閃きとチャレンジで、クラフトビール業界に新風を巻き起こす!~静岡県 West Coast Brewing~

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閃きとチャレンジで、クラフトビール業界に新風を巻き起こす!~静岡県 West Coast Brewing~

静岡市街から電車で2駅のところに穏やかな空気が流れる用宗漁港があります。

やさしい波の音を聞きながら海沿いに歩みを進めると開けた住宅街の角に、クラフトビール醸造所のWest Coast Brewing(株式会社WEST COAST)が運営するThe Villa & Barrel Loungeが佇んでいます。

 

The Villa & Barrel Lounge

The Villa & Barrel Lounge

 

その場の風景に溶け込むように存在する建物は、建築士である社長Mr.デレックがデザインしたタップルームとホテル。

West Coast Brewingが全国に向けて発信しているビールの楽しみ方を伺うため、広報の望月さんにお話を伺いました。

ビール好きに愛されるブルワリーの始まり

ビール好きに愛されるブルワリーの始まり

 

望月さん

(株)WEST COASTは建築設計事務所として、アメリカ出身の建築士である社長デレックが10年前に始めました。

向かい側に建つ「用宗みなと温泉」の設計を担当したのがきっかけで、この地でのブルワリーの構想が実現します。

2019年にビール部門、2022年7月にホテル部門をスタートさせました。

 

静岡の中心地から用宗の港まで足を運ぶと、海と山に囲まれたローカルな雰囲気を感じます。

ビール造りにどう影響するのでしょうか。

美味しい水が育むクラフトビールの可能性

望月さん

偶然にも富士山の伏流水が濾過され続けて海に放出される最後のポイントになる場所でした。用宗はビール造りに欠かせない純度の高い美味しい水があるため、井戸を掘って仕込み水として使用しています。

 

定番商品「Starwatcher」

Starwatcher(スターウォッチャー)

 

定番商品ともいえる「Starwatcher」は、まさに綺麗な水の印象を受けるやさしい後味。

筆者もいただきましたが、華やかで苦味の効いた印象があったクラフトビールの中で豊かな香りと綺麗な飲み口は衝撃でした。

Starwatcher:https://www.westcoastbrewing.jp/beer/starwatcher/

 

望月さん

「Starwatcher」は醸造スタート時の第一作目で、これまでに30回以上は造り続けています。基本的なレシピは変えませんが、飲み比べるとかなりバージョンアップしています。

使用するホップのクオリティーも良くなっているので、香りや味わいに顕著に現れるのです。今が一番、最高の状態を楽しめますよ。

ビール造りの命でもある品質の良いホップ

ビール造りの命でもある品質の良いホップ

 

気になるのは軽やかで華やかな香り。飲んだ時に心地良く香るホップについて伺ってみました。

 

望月さん

華やかな香りはホップの香りです。原料を惜しみなく使いたいというのがベースにあるので、他のブルワリーとは比べられない量を使用しています。

さらに、ドライホップという追いホップのような作業も積極的に行っています。

世界中にある様々な品種のホップを組み合わせて、華やかな香りやフルーティーな味わいを造りだしているのです。

 

向上心という言葉よりも「品質の良い美味しいビールを届けたい」というとても純粋な想いが伝わってきます。

 

品質の良い美味しいビールを届けたい

 

望月さん

国内外問わず、横の繋がりを大事にされているブルワリーが多く、積極的に意見交換をしたり、コラボレーションしたりとリスペクトし合える者同士で交流を深めています。

一緒に良いビールを造っていこう、日本のクラフトビールシーンを盛り上げていこうという精神ですね。

海外のブルワリーとの交流やコラボレーションの予定も控えているのでスタッフとしても楽しみです。

フードも楽しめるタップルームとタップ付きのホテル部屋

フードも楽しめるタップルームとタップ付きのホテル部屋

 

「The Villa & Barrel Lounge」はホテルにタップルームが併設されています。

興味深いのは全5室の客室にタップがセッティングされており、オリジナルビールが24時間いつでも飲める夢のような宿泊施設であること。

どのような経緯で始められたのでしょうか。

 

望月さん

醸造所真向いにあった老舗フランス料理店の物件が売りに出ることとなり、縁があって社長デレックの元にお声が掛かったのがホテル部門の始まりです。

建物を活かしてくれる人に受け渡したいというオーナーの意向に応え、建築士であるデレックが外観をそのままに、柱や昔の部分を活かしながらリノベーションで生まれ変わらせたのです。

 

冷蔵庫内の缶ビール

 

当時、醸造所に併設されていたタップルームを移設しようというのが当初の計画。

ところが、実際の建築物が広く素晴らしかったため、Mr.デレックの閃きと英断によりホテル建設に一気に話が進んでいったとのこと。

 

望月さん

デレック本人も建築士として街づくりをしたいという願いがあり、ホテルの発想が生まれたようです。

最初は宿泊部屋のみの構想でしたが「客室にタップを付けたら面白いよね」という閃きにより今の形が生まれました。

部屋で寛ぎながらオリジナルビールが飲み放題

部屋で寛ぎながらオリジナルビールが飲み放題

 

部屋にあるタップのスタイルや飲み放題というワードが気になりますよね。

※冷蔵庫内の缶ビールは、飲み放題には含まれません。

 

望月さん

宿泊者のためだけに造ったオリジナルビールを楽しんでいただけます。

さらに約1~2か月のスパンで新しい種類のビールに切り替わるため、毎月泊まりに来てくださる常連の方もいらっしゃいますよ。

宿泊される方には特別な体験を通して大満喫して帰ってほしいですね。飲み過ぎて体調を崩さない程度に楽しんでいただければありがたいです。

ペアリングフードと10種のビールを味わう

ペアリングフードと10種のビールを味わう

 

宿泊には食事が付かないため、外食またはタップルームで提供しているビールとのペアリングにピッタリのフードメニューを楽しめます。

朝7時から夜10時まで営業しており、常時10種程のビールと時間帯ごとに異なるオリジナルフードを堪能できます。

 

常時10種程のビールと時間帯ごとに異なるオリジナルフードを堪能できる

 

望月さん

新作を毎週2,3種類リリースしています。

モットーとして常にフレッシュで美味しいビールを飲んでいただきたいという想いを何よりも大事にしていて、4年間で造った銘柄は約260種類。多いときは一気に4種の新作が出る時もあります。

お客様が飲みに来てくださったタイミングでラインアップも変化しているので、新しい味や好きなビールに出会える確率が上がります。

いつ来ても、何回来ても楽しんでいただけますよね。

守りたいもの、そしてチャレンジしたいこと

守りたいもの、そしてチャレンジしたいこと

 

最後に守りたいもの、これからチャレンジしていきたいことをお伺いしました。

 

望月さん

美味しいビール造りを続けていくこと、そのために私たちスタッフが全力で楽しんで取り組んでいくことは、これからもずっと大切にしていきたいです。

美味しさへの感動や楽しさでのワクワクする気持ちを、いつでもお客様と一緒に感じていたいです。

そして大阪をはじめ、今後も更なる店舗展開ができたらいいですね。今までも社長デレックのふとした閃きが夢のある形へと変化しています。

急にびっくりさせることがたくさん起きてくると思うので(笑)、ぜひ今後の動向にもご注目ください!

バレルエイジドビール:GMT+9

 

バレルエイジドビール:GMT+9

 

ひとつご紹介。バレルエイジドビールのオリジナルブランドであるGMT+9。創業初期から仕込みを始め、ようやくリリースされた長期熟成ビールです。

ワインやウィスキー・バーボンなどの木樽にビールを約2年ほど漬け込み、風味や熟成具合を楽しむとのこと。ずばり、ビールの概念が変わるそうです。

 

別倉庫では現在進行形で色んなビールが眠り続けているという情報を教えてくれました。不定期でボトリングされるようなので、これからのWCBが楽しみですね。

 

ビール缶アートラベル

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