Bar Main Malt(バー・メインモルト) ~2,000本のコレクションを眺めつつ、グラスを傾ける至福~

店舗紹介

Bar Main Malt(バー・メインモルト) ~2,000本のコレクションを眺めつつ、グラスを傾ける至福~

1993年、神戸にオープンしたウイスキーバー「Bar Main Malt」。ドアを開けると、壁をぐるりと埋めるウイスキーにまず圧倒されます。その本数は歳月とともに徐々に増えていき、今では約2,000本にのぼるのだとか。「正確な数はもうわからない」と、マスターの後藤昌史さんは笑います。

ラインナップは、スコッチが6~7割、ジャパニーズとその他が1割。約3割を占めるアイリッシュウイスキーは、初めてアイルランドに渡った2016年から本格的に集めだしたのだそうです。アイリッシュについての想いは、後半でたっぷりと。

 

まずはぜひ、おすすめの一本から

二杯目につながりやすい仕掛け

 

入り口の黒板に書かれたおすすめの一本は、不定期に変更。選定基準は、「そのときの気分です」とひと言。

店内ホワイトボードに記された月替わりのおすすめは、後藤さんが主幹事を務めるウイスキー愛好家組織「THE WHISKY HOOP〔ザ ウイスキー フープ〕」から仕入れています。いずれも通常よりお得な価格設定になっているので、はじめの一杯に特に最適なんですよ。

 

2000本の壁をぐるりと埋めるウイスキーは、圧倒されます。

「THE WHISKY HOOP〔ザ ウイスキー フープ〕」から仕入れるボトルは、いずれも、通常よりもお得な価格設定!

 

照明はあえて明るめに灯されていて、ずらりと並ぶボトルの顔が見えやすいのもうれしいポイント。

ひとまずおすすめの一本をオーダーし、ゆるゆると飲みつつ、マスターに『あのボトル何?』と気軽に尋ねながら二杯目を選ぶ楽しみも、こちらならではではないでしょうか。

まさに壮観に尽きるボトル群を眺めながら、飲むウイスキーはひとしおですよ。

遊び心があって、気楽に飲めるのがアイリッシュ

遊び心があって、気楽に飲める

 

では、ここからはマスターの後藤さんが今、注目しているアイリッシュについて。

「正直言うと、もともとわりと持ってたんですアイリッシュは。スコッチをたくさん出してる店が周りにも増えてきて、そろそろアイリッシュも受け入れてもらえる段階に来たかな、と感じてシフトした部分もありますね」

スコッチにはやっぱり、仰々しさというか、かしこまって飲まないといけないイメージがある、と後藤さんは言います。

たしかに、ストレート以外は認めない、みたいな人ってときどきいますよね。そのぶん、アイリッシュは肩の力を抜いて、気楽に飲めるのが魅力なのだとか。

アーティスティックな樽使い

アーティスティックな樽使い

 

「アイリッシュの魅力は、“熟成樽に遊びがある”ところだと感じています。

スコッチはオーク材の樽のみに限定されていますが、アイリッシュにはその制約がなく、桜やアカシアなど、さまざまな材質の樽が用いられます

赤ワイン樽だけでなく、白ワインや、マディラなど酒精強化ワイン、貴腐ワイン、ジンジャービアの樽が転用されることだってあるんです。マスカットワインの樽で、すごくフルーティーに仕上がっているのもあったり」

 

アイリッシュはもともと、クセが少なく飲みやすいものが多いので、こうした革新的な樽使いと相性が良いのでしょう。

近年でこそ、スコッチにも伝統的な樽にとらわれない動きが見られますが、それはアイリッシュから波及したものだと私は思っています」

個性よりも、ゆるりと楽しめるマイルドさ

アイルランドには、クラフト蒸留所が2023年現在で50ヵ所以上ある

 

アイルランドには、クラフト蒸留所が2023年現在で50ヵ所以上ある(準備中含む)と言われています。

一度大きく凋落して息を吹き返したという経緯もあってか、伝統に対してのポリシーや、経済的な向上心が良い意味でゆるい、とのこと。

 

「純粋に楽しみながら、良いものを作りたいという、ゆとりあるクラフトマンシップが宿っている気がしますね。だから、スコッチのピートのように強烈な個性はなくとも、飲み疲れしにくいんです。

飲み比べるとそれぞれ違いがちゃんとわかりますし、想いのようなものも伝わってくる気がしています」

 

最後に、そんなアイリッシュからおすすめを2本セレクトしていただきました。

 

グリーンスポット シャトーモンテレーナ ¥1500(ワンショット)

グリーンスポット シャトーモンテレーナ ¥1,500(ワンショット)

 

未発芽の大麦を原料にブレンドし、三回蒸留で仕上げるアイリッシュ伝統のシングルポットスチル。トロッとした質感と、ワイン樽由来の華やかな甘みが楽しめます。

 

ブッシュミルズ シングルモルト 12年 ¥1000(ワンショット)

ブッシュミルズ シングルモルト 12年 ¥1,000(ワンショット)

 

アイルランドを代表する蒸留所が造る、ノンピートのシングルモルト。麦の香味と甘さに、樽のフレーバーがバランスよく乗った銘酒です。

出会いと空間を楽しむのがBAR

出会いと空間を楽しむのがBAR

 

最後に、バーテンダーという仕事についてお聞きしました。

いろんな人に出会えるのが、バーを続ける一番の喜び。ウイスキー関係やBAR同士の横のつながりもありますし、おかげさまでいろんなお客様がいらしてくれるので。店での肩肘張らない出会いと語らいを、私自身が楽しんでいますね」

初心者へのアドバイスと、日本のウイスキーについても伺ってきたので、こちらもぜひご一読くださいませ!

 

ウイスキーってどんな酒? Vol.14 「Bar Main Malt(バー・メインモルト)のマスターに、ウイスキーの愉しみ方を聞きました!」

店舗情報

 

Bar Main Malt(バー メイン モルト)

 

  • 店舗名:Bar Main Malt(バー メイン モルト)
  • 住所:〒650-0004 兵庫県神戸市中央区中山手通1-6-2 東門ゴールドビル2F
  • TEL:078-331-7372
  • 営業時間:月~金 17:00~24:00(CLOSE)、土日祝 15:00~23:00(CLOSE)
  • 定休日:不定休
  • 席数:カウンター10席
  • たばこ:全席喫煙可(葉巻、シガー、シガリロは不可)
  • チャージ料:¥550
  • 交通アクセス:各線三宮駅より徒歩7分
  • SNS:公式Instagram @gotohmasashi
  • オープン年月:1993年7月

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