは連邦国として自治を始めてからまだ160年弱しか経っておらず、昔から移民を多く受け入れてきたので、「多民族の文化にふれることができるのが、カナダの文化性」なんですね。

そのほかはやはり、オーロラやナイアガラの滝、紅葉に覆われたメープル街道など、圧倒的なスケールの大自然が有名です。

禁酒法時代に市場を席捲!

禁酒法時代に市場を席捲!

 

ではここからは、カナディアンウイスキーの歴史を簡単に。

ウイスキー造りが本格化したのは、1776年のアメリカ独立宣言後のこと。独立に批判的だったアメリカのイギリス系住民がカナダに移住し、栽培した穀物の余剰分で蒸留酒を造り始めたのがきっかけとされています。

その後、1920年に施行された禁酒法の際にも、カナダは輸出を禁止することなくアメリカへの密輸を続けました。その結果、「アメリカのウイスキー庫」と呼ばれるに至り市場を席捲、カナディアンウイスキーの名が知れ渡ることになったのです。

現在でも、生産量の約7割はアメリカで消費されています。それにしても、ウイスキーの歴史にはアメリカの禁酒法がめちゃくちゃ絡んできますね――。

カナディアンブレンデッド

カナディアンブレンデッド

 

で、カナディアンってどんなウイスキーなのか。見出しにもある通り、カナダのウイスキーはほとんどがブレンデッドウイスキーに当たります。

「主にブレンドすることを目的にした原酒を二種類仕込む」というのが、カナディアンブレンデッドの大きな特色です。

二種類の詳細を、下記にまとめました。

フレーバリングウイスキー

フレーバー(=風味)の名の通り、香りの決め手になるウイスキー。原料は未発芽のライ麦や、ライ麦芽、大麦麦芽など主に麦類で、トウモロコシが混合されることも。

連続式蒸留ながら、度数は低めの64~75%程度に留めるため、ライ麦由来のオイリーさやスパイシーな風味を感じられます。バーボンと似た味わいも。

ベースウイスキー

仕上げるウイスキーの基盤を支える。原料は主にトウモロコシで、連続式蒸留によってアルコール度数95%以下と高アルコールで蒸留されます。あくまで土台なので、マイルドかつクセがありません。

飲みやすく初心者にもおすすめ!

飲みやすく初心者にもおすすめ!

 

熟成期間は、いずれも3~4年くらい。ブレンドの比率は、フレーバリングウイスキーが約10~30%、ベースウイスキーが約70~90%

瓶詰めする内容量の、9.09%までは、バーボンをはじめ「カナダ産以外の原酒」を混合することが認められています。

こうして生まれる味わいは、「5大ウイスキーのなかで最もライト」と言われています。軽い酒質ですが風味は華やかで、すいすい飲めることがファンを増やしている要因のようです。ウイスキーベースのカクテルに、好んで使われることも多いんですよ。

代表的な蒸留所

カナディアンクラブ

「C.C.〔シーシー〕」の愛称で親しまれる、カナディアンウイスキーのトップブランド

ライ麦、ライ麦芽、大麦麦芽をそれぞれ別々に蒸留するフレーバリングウイスキーと、ベースウイスキーを、ブレンドしてから6年以上熟成にかける独自の製法を守っています。軽やかな都会的な味わいを、ぜひソーダ割りで。

カナディアンクラブ

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クラウン ローヤル

イギリス国王・ジョージ6世に献上された格式ある銘酒。スムースな飲み口ながら、大麦の力強い甘みやライ麦のスパイス感を併せ持つ、奥深い味わいです。

クラウン ローヤル

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カナディアンミスト

独自の3回蒸留を採用。ライ麦を主原料にした、スパイシーで軽快な味わいが楽しめます。ホワイトオーク樽での熟成による、クリーミーな甘みも。

カナディアンミスト

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次回はいよいよ「ジャパニーズ」

日本で見かける機会が多いのは、カナディアンクラブだと思います。まずは、食中・食後とシーンを選ばずに飲みやすい「C.C.ソーダ(割り)」で、ぜひカナディアンの魅力を体験してみてください。

次回はいよいよ、我が国が誇る「ジャパニーズ」に入っていきます。お楽しみに!

 
ウイスキーってどんな酒?

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