100蔵が六本木に集結!CRAFT SAKE WEEK 2023(クラフトサケウィーク)~前編~
イベント情報
関東圏に住む日本酒ファンなら、もはや誰もが知るイベント『クラフトサケウィーク』。例年、六本木に居ながら全国各地の日本酒を味わえるイベントですが、ここ数年は開催されていませんでした。そんな人気イベントが今年、満を持して復活。もちろん筆者もこの機を逃すなとばかりに、参加してまいりました。
『CRAFT SAKE WEEK 2023 at ROPPONGI HILLS』は、4月21日から30日までの10日間で開催。1日10蔵ずつ、合計100蔵の酒蔵が六本木に集結しました。本記事では、前後編に分けてイベントの魅力をじっくり解説します。
コンテンツ
4/21~ クラフトサケウィークが4年ぶりに開催!
『クラフトサケウィーク 2023』には、10日間で計100蔵の酒蔵が集まりました。ひとつの酒蔵から3銘柄ずつ提供されるため、銘柄数はイベント全日で300種にものぼります。
イベントの参加費(スターターセット)は3,600円であり、飲食用コイン11枚に専用グラスが付きます。もちろんコインが足りなくなれば、追加購入も可能。
1日30銘柄が揃うので、いくらコインがあっても足りないくらいです。ちなみにイベントに参加する酒蔵は、以下の通り。
毎日足を運びたいところですが、そうもいかず…。筆者は26日のみ参加しました。前編ではここから、26日の10蔵について解説していきます。
26日(中国・四国の日)に登場する10蔵とは?
『クラフトサケウィーク2023』には、日ごとにテーマがあります。例えば初日(21日)は“AWA SAKEの日”であり、スパークリング日本酒が多数登場。最終日(30日)は“チーム十四代の日”となっており、十四代の蔵元である高木酒造を筆頭とした10蔵が登場しました。
筆者が参加した26日のテーマは“中国・四国の日”です。テーマの通り、中国・四国地方の酒蔵から厳選された10蔵が出店。本章では、26日のイベントに登場した各酒蔵について解説します。
獺祭・文佳人・多賀治の酒蔵
まずは、超有名銘柄である獺祭の蔵元「旭酒造」をはじめ、文佳人の株式会社アリサワと多賀治の十八盛酒造の3蔵を紹介します。
獺祭(旭酒造株式会社/山口県)
日本酒ファン以外にも広く知られている獺祭。このお酒を醸すのは、山口県にある旭酒造です。
こちらは1948年創業以来「酔うため、売るための酒ではなく、味わう酒を求めて」というスローガンを元に、上質な日本酒を作ってきた酒蔵です。
代表銘柄はもちろん「獺祭」であり、最大144時間にわたる精米を経て作られています。
文佳人(株式会社アリサワ/高知県)
1877年創業の株式会社アリサワは、すっきりと清涼感のある日本酒を作る酒蔵です。飲み飽きしない美酒を目指しています。
全国新酒鑑評会では金賞を4年連続受賞といった、たしかな実績があります。代表銘柄は「文佳人」や「鳴子舞」です。
多賀治(十八盛酒造株式会社/岡山県)
十八盛酒造は、1785年に創業した岡山県の酒蔵です。
より良い食中酒を作るにあたっては、穏やかな香りと豊かな米の旨み、そして呑み飽きしないキレの良さといった3本柱を大切にしているのだそう。代表銘柄は「多賀治」や「十八盛」です。
亀泉・月山の酒蔵
続いては、CELで人気を博す亀泉と、月山でお馴染みの吉田酒造について解説します。
亀泉(亀泉酒造株式会社/高知県)
亀泉酒造は1897年に高知県で誕生した酒蔵です。地元の米や酵母、水にこだわる酒蔵であり、香り高くキレの良いお酒を醸しています。
ワインのようにフルーティーな香りを感じられる銘柄が多く、女性にもおすすめ。代表銘柄は「亀泉(CEL)」です。
月山(吉田酒造株式会社/島根県)
島根県にある吉田酒造は「革新の積み重ねが伝統となる」をモットーにした酒蔵です。
蔵では毎年、新たな試みがされており、挑戦の積み重ねによって作られる今までにはない日本酒が魅力です。代表銘柄としては「月山(がっさん)」が挙げられます。
三芳菊・OHMINE・酒一筋の酒蔵
ここからは後半戦です。三芳菊酒造・大嶺酒造・利守酒造の3つを紹介します。
三芳菊(三芳菊酒造株式会社/徳島県)
徳島県を代表する酒蔵である三芳菊酒造は、どのタイプにも当てはまらない個性抜群な日本酒を醸します。
風味はもちろんのこと、ユニークなラベルも特徴のひとつであり、目で見ても楽しめるお酒が多数、誕生しています。
代表銘柄は「三芳菊」。独特な甘さを存分に感じられることでしょう。
Ohmine(大嶺酒造株式会社/山口県)
大嶺酒造は1922年に創業した酒蔵です。
しかし1960年以降の約50年間、酒蔵は休暇状態であったそうです。そこから近年、復活した酒蔵というだけあって、若い蔵人が集まる蔵として知られています。
酒造りの方針は古典レシピを尊敬しつつも、現代の技術を駆使した日本酒を作るというものだそうです。
代表銘柄である「Ohmine」を飲めば、きっと伝統と新しさが融合した風味を体感できることでしょう。
酒一筋(利守酒造株式会社/岡山県)
1868年創業の利守酒造は、幻の酒米「雄町」を復活させた酒蔵として知られています。
酒に使用する米は、自社栽培にこだわっており、米作りから一貫した酒造りをおこなっていることが特徴です。
代表銘柄は「酒一筋」。米の栽培から酒造りが始まる、利守酒造らしいネーミングですね。
長陽福娘・極聖の酒蔵
最後の2蔵は、岩崎酒造と宮下酒造。両酒蔵の酒造りのこだわりについて解説していきます。
長陽福娘(岩崎酒造株式会社/山口県)
岩崎酒造は、寄り添うお酒をコンセプトに掲げる酒蔵です。飲む人はもちろんのこと、お酒と一緒に味わう料理にも寄り添った日本酒を作っています。
優しい味わいのお酒が多く、飲めばほっと安らぎを感じられるでしょう。代表銘柄は「長陽福娘」です。
極聖(宮下酒造株式会社/岡山県)
宮下酒造は1915年に創業した、岡山県の酒蔵です。現在は伝統技術を継承した、若手杜氏が酒造りをおこなっています。その若さを発揮した、新しい日本酒に出会えます。
代表銘柄は、全国新酒鑑評会において3年連続金賞を受賞した「極聖」です。
いよいよ後編では、イベント当日の様子をご紹介!
10日間開催された『クラフトサケウィーク 2023』。4月26日に登場した酒蔵について、基礎知識にあたる内容をそれぞれ紹介しました。
後編ではいよいよ、イベント当日に飲んだお酒についてや会場の雰囲気などをレポートしていきます。ぜひそちらもチェックしてください。