100蔵が六本木に集結!CRAFT SAKE WEEK 2023(クラフトサケウィーク)~後編~
イベント情報
4月21日から30日までの10日間で開催された『CRAFT SAKE WEEK 2023 at ROPPONGI HILLS』。前編では、26日に登場した酒蔵について解説しました。そして後編では、いよいよ当日(26日)の様子を紹介していきます。
100蔵が六本木に集結!CRAFT SAKE WEEK 2023(クラフトサケウィーク)~前編~
飲んだ日本酒はもちろんのこと、会場全体の雰囲気もお伝えするので、前編に引き続きお楽しみください。
コンテンツ
まずは『クラフトサケウィーク 2023』のおさらい!
今回、4年ぶりの開催となった『クラフトサケウィーク 2023』。六本木ヒルズにて開催されたこちらのイベントでは、10日間日替わりで10蔵ずつ、合計100蔵の日本酒が楽しめます。
イベントの三本柱は「酒」「食」「匠」。全国各地の日本酒が六本木で味わえるだけでなく、人気店の屋台やアーティスティックな会場も魅力です。
イベントの三本柱の一つ「匠」とは、会場全体のインテリアのことです。建築家「田根剛」氏によって作られた会場には、無数の「枡」が並びます。
オブジェを含めて3,000個の「枡」が使われた会場は、どこからともなく檜の香りが漂ってきました。木の温もりに包まれながら、日本酒を堪能できる夢のような空間が広がっています。
入場してすぐ右手に見えるのが、大本命である日本酒ブース。1箇所に10蔵すべてが集まっているので、会場内であっちに行ったりこっちに行ったりすることはありません。
では早速、当日味わった日本酒たちを紹介していきます。
トロピカルなのにすっきり爽快な「三芳菊 綾音」
三芳菊酒造といえば、他ではなかなかお目にかかれない、ユニークなラベルデザインが魅力ですよね。イベントで出会った「三芳菊 綾音」も、透明ボトルに凝ったデザインが目を引く1本でした。
飲む前にまず感じるのは、南国を思わせるトロピカルな香り。飲んでみるとパイナップルのような香りと瑞々しさが、口いっぱいに広がります。
しかし決して甘ったるいわけではなく、後味はなんともすっきり。少し若く、シャキシャキとした食感のパイナップルといった表現がぴったりな1杯でした。
深いコクがじんわり広がる「酒一筋 時代おくれ」
利守酒造さんのブースで選んだのは「酒一筋 時代おくれ」です(中央)。
飲んで最初に感じるのは、バナナに近い香り。その後、山廃仕込みならではの酸味が、ゆっくりと広がっていきます。どこまでも深いコクがじんわりと身体に流れていき、飲んでいてほっと一息つけるような味わいでした。
見た目とのギャップがすごい「多賀治 純米大吟醸 朝日」
十八盛酒造さんの「多賀治 純米大吟醸 朝日」は、白ワインのような日本酒でした。ボトルの印象から、どっしりとした骨太な日本酒をイメージしていただけに、良い意味で裏切られたお酒です。
開花するように、口のなかでパッと甘さが弾ける感覚は、飲んだ人にしかわからない驚きを与えてくれます。
夏にまた飲みたくなる大嶺酒造の「Ohmine 夏純かすみ」
続いて紹介するのは、大嶺酒造さんの「Ohmine 3grain 夏純かすみ」です。夏純と名付けられているだけあって、青みがかった透明なボトルがなんとも涼しげ。
飲んでみるとシャープな旨みが広がり、思わず「夏になったらまた飲みたい」と感じてしまいます。厳しい暑さが続く日に、キンキンに冷えたこの1杯が飲めたら、この上ない幸せだなと感じる仕上がりでした。
ラストを飾るのはどこまでも華やかな「長陽福娘」
イベントの締めくくりに選んだのは、岩崎酒造さんの「長陽福娘 純米大吟醸」です。しかしお酒の風味を解説する前に、まずは裏ラベルをご覧いただきたい。
特筆すべきは、何よりも精米歩合です。35%まで磨き上げられた日本酒というのは、普段あまりお目にかかれないものですよね。筆者も思わず「え、すごい」と言葉を発してしまったほど…。
限界まで磨かれた米が使われているだけあって、仕上がりはとにかく華やか。フルーティーさと豊かな吟醸香のコラボレーションは、イベントの締めにぴったりな味わいでした。
三本柱の最後は「食」
『クラフトサケウィーク 2023』の三本柱、最後に紹介するのは「食」です。
日本酒を楽しむうえでアテである「食」にもこだわるのは、日本酒ファンにとってもはや常識でしょう。もちろん同イベントは、この点についても抜かりありません。
イベントには国内外で高い評価を受ける銘店が集まっており、日本酒に合わせたさまざまな料理を提供しています。また酒蔵だけでなく、これらの名店も日にちによって入れ替わります。25日から29日までの期間で味わえたのは、以下5店舗の料理たち。
- 酒井商会
- 焼鳥 おみ乃
- 焼肉ジャンボはなれ
- 銀座 串かつ凡
- La BOMBANCE(ラ ボンバンス)
多数の名店が並ぶなかで、筆者が選んだのは『焼鳥 おみ乃』。
写真のメニューは日替わり炭火串焼きであり、この日はハツでした。こちらのお店は2018年から毎年、食べログ100名店に選ばれている超人気店です。
予約困難なお店の一品を味わえることも、同イベントの魅力でしょう。
お酒だけじゃない…イベントのスゴいところ!
日本酒イベントと聞くと、アルコールが飲めない人には関係のないイベントと思われがちです。しかし『クラフトサケウィーク 2023』では、ノンアルさんにも嬉しい配慮がたくさんあります。
そのひとつが日本茶。イベントでは日本酒だけでなく、さまざまな日本茶も用意されています。
その数は全11種類。お茶と食を楽しむグルメイベントとして参加するのも楽しそうですよね。また「NIHONMONO STORE」というショップもあり、日本各地の伝統工芸品も販売されています。
ショップで購入できるのは、写真のような食品の数々。お酒のアテにぴったりなものも、多数販売されていました。
伝統工芸品も多く、写真のような器や酒器などが購入できます。自宅に帰ってからイベントの余韻に浸りつつ、戦利品の酒器を傾ける…そんな時間も良いですよね。
「酒」「食」「匠」の全てがつまったイベント
東京にいながら、全国各地の日本酒を味わえるイベント『クラフトサケウィーク2023』。
美味しいお酒が味わえるのはもちろんのこと、最高の料理や、見ているだけでも楽しい芸術的な会場など、どの角度からも楽しめるイベントです。
今回は4年ぶりの開催でしたが、ぜひ来年も開催してほしいと心底感じたイベントでした。