京都発&初!ハワイの酒蔵も参加、関西最大規模の日本酒の祭典「Sake World Summit in KYOTO」
イベントレポート
2024年3月30日に、京都市勧業館「みやこめっせ」で、”関西最大級”の日本酒の祭典「Sake World Summit in KYOTO」が開催されました。海外からも多くのゲストが訪れた熱いイベント現場をレポートしてきました。
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全国から約60蔵 約250銘柄が集結
京都発の酒イベントなので、京都の酒蔵メインかと思いきや、そうではありません!新潟、福島、群馬、静岡、広島、更にハワイからのIslander Sake Brewery(アイランダー サケ ブルワリー)など、国内外から60蔵以上250銘柄が集結し、酒蔵秘蔵の非売品や長期熟成酒など様々なラインナップが勢ぞろい。更に近年注目を集めているクラフト酒もあり、色々な種類のお酒を楽しめる内容になっていました。
「お猪口片手に片っ端から飲んでいたら酔っぱらってしまいそう…」ということで、水同様に適量なおつまみも大切。今回は京都の人気飲食店15店舗が出店し、日本酒にぴったりのアテを用意していたのですが、筆者が訪ねた午後の部ではお目当てのメニューは全てソールドアウト。次回に期待! (笑)。
イベント内のお酒をピックアップ!
賀茂泉 純米吟醸 朱泉本仕込 (写真左)|賀茂泉酒造(広島県)
賀茂泉の代表ブランドでもある純米吟醸酒。
日本酒本来が持つ旨味を残すため、炭素を使った濾過をしていないので、色は淡い黄金。
味わいはふくよかな旨味とコクを感じさせつつ、キレがあります。冷やも良いけれど、ぬる燗で更に魅力が増すこと間違いなし。
月の桂 純米吟醸 柳|増田德兵衛商店(京都府)
華やかな吟醸香でふわっと華やいだ気分になるけれど、味わいは決して甘すぎず、軽やかでいながらきめが細かいので、食前酒にはもちろん、料理の味を邪魔しないので食中酒としても最適。香りとの意外性が癖になりそうなお酒です。ビターなチョコレートや甘すぎないスイーツとの相性も抜群。
御前酒 菩提酛にごり酒(左から2番目)|辻本店(岡山県)
雄町の濃醇な味わいと爽やかな酸味を楽しめる旨味たっぷりのうすにごり酒。1980年代に全国初となる菩提もとの復元に成功して以来、継承され改良を重ねることで、独自のスタイルへと昇華させています。雄町の豊かな味わいと菩提もとによる天然乳酸菌の爽やかな風味が癖になる一本。
諏訪泉 純米大吟醸 鵬 ゴールド(右側)|諏訪酒造(鳥取県)
山田錦を40%まで磨き、精米、洗米、蒸し、麹造り、酒母、仕込み、搾り、貯蔵まで全工程において最高レベルの注意を払って製造したという一品。味わいは、とにかく芳醇。ひっかかりのないなめらかさはまさしくエレガントです。
越前岬 純米大吟醸 さかほまれ|田辺酒造(福井県)
福井県が開発した大吟醸用の酒米新品種「さかほまれ」を全量使用した1本。
香りは上品で控えめ。柔らかな口当たりで旨味があるので、嫌みがなく、”食の魅力”をよりひきたててくれます。
米、水、酵母、オール福井にこだわった純米大吟醸です。
特別純米大吟醸 五芒星(ごぼうせい)|小浜酒造(福井県)
「ミラノ酒チャレンジ2023」の「純米大吟醸部門」において、『五芒星』“プラチナ賞”を受賞酒。スッキリした味わいで食中酒にも最適。和食の中でもこっくりした角煮やしっかりした味わいの中華料理との相性も良さそうです。
かつて酒の醸造や農作物の栽培に活用されていた、月の満ち欠けに基づく陰陽道の暦(旧暦)を基に、醸造開始日、酒母米の初蒸し日、初添え、仲添え留添え、上槽、火入れ、瓶詰めなど醸造の全行程を暦上の吉日に行った“酒造りの原点に立ち返る”お酒。
現在は、分析機器での計測データを元に温度管理しながら醸造工程を管理していますが、改めて旧暦に込められた意味と、ベテラン杜氏の知見、発展した酒造技術を最大限に活用することで自然酵母の力を目一杯引き出した新しい日本酒。
日本酒は今後どうなる!?ステージでは熱いトークも展開
ステージプログラムも豊富で、「クラフトSAKEの世界」や「熟成酒の世界」をはじめ、「日本酒を「飲める資産」へと育てるNFTの仕組み」などのトークが交わされました。
ラストは「伝統的な酒造りはユネスコ無形文化遺産へ」をテーマに対談。
「伝統的酒造り」が2023年4月に政府からユネスコ無形文化遺産に登録するよう提案されていることを踏まえ、提案の経緯や、今後日本酒は(世界に向け)将来的にどんな風になっていくだろうかというトークが交わされたこのステージには、イベントの実行委員長でもある増田德兵衞商店 代表取締役会長の増田德兵衞さん(一番右)も登壇。
更にイベントに来ていた歴代酒サムライ(国内外に日本酒の良さをPRする酒の伝道師)の3名も急遽ステージに呼び込み、海外から見た日本酒についてのメッセージを頂くなど、お酒の未来についての熱い議論が交わされました。
参加者からは
「東京では大きいイベントも多いが、関西はまだ少ないので嬉しい」、「ドイツから来ました。日本酒の文化は素晴らしく、国内でも注目度が高いです。これだけ多くの種類を一度に飲めるのも和食とのペアリングも貴重」
などの声を多数聞くことができました。
次回の開催も期待したいですね!
参加酒蔵
秋鹿酒造/池田酒造/池本酒造/泉酒造/伊藤酒造/稲見酒造/稲とアガベ/上原酒造/梅田酒造場/太田酒造/岡田本家/岡村本家/小浜酒造/賀茂泉酒造/北川本家/熊野酒造/甲賀酒造協同組合(笑四季酒造/北島酒造/瀬古酒造/匠創生/竹内酒造/田中酒造/藤本酒造/美冨久酒造/望月酒造/安井酒造場)/齊藤酒造/佐々木酒造/島崎酒造/招德酒造・三馬力社/城陽酒造/諏訪酒造/多賀/田辺酒造/玉乃光酒造/長龍酒造/御前酒蔵元 辻本店/土田酒造/東和酒造/中澤酒造/浪乃⾳酒造/仁井田本家/日本酒にしよう/ハクレイ酒造/ ハッピー太郎醸造所/花の舞酒造/平井商店/平瀬酒造店/平田酒造場/富久錦/藤居本家/平和酒造/増田德兵衞商店/増本酒造場/松井酒造/都鶴酒造/美吉野醸造/与謝娘酒造/吉田酒造/Islander Sake Brewery