”ためしてみる、やってみるの心で”新しいことへの挑戦を大切に「心で醸す酒造り」-鳥取県 稲田本店-
酒造・メーカー紹介
稲田本店の歴史:延宝元年1673年創業
「稲田本店」は、稲田家3代目当主嘉衛門によって、因幡屋の屋号で酒・醤油醸造業として1673年に現在の伯耆町で創業しました。
以来350年間、「稲田本店」は伝統を守りながらも、新しいことへの挑戦を大切に『心で醸す酒造り』を続けてきました。
そしてこれからも、新しいことに挑戦し、皆様にお酒の楽しさ面白さを伝えていけるように伝統を一つ一つ積み上げていきます。
人:出雲杜氏
美味しいお酒造りには醸す心が大切で、全ての蔵人の心が一つにならないと美味しいお酒は醸す事ができません。
技術を語る前に、お酒に対する愛情を大切にしないと良いお酒は醸せないと信じています。
蔵人が愛情をもって接すれば、何を言わずとも、お酒のもろみはその時何が必要かを語りかけてくれるものです。どうぞ、心を込めて醸したお酒をご賞味ください。
米:強力(ごうりき)
鳥取県原産の酒米「強力」。そのお米で醸したお酒は「谷川の清流のように澄み渡り、食す肴はその流れに浮かぶように喉元を通り過ぎる」と言われた幻の酒米でした。
栽培の難しさから一度姿を消したこの酒米は、鳥取大学農学部・木下教授と地元篤農家の方々の協力により、復活させる事に成功しました。旨い酒を造りたいという情熱と努力が生み出した鳥取県自慢の酒米です。
「稲田本店」では「強力」の他に「山田錦」「五百万石」も契約栽培で作付けして貰っており、「五百万石」は自社田でも栽培し、それも使用しております。
水:秀峰 大山
「稲田本店」で使用する仕込み水は山陰エリア最高峰の「大山」の湧水を使用しています。
「大山」に積もった雪は、深い森によって大量に蓄えられ、地下深く浸透した後、長い年月を経て湧水となります。
「軟水」のその水質は、適度なカルシウムとマグネシウムを含み稲田本店の綺麗で優しいお酒の味わいの源となっております。
造り手の想い:杜氏 信木
先代杜氏からの教えである「酒造りは心である」をモットーとして、蔵人と共に日々酒造りに励んでいます。
これまでは省力化の為に機械化を進めてまいりましたが、試行錯誤した結果、機械化を抑えて昔ながらの手作業(洗米、仕込等々)へ回帰しながらより良い酒造りを目指しています。
食事を楽しみながら飲む酒(食中酒)であることを目標としています。
「稲田姫」の名らしく全体として綺麗で優しい味わいを軸とし、本醸造クラスではどんな料理にも合わせやすいよう淡麗な飲み口を、純米酒クラスは味の濃い料理にも合わせられるよう酸の効いたキレのある味わいを考えています。
また吟醸クラスは華やかで軽く落ち着きのある味わいで淡白な和食と楽しんで頂くことを考えて造りを行っています。
「稲田本店」は醤油、味噌の創業から350年の間に清酒製造からビール(明治時代、現在は製造せず)、冷用酒(今の冷酒)、吟醸クラスの純米酒(鳥取県で初)など進取の気風で商品開発を行ってきました。
現在では各種焼酎(米・いも・麦・そば)、リキュールを製造し、最近では清酒の新ブランド「IKU’S」を立ち上げました。
これからも伝統を受け継ぎながらも新しいことへチャレンジを続けていきたいと考えています。
文:株式会社 稲田本店
協力:日本酒鑑定士協会 瀧村健治
編集:LIQLOG