湘南唯一の酒蔵・熊澤酒造の「蔵フェス」を満喫 ~前編~

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湘南唯一の酒蔵・熊澤酒造の「蔵フェス」を満喫 ~前編~

みなさんは天青(てんせい)という日本酒をご存じでしょうか。

「神奈川県のお酒といえば?」という質問には、かなり上位にその名が挙げられる、地元で人気の銘柄が天青なのです。

そんな天青を醸すのが、神奈川県茅ヶ崎市にある熊澤酒造。その熊澤酒造が4月15日・16日に蔵フェスを開催。「これは行くしかない」とばかりにすっ飛んで行っちゃいました。

 

せっかくイベントを楽しんだのだから、その様子を少しでも多くの方に伝え、熊澤酒造について知ってもらえればと考え、今回は当日の様子や飲んだお酒のレポをしていこうと思います。

とは言っても、いきなりイベントの情報だけをお伝えしても、正直「へぇ〜」で終わってしまうでしょう。そこで今回は前編と後編に分け、前編では熊澤酒造について知ってもらうべく、じっくりその魅力を解説していきます。

 

熊澤酒造ってどんな酒蔵?

熊澤酒造ってどんな酒蔵?

 

熊澤酒造(くまざわしゅぞう)は、神奈川県茅ヶ崎市にある酒蔵です。現時点(2023年)では、湘南エリアで唯一の酒蔵として知られています。

また熊澤酒造で醸すのは、日本酒だけではありません。湘南の人ならみんな大好きな湘南ビールも、ここ熊澤酒造で作られているお酒なのです。

ここでは熊澤酒造の特徴について、詳しく解説していきます。

湘南エリア唯一の酒蔵の特徴とは?

湘南エリア唯一の酒蔵の特徴とは?

 

湘南エリア唯一の酒蔵として知られる熊澤酒造ですが、いったいどのような蔵なのでしょうか。ここではその歴史や、酒造りのこだわりについて解説していきます。

150年の歴史をもつ酒蔵

熊澤酒造は明治5年の創業以来150年、酒造りをおこなってきた歴史ある酒蔵です。湘南に残されたただひとつの蔵元であり、長きにわたってお酒の力で人々に幸福を届けてきました。

熊澤酒造を語るうえで欠かせないのが「かっぱ伝説」です。酒蔵の敷地内には、写真のような看板がいくつか立てられており、茅ヶ崎の地に伝わる伝説が記されています。

いわく茅ヶ崎は、昔からかっぱが住むと伝えられるほど、水の綺麗な地であったようです。しかし高度経済成長によって、美しい水田は姿を消してしまいました。熊澤酒造は失われた水田を復活させるかのように、かっぱをシンボルとした酒造りをおこなっているのです。

熊澤酒造は酒造りだけじゃない!

熊澤酒造がおこなっているのは、酒造りだけではありません。酒蔵の敷地内にはレストランやベーカリーなどが立ち並び、地元の食材を使った料理や酵母を活かしたパンを提供しています。もちろんそれらの料理と合わせるのは日本酒です。

 

MOKICHI TRATTORIA

築450年の古民家を移築した「MOKICHI TRATTORIA(モキチトラットリア)」

 

古民家を改装して作られた『MOKICHI TRATTORIA(モキチトラットリア)』では、イタリアンと日本酒という、一風変わったマッチングが堪能できます。これらは全て、酒蔵はただお酒を造るだけの場所ではなく、お酒によって人と人とを繋ぐ場所であるといった蔵元の考えに起因しています。

 

敷地内で醸造している湘南ビール、日本酒と合わせてイタリア料理が落ち着いて頂ける。

敷地内で醸造している湘南ビール、日本酒と合わせてイタリア料理が落ち着いて頂ける。

酒造りのこだわりとは?

日本酒ファンにとって、酒蔵について最も気になるのは「どのような酒造りをしているのか」という点でしょう。

熊澤酒造は、手作りかつ少量生産にこだわる酒蔵です。少量ずつ出荷される日本酒は、いずれも良質なものばかり。どれをとっても手作りだからこそ実現できる、クオリティの高さを実感させられます。

 

また熊澤酒造が目指すのは、湘南の食文化を象徴するような酒造りです。

湘南エリアに暮らす人々は、都会的なライフスタイルを好み、和洋中にこだわらず多様な食事を楽しむ傾向にあります。ニーズに合わせて、どのような料理にもマッチしやすい酒造りをおこなっています。

蔵元が運営するレストランにイタリアンがあったり、ベーカリーがあったりするのもこのためでしょう。

 

MOKICHI TRATTORIA

酒蔵についてもっと知るなら『熊澤通信』

熊澤酒造株式会社の社訓は「よっぱらいは日本を豊かにする」です。初めて聞いた人が「ふふっ」と笑顔になってしまう、ユーモラスな社訓ですよね。飲み助なら思わず「よく言ってくれた」と歓喜することでしょうし、事実、私もその一人です。

 

そんな熊澤酒造は、たくさんの人にもっと酒蔵を知ってもらうため『熊澤通信』というものを発刊しています。蔵元で日々おこなわれる試行錯誤の積み重ねが記された『熊澤通信』。積極的に情報を発信する姿勢こそ、酒蔵と私たち消費者との相互理解を促しているのです。

 

ちなみに熊澤酒造ではInstagramも運営しています。日々の酒造りの様子が見れるため、ぜひチェックしてください。

 

kumazawa_photo(https://www.instagram.com/kumazawa_photo/

熊澤酒造の代表銘柄は「天青」

熊澤酒造の代表銘柄は「天青」

 

熊澤酒造の代表銘柄は、冒頭でもご紹介した天青(てんせい)です。銘柄の名前は、中国の故事に記された「雨過天青雲破処」から付けられています。

「雨過天青雲破処」とはどこまでも透き通った神秘的な空という意味。言葉のように、突き抜けるような涼やかさと潤いに満ちた味わいを目指すという意味で、天青と名付けられました。

全4種類の天青には、それぞれに異なる意味が込められています。一つ目は上記の意味から『雨過天青』。二つ目は“雨上がりの山頂と交わる青空”という意味の『千峰』であり、三つ目は“木々の緑と交わる空”の『吟望』。最後は“風そよぐ大地と交わる空”という意味の『風露』です。

 

日本酒だけでなく「湘南ビール」も!

 

前述したように、熊澤酒造では日本酒だけでなく「湘南ビール」も造られています。湘南ビールの特徴は無ろ過、そして非加熱処理がされていることです。加熱しないからこそ酵母が生きたまま瓶詰めされます。

だからこそ、いつでもフレッシュな状態で楽しめるというわけです。

酒蔵が運営するレストランでも、この湘南ビールを提供しています。また写真のように、ショップでの販売もおこなっているので、酒蔵を訪れた際は、お土産にいかがでしょうか。

そんな熊澤酒造が「蔵フェス」を開催!

そんな熊澤酒造が「蔵フェス」を開催!

 

熊澤酒造は湘南の地に残された最後の酒蔵であり、150年の歴史が支える、確かな技術と経験をもっています。それだけでなく、常に「より良いお酒」「人と人とを繋げるお酒」を目指す姿勢もまた、人々に長く愛される理由でしょう。

そんな熊澤酒造のお酒を満喫するのにぴったりなイベントが、今回ご紹介する「蔵フェス」なのです。後編の記事では、いよいよ当日の様子を紹介していきます。引き続き、後編もご覧ください。

【レポ】湘南唯一の酒蔵・熊澤酒造の「蔵フェス」を満喫 ~後編~

湘南唯一の酒蔵・熊澤酒造の「蔵フェス」を満喫 ~前編~

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