日本ワインはどんなブドウから造られている? ~ワインの味の違いのもと、ブドウの話②~
ワインの知識
ワインは造られるブドウ品種によって味が変わります。では、日本ワインはどのようなブドウから造られているのでしょうか?
2回目の今回は「ワインを造るブドウ」という意味の「ヴィティス・ヴィニフェラ」欧・中東系品種を見ていきます。
この品種は「ワインの基本品種」でもあり、世界中で造られている品種なので、覚えておくといいですよ!
欧・中東系品種(ヴィティス・ヴィニフェラ)白ブドウ
今回はヴィティス・ヴィニフェラ系ブドウの白ブドウを見ていきます。
基本、白ブドウからは白ワインが造られます。
シャルドネ
フランスのブルゴーニュ地方が原産です。現地では「シャブリ」「モンラッシェ」などの素晴らしいワインが造られています。
環境への適応性が高いので、冷笑な地域から温暖な地域においても良質なワインを造ることができます。世界中のあらゆる産地で栽培されている品種で「白ワインの女王」と称されています。
そもそもは、ピノ・ノワールとグエ・ブランの自然交配で生まれました。土地や気候、醸造方法の影響を受けやすい品種なので、同じシャルドネでも生産された地域により大きく味わいが変化します。
シャルドネの香り・味わい
基本的には、レモンやライムなどの柑橘系の香り。暖かい地域で造られると白桃や蜂蜜。アメリカなどでは樽の香りであるバニラやトーストの香りがはっきりと感じられます。味わいはスッキリとした酸味が特徴です。
それぞれの国や地域での味の違いを楽しむのがいいと思います。また、シャンパーニュでも使用されるブドウなので、スパークリングワインにもよく使用されます。
- 日本ではどこで造られる?
- 日本での白ワイン用品種の中で、生産量「第3位」。
栽培地域は「1位 長野」「2位 山形」「3位 兵庫」です。特に長野県では2000年以降栽培面積が3倍以上になっています。海外産のシャルドネとの味の違いを楽しんでみてください。
ソーヴィニヨン・ブラン
フランス・ボルドー地方が原産といわれています。フランスワインではロワール地方の「サンセール」「プィイ・フュメ」が有名です。
世界でも人気の品種で、特に冷涼な気候でその真価を最大限に発揮するといわれています。
最近ではニュージーランドのマールボロ地区のソーヴィニヨン・ブランが特に美味しいと評判です。ニュージーランドの「クラウディベイ」は試してみる価値ありです。
ソーヴィニヨン・ブランの香り・味わい
香りは青りんごと共にハーブ。グリーンがかった印象が特徴的です。加えて火打石のようなミネラル感も楽しめます。
味わいは爽やかな酸味、フレッシュ感を存分に楽しめます。
- 日本ではどこで造られる?
- 日本での白ワイン用品種の中で、生産量「第6位」。
ソーヴィニヨン・ブランは長野県が栽培に成功し、約半数を占めています。続いて、北海道や山形県などで栽培されています。
リースリング
ドイツが原産とされています。耐寒性が非常に強く、冷涼な地域でその良さを発揮します。白ワイン用ブドウで高いポテンシャルを持つ品種の一つで、高品質なワインを生み出すことができます。
味わいも辛口から甘口まであらゆるタイプのワインを生み出すことができます。そのため、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランと共に「三大品種」ともいえます。
原産地のドイツ、フランスのアルザス地方で素晴らしいワインが造られています。オーストラリアやアメリカのワシントン州のリースリングも試してみるといいでしょう。
リースリングの香り・味わい
香りはリンゴが強く感じられ、オイリーな感じも特徴的です。
味わいはしっかりとした酸味の中に丸みのある果実味。コクがありまろやかな印象です。
- 日本ではどこで造られる?
- リースリングは、残念ながら日本ではまだまだ発展途上の品種です。
日本では、ドイツ系品種はケルナーのように冷涼な北海道で造られることが多いです。ただ、育つのが遅く収穫も遅くなるため、積雪のある北海道でもなかなか普及しません。
今後、日本でも美味しいリースリングができることを期待します。
ケルナー
ドイツ・ヴェルテンベルグ地方でトロリンガーとリースリングの交配によって誕生しました。
その地の出身者の医者で詩人の「ユリウス・ケルナー」にちなんで品種名がつけられたそうです。ゲートと共にドイツを代表する詩人で、ワインの詩を読んだこともあるそうです。
耐寒性が非常に強く、リースリングよりも厳しい環境でも育ちます。
ケルナーの香り・味わい
香りはマスカットが主体で、ミントの爽やかな香りもします。
味わいは穏やかな酸味とフルーティーな印象です。
- 日本ではどこで造られる?
- 日本での白ワイン用品種の中で、生産量「第5位」。
1973年に北海道に苗木がもたらされました。その大半が北海道で栽培される、北海道の代表的な品種です。
辛口から甘口、スパークリングワインと造られるスタイルも多様で価格も手に入りやすいです。
アルバリーニョ
原産地はイベリア半島の北西部とされていて、スペイン、ポルトガルで多く見られるブドウ品種です。比較的雨が多い地域です。
アルバリーニョの香り・味わい
香りは柑橘類とジャスミンのような華やかな香りです。
味わいはシャープな酸味と後味に苦味と塩味が感じられます。
魚介類と相性が良く「海のワイン」とも呼ばれています。確かに、スペイン、ポルトガルは魚介類をたくさん食べますね!
- 日本ではどこで造られる?
- 日本でも新潟県や富山県で美味しいワインが造られています。
新潟県や富山県は、スペイン北西部やポルトガルと地形も似ていて、魚介類も豊富です。ここで造られているのは納得できますね。
魚が美味しく、なおかつたくさん食べる日本人に合う品種かもしれません。今後注目の品種です。
いかがでしたか?まずは、ヴィティス・ヴィニフェラの白ブドウをお届けしました。
気になった品種はあったでしょうか?色々と試してみてくださいね。