ワインのような日本酒とは?|おすすめ銘柄5つを紹介!
酒造・メーカー紹介
ワインと日本酒の異なる点についてご存知ですか?
もちろん両者は、まったく異なるお酒です。原料が違うことは一般的に知られていますが、製造方法やアルコール度数などについて、詳しく理解している方は少ないかもしれません。
ワインはぶどうを原料とし、日本酒は米を原料とします。ワインはぶどうを搾って果汁にしており、日本酒は米を精米して使用します。
本記事では日本酒とワイン、両者の異なる点をさまざまな角度から解説していきます。また後半では「ワインのような日本酒」のおすすめ銘柄も紹介するので、ぜひ試してみてください。
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ワインと日本酒の共通点・違い
ワインと日本酒は、酵母を原料に加えて製造される種類の醸造酒です。酵母を糖分に投入すると、それがアルコールと炭酸ガスに変わります。同じ醸造酒であっても、ワインと日本酒では「原料」が異なります。
ワインは単独で「ぶどう」から作られます。ぶどうは多くの糖分を含んでいるため、酵母を加えるだけでアルコール発酵が開始されます。一方、日本酒は「お米」から製造されます。
穀物から製造する場合は、原料自体にあまり糖分が含まれていないため、糖化をおこなう必要があります。こうじ菌を用いて糖化を行い、同時に酵母を加えてアルコール発酵を行います。
日本酒は、米の独特な甘みや香り、そして麹菌や酵母による発酵の香りが特徴的です。さらに、幅広い種類があり、ドライから甘口までさまざまな味わいが楽しめます。一方、ワインはブドウの品種や産地によって異なる香りや味があります。
ワインのような日本酒とは?
「ワインのような日本酒」といっても「酵母にワインを使っている銘柄」と「風味がワインに似ている銘柄」の2種類があります。
本章では両タイプの日本酒について、それぞれ解説していきます。
酵母にワインを使用している
最近では、敢えて日本酒の醸造において清酒酵母ではなく、ワイン酵母を使った銘柄も増えています。
ワイン酵母は清酒酵母と比べると、アミノ酸とコハク酸が少なく、その代わりにリンゴ酸を多く生成する特性があります。
風味にはワインのような酸味や余韻が感じられるでしょう。
ワインのような風味の日本酒
近年、アルコール飲料において革新的な製品が増えています。例えば、酸味を際立たせた「ワインの特徴を持つ日本酒」やワイン醸造家が手がける日本酒など、多様なスタイルが登場しています。
さらに、ヨーロッパでは「ライスワイン」として知られる、日本酒に似た特性を持つアルコール飲料も登場しています。
これらの新しい飲み物は、従来の日本酒のイメージとは異なり、新たなブームを予感させます。
ワイン系の日本酒おすすめ5選!
いよいよ本章では、ワイン系の日本酒を紹介します。
筆者が厳選したおすすめ銘柄を5つ紹介するので、ワインのような風味を日本酒から感じたい方は、ぜひ参考にしてください。
伯楽星 純米吟醸|新澤醸造店
「伯楽星(はくらくせい)」と呼ばれるこのお酒は、究極の食中酒として評されています。口に含んだ瞬間に、バナナのような甘くやさしい香りがふわーっと広がります。
こちらのお酒が食事と相性抜群である秘密は、香りと酸味、そしてキレのバランスにあります。さわやかな酸味がグレープフルーツのようでもあり、後味をキリッと引き締めてくれます。
冷やして、ワイングラスに注いでお楽しみください。
ロ万 純米吟醸|花泉酒造
「ロ万(ろまん)」というお酒は、福島県の米、水、そして人々の情熱が融合した素晴らしい酒です。火入れ(加熱殺菌)を一度だけ行った純米吟醸からは、メロンのような香りが上品に漂います。
口に含むと、滑らかで清らかな味わいが広がります。それはまるで、上質な白ワインを飲んでいるかのような感覚。
余韻には優しい甘みがじんわりと広がり、和食はもちろん、洋食との相性も抜群です。
クセが少なく、日本酒初心者にも愛される逸品です。
亀泉 CEL-24 純米吟醸原酒|亀泉酒造
亀泉酒造は高知県土佐市に位置し、120年以上の歴史を誇る老舗の日本酒メーカーです。
地元で収穫される良質な酒米と、蔵の地底から湧き出る軟水を用いて、多様な日本酒を製造しています。同社の代表的な銘柄は「火入れ」と呼ばれる加熱処理や、アルコール度数を調整するための加水を行わない生原酒。
亀泉 CELー24はリンゴやパイナップルを思わせる華やかな香りと、ジューシーでフレッシュな味わいが魅力的です。
フルーティーな果実のような風味は、まるで白ワイン。飲みやすく、日本酒が得意ではない方や女性にもおすすめです。
魚料理やチーズなどとの相性が抜群で、食事と一緒に楽しめるでしょう。
花陽浴 八反錦 純米大吟醸|南陽醸造
「花陽浴」は、埼玉県に位置する小規模な酒蔵で醸造された大吟醸酒です。特筆すべきは、濃厚な旨みとフルーティーな香り。
こちらの銘柄では、八反錦という品種の米を使用しており、精米歩合は48%とされています。
無濾過で瓶詰めされており「パイナップルのような風味」と形容されることも多くあるようです。八反錦の特性による淡麗な味わいから、甘さだけでなく程よい辛みも感じることができます。
この日本酒は冷酒専用であり、適切な冷却が推奨されています。瓶には光沢のあるラベルが施されており、高級な雰囲気が漂っており、普段の晩酌だけでなく、贈り物としても喜ばれるでしょう。
鳳凰美田 WINE CELL 2022|小林酒造
「鳳凰美田WINE CELL」は鳳凰美田シリーズの中でも、特に人気の高い銘柄です。
ワイナリー様から友情の証として贈られたワイン酵母を使用して仕込まれました。兵庫県西脇地区の美しい風景で収穫された山田錦米を使用し、ワイン酵母を使って丁寧に醸されています。
洋梨や木苺のような心地よい香りが広がり、豊かな奥行きと滑らかな旨み、甘みを感じられる1本です。さらにシャキッとした柑橘系の爽やかな酸味が後味を引き締め、シャープな印象を与えます。
ワイン酵母を使ったことで、果実のような酸味が表現されています。爽やかな酸味と程良いボディの旨みが絶妙なバランスを生み出している逸品です。
ぜひ鳳凰美田×ワイン酵母が創り出す、新しい日本酒の世界をお楽しみください。