京都伏見の藤岡酒造が醸す、手作り純米酒「蒼空」!蔵の魅力や自社栽培のキヌヒカリで生産された銘柄を紹介!

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京都伏見の藤岡酒造が醸す、手作り純米酒「蒼空」!蔵の魅力や自社栽培のキヌヒカリで生産された銘柄を紹介!

日本酒の銘醸地として有名な京都伏見。かつては「伏水」と称されていたと伝わるほど地下水が豊富な地域であり、現在も多くの酒蔵がその恩恵を受けています。

軟水傾向の水から生まれる伏見の酒は「女酒」とも呼ばれ、その柔らかく上品な味わいは多くの人を虜にしてきました。

長い歴史を持つ地域ということで伏見の酒蔵は全国トップクラスの大手酒造が集まります。そんな中で平成14年に誕生し、僅か年間200石(一升瓶20,000本程度)しか生産しない小規模な酒蔵が存在しています。

本記事では藤岡酒造が醸す「蒼空」銘柄について、その魅力と特徴的な味わいを紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

 

藤岡酒造

藤岡酒造

 

平成14年に誕生した銘柄「蒼空」

藤岡酒造は明治35年に京都市東山区で創業。現在蔵がある伏見エリアには、大正7年に引っ越してきました。

当時は「万長(まんちょう)」という銘柄で人気を博していましたが、平成6年に3代目蔵元が急逝。蔵での酒造りは一時中断されることになりました。

 

蔵に残された「万長」の樽

蔵に残された「万長」の樽

 

現在の5代目蔵元である藤岡正章氏は大学卒業後、企業勤めを経てから各地で酒造り修行に励み、実家の酒造業を再建。平成14年に蔵元杜氏として、「蒼空」銘柄と共に藤岡酒造の新たなスタートを切ったのです。

米と水だけを原料にした「純米酒」にこだわり、丁寧に醸されることから製造量は年間でおよそ220石程度(2023年8月時点)。一升瓶換算で22,000本程度という僅かな数量ですが、その味を求めて蔵を訪れる顧客は絶えません。

小規模ながらも多種多様な商品ラインナップ

小規模ながらも多種多様な商品ラインナップ

 

「蒼空」銘柄の一般向けラインナップは500mlサイズに統一。一升瓶は飲食店向けに限定されています。

500mlという容量は男女二人で飲みきれる、そして冷蔵庫に簡単に入るサイズを意識してとのこと。瓶はベネチアのガラス工房で生産されているものであり、非常に美しいデザインに仕上がっています。

日本酒は日光の影響を受けやすいことから、通常であれば色の入った瓶が使用されます。「蒼空」では見た目のイメージを優先し、あえて透明瓶での展開に限定しているのです。

こちらでは豊富なラインナップから一部を紹介します。

蒼空 純米吟醸酒 山田穂

蒼空 純米吟醸酒 山田穂

出典:「蒼空」オンラインショップ

 

「蒼空」ラインナップの中では比較的辛口に分類される種類。山田穂は酒米の王者とも称される山田錦の母親にあたる品種であり、力強い酸味が特徴といわれています。上品でシャープな味わいを求めるなら、こちらの銘柄をぜひ!

蒼空 純米大吟醸酒 山田錦

蒼空 純米大吟醸酒 山田錦

出典:「蒼空」オンラインショップ

 

「蒼空」の中でも最高クラスの一本。数々の高級酒に使用される兵庫県特A地区吉川町で栽培された山田錦を使用しており、その味わいはまさに最高級。綺麗で上品な吟醸香、軽快な呑み口は贈り物にも最適です!

蒼空 純米生酒おりがらみ 美山錦

蒼空 純米生酒おりがらみ 美山錦

出典:「蒼空」オンラインショップ

 

「おりがらみ」とは、日本酒の原料であるお米を中心とした固形物を残した状態で瓶詰めされる商品を指す名称です。日本酒の旨味のベースとなる成分が多く含まれているため、透明なものよりも濃厚な味わいが特徴的。「蒼空」の味わいをより力強く味わいたい方は、こちらの銘柄をぜひ!

 

藤岡酒造の公式ネットショップでは製造タイミングに応じた様々な銘柄が購入できます。気になる方はぜひご確認ください。

「蒼空」ネットショップ

自家栽培した「キヌヒカリ」を使用した銘柄も

蒼空 キヌヒカリ

出典:「蒼空」オンラインショップ

 

酒造期間外には全国各地のものづくり現場へ足を運び、よりよい酒造りのための学びを得ている藤岡氏。とある年に訪れたワイナリーにて、原料であるブドウと土壌へのこだわりに強い影響を受けたといいます。

酒米を生産する農家を訪れ、育成状況を見て回っているだけでは不十分。より美味しい「蒼空」を生み出すためには、原料である米の勉強は不可欠であると実感したことで、自らの手で米を栽培することを決意したそう。

 

現在は京都大原にて農家さんの力を借りながら「キヌヒカリ」を栽培している藤岡酒造。酒造好適米ではなく、食用米として一般的に利用される「キヌヒカリ」を選定した理由については、酒米農家の高齢化を懸念しているからといいます。

今後食用米での醸造が一般的になるかもしれない。そうした可能性を考慮した時、少しでも早くから食用米に対応できる技術を磨き、よりよい酒造りに活かそうと努力を重ねているのです。こちらでは、そんな「キヌヒカリ」を使用した一本のテイスティングコメントを記載します。

外観と香り

外観と香り

 

藤岡酒造では絞ったお酒を基本的にろ過することなく瓶詰めされます。そのため、お酒の色合いは青みがかったライムグリーンといったイメージ。非常にフレッシュで若々しい印象を受けます。

香りは、ふっくらとした暖かいお餅のような甘やかさと同時にバナナや桃、白桃、ライチといった少しエキゾチックな果実のニュアンス。お花畑のような華やかな印象に加えて、スッと通る青竹のような爽やかな香り。豆乳のように軽やかな乳製品の香りも感じられ、非常に奥行きがあります。

無濾過ということもあってか、50%という大吟醸規格でありながらもボリューム感のある香りが楽しめます!

味わい

口に含むと純米酒らしいふっくらと優しい味わいが広がりますが、上品な酸味がそれらをまとめます。後味もスッキリとしており、非常に美しい味わい。良い意味での苦味がほんのり残り、もう一口とどんどん杯が進んでしまうはず。

冷やしてさっぱり飲んでもいいですし、人肌程度に温めてもまた違った表情を見せてくれるでしょう。

日本酒をあまり飲んだことがないという方はもちろん、日本酒通の方も必ず満足させられる味わい。和洋問わずどんな料理ともマッチしそうですが、個人的には軽くレモンやライムを絞った白身魚の焼き物、だし巻き卵、南蛮漬けやお浸しなどと合わせてみたい。

非常に味わい深いので、500mlという容量はあっという間になくなってしまうかもしれません!

 

本商品は京都市のふるさと納税返礼品に選定されています。気になる方はぜひお試しください。

 

蔵併設のバーで蒼空が楽しめる!

酒蔵Bar えん

 

藤岡酒造の蔵には「酒蔵Bar えん」が併設されています。カウンターの目の前には酒造りに利用するタンクが並び、時期によっては酒造りをガラス越しに見学できます。

お酒が生まれる場所で、出来たての味わいを楽しむ。お酒好きにはたまらない体験ができますので、ぜひ伏見に足を運んだ際にはお立ち寄りください。

 

お酒が生まれる場所で、出来たての味わいを楽しむ。

 

提供されるメニューは造りの時期に応じて様々。その時々に応じたフレッシュな味わいが楽しめます!

おつまみメニューも充実していますので、ちょっとした居酒屋需要も満たしてくれる「酒蔵Bar えん」。

 

「蒼空」という名称の通り、青空を連想させる爽やかでホッする味わいをぜひ現地で味わってみてください。

京都伏見の藤岡酒造が醸す、手作り純米酒「蒼空」!蔵の魅力や自社栽培のキヌヒカリで生産された銘柄を紹介!

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