「良き水ありて 良き酒あり」千曲川最上流の酒蔵。-長野県 黒澤酒造-
酒造・メーカー紹介
黒澤酒造について
黒澤酒造の歴史
創業は安政5年(1858)、当時の代官から拝受した酒株証文(酒造りの許可証)は今も大切に保管されています。
明治に入ると、黒澤家はこれまでの生業を拡大し、銀行、呉服、酒、味噌醤油、薬を扱う総合的な商売を展開します。「屋号・マルト」の誕生でした。このマルトは、マル=太陽、ト=昇る、つまり旭日昇天で、事業の繁栄を意図します。
マルトの根幹をなす銀行業はやがて十九銀行へと成長、そこへ長野の六十三銀行が合併し、現在の八十二銀行になったのです。酒造業の商いは現在、「6代目 黒澤孝夫氏」が担っています。
2009年より杜氏を務める「蔵元杜氏 黒澤洋平氏」。酒造り一筋に60年の「前杜氏 中澤礎氏」の確かな経験と技術を受け継ぎ、情熱とこだわりを持ち、社員一丸となって丁寧に醸しています。
「黒澤」流の形。伝統製法生酛造り
「呑み飽きしない酒を造りたい。」という思いから「黒澤酒造」では、昔ながらの製法「生酛造り」に力を入れており、通常の倍の時間をかけて酵母を育てる手のかかる製法ですが、奥行きのある、旨味たっぷりの骨太な酒を目指してこだわり続けています。
農・酒・呑・生活(No Sake No Life)
単にお米を磨くのではなく旨味や酒質に合わせ、濃醇やや辛口で酒の五味「甘酸辛苦渋」のバランス良いしっかりとした味わいと心地よさを追求したお酒です。
長野県産米にこだわり、大吟醸から普通酒まで全て長野県産米を使用しており、平成17年より自社田でのひとごこち栽培も開始しました。
現在約1町歩 約90俵 原料米は全量自社精米による原料管理を行っています。郷の米、郷の水、郷の杜氏で、名実ともに本来の意味の地酒造りを目指しており、『農・酒・呑・生活(No Sake No Life)』をポリシーに農業と深く関わりながら、風土を醸しています。
誇れる風土を語れる酒、自由な酒造りを目指して…
熟成に関する取り組みとして県営ダムの管理用トンネル、スキー場の雪中貯蔵、ワイン中古樽貯蔵などクラフトジン、スピリッツ、焼酎、梅酒など地場の素材を活かした個性的なアルコール飲料の開発など多彩な酒類製造も特徴です。誇れる風土を語れる酒、一歩進んだ自在な酒造りを目指しています。
文:日本酒鑑定士協会 瀧村健治
編集:LIQLOG