「福井の酒」としての誇り。福井の風土に寄り添い、伝統と新しい感性を融合させた酒造り。-福井県 田辺酒造-

酒造・メーカー紹介

「福井の酒」としての誇り。福井の風土に寄り添い、伝統と新しい感性を融合させた酒造り。-福井県 田辺酒造-

田辺酒造について

曹洞宗大本山「永平寺」のお膝元永平寺町で、明治32年より酒造りを行っています。町内には、「清流の町」の象徴である霊峰白山を源とする九頭竜川が流れ、夏は鮎釣り、冬はサクラマス釣りで賑わいます。

その為、かつては、酒造りも松岡藩の奨励産業とされ、町内には17軒もの酒蔵がある県内有数の名醸地として栄えました。

 

五松橋から見る「九頭竜川」

 

田辺酒造」では、昔ながらの和釜による米蒸し作業を行い、醪は全て「槽搾り」で搾ります。また、九頭竜川の柔らかな伏流水を活かした「吟醸造り」を基本とし、柔らかな飲み口と骨格のある米由来の旨みを引き出せるよう酒造りを行っています。年間製造石数は「300石」です。

 

和釜による米蒸し作業を行い、醪は全て「槽搾り」

 

全国新酒鑑評会では、福井県唯一の6年連続金賞受賞(平成7年~12年)など、小規模蔵ながら数々の品評会にて入賞を果たしてきました。昨年5月に発表された「令和2年度全国新酒鑑評会」においても金賞を受賞しました。

 

杜氏の「田邊 丈路氏」
杜氏の「田邊 丈路氏」は、大学卒業後蔵に戻り、30年に渡り「田辺酒造」の酒造りを支えてきた鷹木美芳(南部流杜氏)に8年間師事し、平成24年より杜氏に就任しました。

福井の風土を生かした酒造り

この地には、水、米、冬の寒さなど、酒造りにとっての好条件が揃っています。

九頭竜川伏流水を使い、五百万石、越の雫、さかほまれ、九頭竜など福井県ならではの酒米品種を使い分け、特色が出せるように心がけています。また、土蔵内での11月中旬からの寒仕込みを基本とし、自然環境と共存し、その日毎の条件下で最善を尽くすように努めています。

 

飲んで頂けるお客様を思いながら、心穏やかに、慌てず、冷静な判断が出来るよう常に心掛け、感謝の気持ちを持って酒造りを行っています。また、町内には、大学や県の研究機関も多いので、昔ながらの酒造りを大事にしながら、新たな感性を生かした商品開発も行っています。

 

越前岬 天然梅酵母仕込み 純米原酒「PRUNE(プリュネ)」

 

■越前岬 天然梅酵母仕込み 純米原酒「PRUNE(プリュネ)

永平寺町内にある福井県立大学生物資源学科、福井県食品加工研究所との共同開発した商品です。梅肉から採取した天然の「福井梅酵母」を使用。特徴は、花酵母と違い、酵母由来の梅の風味がほのかに感じられる日本酒である点です。

代表銘柄「越前岬」に込めた思い

平成に入り、特定名称酒中心の酒造りに舵をきる際に、代表銘柄をこれまでの「優勝」から「越前岬」に変更。

冬になると、越前海岸の景勝地「越前岬」周辺は、福井の県花である越前水仙が斜面を覆うように綺麗に咲き乱れます。また、時同じくして、弊社の寒仕込みも本番を迎えます。

冬の日本海の荒波と激しい吹雪に耐え忍ぶ水仙の如く、妥協せず、粘り強く酒造りに徹したいという思いと、福井の景勝地の名を頂くことで、「福井の酒」としての誇りを持って酒造りに徹したいという思いが込められています。

 

代表銘柄「越前岬」

 

福井県には、酒蔵が30軒あります。「田辺酒造」の様な家族経営の酒蔵が殆どで、20代~40代の後継者が蔵に戻り、蔵元杜氏として酒造りに励んでいるのが特色です。「田辺酒造」も皆で切磋琢磨しながら、酒質向上に努めていきます。

 

文:日本酒鑑定士協会 瀧村健治
編集:LIQLOG

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