「長寿の泉」と名付けられ、受け継がれてきた蔵の根幹。この上質な湧水で造る美しい日本酒。-秋田県 秋田酒造-
酒造・メーカー紹介
秋田酒造の歴史
「秋田酒造」は1908年に創業。当初は萬歳酒造という名前でしたが、日露戦争にて日本が勝利したことを祝して“國萬歳酒造”と名付けられました。
その後、昭和44年に國萬歳酒造株式会社の瓶詰・販売会社として秋田酒造株式会社が設立され、両社が平成24年10月1日付で合併し、現在の秋田酒造株式会社が誕生しました。
秋田酒造の特長
「秋田酒造」がある秋田市新屋は、雄物川という大きな川の河口に位置し、上質で豊富な地下水が取れる恵まれた地でした。
それらの資源を活かし、日本酒はもちろん、醤油・味噌・しょっつる等の醸造業が栄えていました。しかし、時代が進むにつれて酒蔵の数が減り、現在では「秋田酒造」を残すのみとなっています。
「秋田酒造」の日本酒の最大の特徴は、受け継がれてきた地下水です。その水は“長寿の泉”と名付けられており、秋田酒造の日本酒の根幹となっています。
少し柔らかめの水質で、口に含むとほんの少しのミネラル感を覚えます。このバランスが秋田酒造の日本酒の旨味と後味に大きく影響しています。
秋田酒造のこだわり
「秋田酒造」の酒造りでは、全量麹蓋を使用した麹造りを行っています。
時間と手間はかかりますが、その分出来上がる日本酒の旨味に芯があり、最初に口に含んだ時に広がる味わいにも広がりが出ると感じています。
酔楽天
「酔楽天」は最高級の酒造りを目指している銘柄で、鑑評会等に出品するクラスの日本酒を造っています。最高級の原材料を使用し、香り・風味・後味等の全てのバランスが整っています。
秋田晴
「秋田晴」は地元の方々に愛される伝統の味わいを踏襲した銘柄で、秋田酒造の先々代社長が開発に携わった酒米「吟の精」を中心に秋田県産の原材料にこだわった酒造りをしています。
エピソード
昨年の3月に、秋田酒造の杜氏を30年以上勤続した加藤貢が引退し、その下で経験を積んできた「小舘 巌(こだて げん)」氏が新しく杜氏に就任いたしました。
新杜氏就任の記念として、小舘杜氏の目指す酒造りを体現する新ブランド「髭・眼鏡・坊主」がスタートしました。
「髭・眼鏡・坊主」とは小舘杜氏の見た目の特長を模しており、似顔絵のロゴがラベルに描かれております。
口当たりが柔らかくとろりとしており、口の中で優しく旨味と酸味が広がっていきます。
杜氏の目指していること
秋田の発酵文化に貢献し、「米・水・麹・酵母」の力を生かせる酒造りを心掛け、安全・安心においしい酒を醸していきたいです。
文:日本酒鑑定士協会 瀧村健治
編集:LIQLOG