この時期飲みたい夏酒5選|日本酒から四季の移ろいを感じよう!
酒造・メーカー紹介
夏酒は暑い季節にぴったりで、爽やかな味わいと清涼感が特長。夏の暑さを癒し、リフレッシュさせてくれます。
ひと言で夏酒といっても、辛口やフルーティーなどさまざまなタイプがあり、自分の好みにぴったりなものを選ぶのも楽しみのひとつです。
そこで本記事にて、夏酒の魅力をたっぷり紹介していきます。
コンテンツ
日本酒の四季とは?
季節限定の日本酒は、冬酒(しぼりたて・新酒)、春酒、夏酒、秋酒(ひやおろし)の4種類に分類されます。
通常の日本酒は、保存期間を延ばすために2回の火入れを経て出荷されます。しかし冬季に収穫される「しぼりたて(冬酒)」は、火入れをせずに出荷されます。そのため初々しさやフレッシュな爽快感を楽しめるでしょう。
春酒は春の期間限定の日本酒であり、販売期間は3月中旬〜5月中旬です(蔵元によって異なります)。呼び方は「春純米」や「春和酒」など蔵元によって異なりますが、桃色のボトルやラベルが特徴で、春の訪れや桜をイメージさせます。
夏酒については、後ほど解説するため、ここでは割愛します。
秋酒(ひやおろし)は、冷蔵設備のない江戸時代の造り方を受け継いだもの。冬から春に醪が完成すると、一度だけ火入れをします。そして気温が下がる9月頃に、瓶詰めして出荷されます。
夏酒ってどんなお酒?
夏酒は、暑い夏の季節にぴったりなお酒です。夏酒の魅力は、何といってもその爽やかな味わいにあります。心地よい清涼感が口いっぱいに広がり、夏の暑さを和らげてくれるでしょう。
さらに夏酒にはさまざまなタイプがあり、辛口やフルーティー、華やかなどそれぞれのお酒に個性があります。本章で夏酒の魅力をじっくり紹介していきます。
夏酒の魅力
『夏酒』に明確な定義はありませんが、一般的には夏に向けて販売される日本酒を指しています。
日本酒は寒い季節に需要が高まる一方で、暑い季節には需要が落ち込む傾向があります。そこで、夏にも日本酒が楽しめることを広く知ってもらおうと、夏酒が誕生しました。
夏酒の魅力の一つは、涼しげで可愛らしいラベルデザイン。店頭にはブルーやグリーン、水色、透明など、夏にぴったりのボトルが並びます。
また味わいの特徴としては、すっきりとした飲み口が挙げられます。口当たりや喉越しが良く、さっぱりとした味わいが多い傾向です。特に、端麗辛口の日本酒は、冷やすことでさらに爽やかな飲み口になります。
さらに酸味の効いた白ワインタイプの夏酒も人気。酸味が口に残る甘さを抑え、爽やかでスッキリした味わいが夏にぴったりです。ぜひワイングラスで、ゆっくりと楽しんでみてください。
夏酒のタイプ
酸味の効いたスッキリとした白ワインタイプや、フレッシュな味わいの生酒、お米の栄養が詰まったにごり酒など、夏酒にはさまざまなタイプがあります。
夏酒の代表的な種類は「生酒」「原酒」「にごり酒の微発泡」の3つ。それぞれの特長について、解説していきます。
暑い夏にぴったりな生酒は、製造工程で火入れと呼ばれる加熱処理をおこなわない日本酒。長期保存には不向きですが、新鮮な香りとみずみずしい味わいが特長です。
濃厚な味わいを楽しみたい方には、原酒がおすすめです。通常、日本酒は絞ったもろみに水を加えてアルコール度数を調整しますが、原酒は加水をせずに仕上げます。日本酒本来の濃厚な味わいが楽しめるでしょう。
最後の「にごり酒の微発泡」です。暑い季節にすっきりとした味わいを求める方には、微発泡タイプのにごり酒がおすすめ。にごり酒とは製造過程で酒粕をそのまま残す日本酒のことで、口当たりがさわやかです。
夏酒のおすすめ日本酒5選!
夏酒には、さまざまなタイプがあると前述しました。では具体的に、どのような銘柄を選ぶべきなのでしょう。
ここでは夏酒としておすすめな日本酒を5つ、紹介していきます。
七田 夏純|天山酒造
「出羽燦々」というお酒は、山形県で生産されたもので、全量を60%まで丁寧に磨き上げた日本酒です。マスカットや夏ミカンのような、爽やかな果実香が広がります。
アルコール度数を14度台に加水調整しながらも、原酒の旨味と酸の輪郭をしっかりと引き出し、スッキリとした味わいの中にも、七田らしさが感じられる仕上がりとなっています。
このお酒は香りと旨味、酸味がバランス良く調和し、すっきりとキレのある味わいが特長。暑い日にぴったりの一本であり、ゴマ鯖やクリームチーズのカナッペなどと味わうのがおすすめです。
栄光冨士 七星|冨士酒造
山形県産の出羽の里と山形酵母を使用している、夏の生酒です。
栄光冨士らしい、華やかな吟醸香が広がり、日本酒度はマイナス10。甘味を感じさせる柔らかさがあり、後味はさらりとキレていくため、見た目以上に爽やかに楽しめます。
軽やかな甘味とバランスの取れた味わいは、食事とも相性が良く、食中でも楽しめる一本です。
赤武 純米夏霞|赤武酒造
こちらは爽やかな美味しさを豊かに演出してくれる日本酒です。ゆっくりと口に含んでみると、爽やかな香りからやさしい口当たりが広がります。
スマートな旨みが感じられ、フィニッシュにはほんのわずかな苦味があり、軽やかにキレていきます。
氷を入れてロックにすると苦味がなくなり、ますます優しく爽やかな美味しさが引き立ちます。
東力士 トロピカル純米 酔夏|島崎酒造
香りを嗅いでみると、みずみずしいスイカのような甘さが感じられます。そんなイメージから「酔夏」と名付けられています(親父ギャグ?)。
爽快な夏酒として、少しオリが絡んだ「薄にごり」に仕上がっています。口当たりは優しく、甘さは控えめで辛口酒の要素が、涼しげな雰囲気を醸し出しています。
トロピカルで夏らしい爽やかな薄にごりの純米酒なので、しっかりと冷やしてから飲んでみてください。
農口尚彦研究所 夏酒|農口尚彦研究所
こちらは農口杜氏が「農口五彩シリーズ」とは別に、手がけていたシリーズです。四季をテーマにした限定酒として販売されているのが、こちらの夏酒。
石川県産の五百万石を100%使用しています。夏の季節にふさわしい、柔らかく爽やかな味わいを持ちます。
農口五彩シリーズと比べると、アルコール度数は低めで軽快な味わい。しかしその中には、しっかりと旨味とキレも感じられます。