赤ワインと白ワインの違い、流行のオレンジワインとは? ~ワインの種類と製造方法の違いについて~

ワインの知識

赤ワインと白ワインの違い、流行のオレンジワインとは? ~ワインの種類と製造方法の違いについて~

ワインを頼むとき、何を飲みますか?赤ワイン?白ワイン?最近はオレンジワインも流行っています。

ワインは種類によって製造方法も違います。ワインの違いとは一体何でしょうか?

 

ワインには4種類ある!?

ワインは醸造方法によって、大きく4つに分けられます。

1. スティルワイン

泡のないワイン。いわゆる、赤ワイン、白ワイン。ロゼワインもありますね。最近はやりのオレンジワインも泡がありませんから、ここに含まれます。

 

2. スパークリングワイン

発泡のあるワインで、国によって呼び方が変わります。

いちばん有名なのは、フランス・シャンパーニュ地方で作られるシャンパーニュですね。シャンパーニュはここで造られないとそう呼ぶことはできません。

フンランスでもシャンパーニュ地域以外で作られるものは、ヴァン・ムス―やクレマンなどと呼びます。

ドイツはゼクト、イタリアはスプマンテ、スペインのカヴァなどが代表例です。

アメリカなどのニューワールド、もちろん日本でも単純に「スパークリングワイン」と呼びますね。

 

スパークリングワイン

3. フォーティファイド・ワイン

ワインの醸造行程中に40度以上のブランデーやアルコールを添加したお酒です。

スペインのシェリー、ポルトガルのポートワインが有名ですね。

日本でも山梨県の蒼龍葡萄酒やマルスワイナリーでも造られています。

 

フォーティファイド・ワイン

4. フレーヴァード・ワイン

果実や薬草をワインに加えて作ります。スペインのサングリアが代表的です。

ブドウが原料であることがワインの基本です。

ですから、外国の観光地などで「~ワイン」と呼びながら、原料がブドウではない場合があります。それらはあくまでお土産物で正式にはワインとはいえません。

 

フレーヴァード・ワイン

赤ワインと白ワインの違いは?

では、スティルワインの製造方法を見ていきましょう。

赤ワイン
収穫・選果→除梗・破砕→主発酵→圧搾→マロラクティック発酵・樽/タンク育成→清澄・濾過→瓶詰
白ワイン
収穫・選果→除梗・破砕→圧搾→主発酵→マロラクティック発酵・樽/タンク育成→清澄・濾過→瓶詰

 

違いは 主発酵が先か、圧搾が先か が大事なのです。

収穫・選果

ぶどうの収穫

 

ワインをまず収穫します。この際に傷ついた粒などを取り除きます。

機械で摘むか、手で摘むかによってワインの値段が変わるのです。

そして、ベルトコンベアのようなところでさらに状態のいい粒だけを選ぶ「選果」が行われ、粒と粒をつないでいる梗を取り除く「除梗」をし、粒同士をバラバラにし、「破砕(つぶす)」をします。

最近では自然な造りにこだわり、除梗をしないワイナリーもあります。

主発酵と圧搾

主発酵と圧搾

 

そしてここからが赤ワインと白ワインの違いです。

もちろん、基本、黒ブドウから赤ワイン。白ブドウから白ワインです。

赤ワインと白ワインの製法の違いは? というと、「皮と種があるかどうか」とご存じの方もいるかもしれません。ただ、小さなブドウを一つ一つ皮や種を取り除いてるわけではありません。

 

赤ワインは果皮と種も一緒にタンクに入れ、酵母を加えるか、醸造所に自然にある酵母によって「発酵」させます。これにより果皮から色が出るのです。その後で、圧搾(搾る)して果汁をさらにタンクや樽に入れ熟成させます。

それに対し白ワインは発酵より先に「圧搾」します。これによって果皮や種を取り除くことができます。それから発酵します。

 

主発酵と圧搾

マロラクティック発酵・樽/タンク育成

最近では熟成の前に「マロラクティック発酵」が行われます。主発酵で出来たリンゴ酸はすごくシャープな酸味。要は酸っぱいのです。

マロラクティック発酵とは、リンゴ酸が乳酸と炭酸ガスに分解される発酵のことです。これにより酸味が和らげられ、まろやかな味わいとなります。

 

マロラクティック発酵・樽/タンク育成

 

そして樽で育成します。

白ワインだと樽の香りをつけずにフレッシュに保ちたい場合、主発酵と同じようなアルミタンクに入れ、樽には入れない場合もあります。

清澄・濾過→瓶詰

ある程度育成したら清澄・濾過して瓶詰めします。ワインは瓶詰めした後で熟成させます。ワインは樽にいる時間より、瓶での熟成の方が長いです。

瓶の中でゆっくりと熟成されていくのです。

 

清澄・濾過→瓶詰

ロゼワイン

ロゼワインには、セニエ法と直接圧搾法があります。

 

ロゼワイン

 

「セニエ法」は途中まで赤ワインと同じで、果皮と種も一緒に漬け込みます。ある程度色がついた時点で果汁を引き抜き圧搾します。

「セニエ」とはフランス語で「血を抜く」という意味です。これは昔フランスでは、病人を治療するのに、老廃物と血を抜く治療法があって、そこから命名されたのです。

最近では、「直接圧搾法」がほとんどで、黒ブドウを白ワインと同じように造ります。

黒ブドウをまずは圧搾してから、主発酵に進むということですね。

オレンジワインはロゼワインの逆!?

最近はやりのオレンジワインは、白ブドウを赤ワインのような方法で造ります。

白ブドウを皮や種と共に漬け込んで主発酵を行う問うことですね。ロゼワインと逆です。

 

オレンジワインはロゼワインの逆!?

 

日本でも、ヒトミワイナリーで山形県のデラウェアを使ったオレンジワインが造られています。

基本的なワインの造り方は分かったでしょうか?次回はスパークリングワインの製法についてです。

赤ワインと白ワインの違い、流行のオレンジワインとは? ~ワインの種類と製造方法の違いについて~

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