11/14は県民の日!”大分県”の日本酒4選+αを紹介!
酒造・メーカー紹介
日本各地で育まれる日本酒は、多彩な個性を持つことで知られています。それぞれの都道府県で、その土地特有の特徴を活かした醸造方法がおこなわれているためです。今回焦点を当てるのは、11月14日に「県民の日」を迎える大分県。
大分県の酒造りは、古典的な製法にルーツを持つため、日本酒ファンにとっても注目すべき地域です。本記事では4本+αのおすすめ銘柄を紹介するだけでなく、味わいの特徴や歴史、について紹介していきます。
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大分の日本酒とは?
大分県の日本酒は、伝統的な麻地酒のルーツを辿っています。麻地酒とは、江戸時代に豊後の国で誕生した濁り酒のことであり、その製造過程は蒸した米や米麹、水を密封し、土の中に埋めて翌年の土用頃まで熟成させることで完成します。この酒は甘美な味わいを持ち、古典文学作品である「甫庵太閤記(ふあんたいこうき)」や「御伽草子(おとぎぞうし)」にも言及されており、全国的に知られています。
大分県の日本酒をより深く知るには、麻地酒だけでなく、豊後練貫酒(ぶんごねりぬきざけ)についても知っておくべきでしょう。豊後練貫酒は、約550年前の応仁二年(1468年)に登場しました。もち米や白米、麹、焼酎を一度に仕込み、30〜40日寝かせた後、臼でひき、絹で漉し取ることで完成します。
現代の白酒や清酒に似た味わいを持っており、庶民に親しまれてきました。麻地酒と豊後練貫酒は、歴史的価値を持つ大分県の日本酒であり、特に麻地酒は幕府への献上品ともされていました。
大分の日本酒を選ぶポイントは?
大分県の日本酒は、その起源として「豊後練貫酒」と「麻地酒」が挙げられます。現代の大分県の酒造りは、麻地酒の製造プロセスを引き継ぎ、甘美な味わいが特徴的です。
大分県には現在でもおよそ30軒の酒蔵が存在し、それぞれの日本酒は異なる香りと味わいを持っています。
本章では、日本酒の選び方について「酒米」「味わい」「銘柄」の3つの要素に分けて紹介します。
風味で選ぶ
大分県の日本酒は、一般的に淡麗な甘口が特徴です。飲み口はすっきりしており、飲みやすいものが多く造られています。辛口と甘口などの味わいの違いは「日本酒度」という指標で知れます。
この指標がプラスの場合、酒は辛口であり、マイナスの場合は甘口です。ただし、味わいは個人の好みに依存するため、日本酒度だけが決定的な要因ではありません。そのため、複数の酒を試飲して比較することがおすすめです。
酒米で選ぶ
日本酒は、特別に酒造りに適した品種の米である「酒米」から作られます。これらの米は通常の食用米とは異なり、タンパク質と脂質が少なく、大粒で丈夫といった特徴を持ちます。
大分県は山地が多く、耕地は限られていますが、九州地方で有名な「山田錦」や「五百万石」など、さまざまな酒米が栽培されています。酒米によって香りや風味、口当たりが異なるため、選ぶのがおすすめです。
銘柄で選ぶ
普段日本酒を飲まない方にとっては、人気のある銘柄を選ぶのが確実です。銘柄によって味わいや香りに違いがあります。同じ酒蔵でも、代表的な銘柄と他の銘柄では味わいが異なるでしょう。
銘柄の選び方は「名前が魅力的である」といったポイントでも構いません。自身のお気に入りの銘柄を見つけるのも、日本酒を楽しむ方法の一つです。具体的な銘柄については、味わいや用途に関して後述で詳しく紹介します。
大分には多くの酒造好適米がある!
大分県の米作りにおける主な特徴は、標高0~800メートルにわたる大きな高低差によって、地域ごとの気候や土地の特性に合わせた米作りがおこなわれています。また大分県では、日本酒の醸造に適した酒造好適米が栽培されており、酒造好適米の王様とされる山田錦など、さまざまな品種が収穫されています。
大分県のおすすめ銘柄4選+α!
いよいよ、大分県のおすすめ銘柄を紹介します。以下4つをメインに紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
また+αとして「ちえびじん レモンティー」も紹介していきます。
ちえびじん|中野酒造
「ちえびじん」は、美しく共鳴する吟醸香が広がります。微かな甘みと軽やかな酸味が感じられるでしょう。さらっとした透明感ある口当たりが特徴です。大分県内でいま最も注目される蔵元杜氏、中野さんが手がけた、季節限定の純米吟醸酒としても知られています。
蔵元で熟成された生原酒が、味わいと酸味の絶妙な調和を追求した逸品。グラスからしっかりとした余韻を楽しんでいただけることでしょう。
西の関|萱島酒造
米本来のまろやかな旨さが際立つ特別純米酒は、柔らかな酸と滑らかな上品な旨みの絶妙なバランスを備えています。燗を加えることで、味わいをさらに引き出せることも特筆すべきポイントです。お米から生まれる芳醇な甘みと旨みを心ゆくまで楽しめるだけでなく、余韻も続きます。
鷹来屋|浜嶋酒造
福岡地方の山田錦と自家栽培のレイホウをブレンドしたお酒です。食事との調和を意識した、洗練された純米酒。辛口ではあるものの、辛さが強調されるわけではなく、まろやかな風味が広がっています。
何杯でも心地よくお楽しみいただける逸品であり、最後まで美味しい味わいを楽しめるでしょう。手作りの蔵「鷹来屋」の自信作であり、冷やしてシャープに楽しむもよし、温かくしても味わえます。
豊潤 大分三井|小松酒造場
「豊潤 大分三井」の特別純米酒は、地元で生産された米が使われています。これは、2010年から地産地消のお酒として、酒造りを始めたそうです。
このお酒は無濾過のため、米の旨みが豊かに感じられ、蔵元らしい爽快感があります。旨口でありながらも、後味にくどさを残さないのが特徴。もちろん食事との相性も抜群です。
【+α】ちえびじん レモンティー
最後に紹介するお酒は、日本酒ではなくリキュールです。冷たい感触と共に広がるレモンティーの爽やかな香りは、非常に涼しい雰囲気を醸し出しています。蔵元の願いが、香りだけで「ロックで楽しんでほしい」と伝わってくるかのようでした。口に含む瞬間、その爽やかな風味が一層広がります。香りが口内で強烈に広がり、レモンティー特有の爽やかな甘さが漂います。微細なレモンの酸味や程よい苦味も魅力です。