小さなワイナリーが世界へ羽ばたく! ~はすみふぁーむ&ワイナリー~

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小さなワイナリーが世界へ羽ばたく! ~はすみふぁーむ&ワイナリー~

今回は長野県東御市にある「はすみふぁーむ&ワイナリー」におじゃましてきました。

小さなワイナリーながら外国人観光客も訪れ、ワインの本場フランス人も納得の味。そして、香港など東南アジアに販路も広がる、世界に躍進するワイナリーです。

醸造責任者の内山さんにお話伺ってきました。

 

 

少数精鋭で、何でもこなす。

斜面地に垣根づくりのブドウ畑が広がるその中にワイナリーはあります。

黄色い壁に三角屋根の小さな建物で、すべての工程が行われています。

本当に小さな建物の中で、発酵、熟成、瓶詰などすべてのワイン造りが行われているなんて、びっくりです。

狭いスペースを有効活用するために、発酵タンクは設置型のステンレスタンクではなく、特製のプラスチック。元々、ジュースの製造工程では使われているとのこと。時期によって移動させるため、持ち運びができたりと使い勝手がいいそうです。

アイデア満載のご様子を伺いました。小さいワイナリーでは真似するところも多いそうです。

 

少数精鋭で、何でもこなす。

 

スタッフも5人でブドウ栽培からワイン造り、お客様対応まですべて行われています。全員で色々やるから、全てのことを理解しているし、お互いをサポートできる。

今はお店の前にウッドデッキがあるのですが、それも内山さんのDIY。本当に何でもできちゃう。少数精鋭で小回りの利く素晴らしい体制です。

千曲川ワインバレー初のワイナリーの一つ。

2003年から荒れ果てた畑、というよりは雑木林のような土地を開墾し、ブドウを植え始めました。

それでも、この土地は寒暖差が大きく、日照時間も多く、降水量も少ないというブドウの成長に好条件だと信じ、ワイン造りに励んでこられたそうです。

土地の特徴=テロワールも上手に生かして素晴らしいワインが生み出されています。

標高700mほどの小高い斜面にあるワイナリーからは、遠くにアルプス、眼下には東御市の街並みがきれいに見えます。

 

千曲川ワインバレー初のワイナリーの一つ。

 

この辺りは「千曲川ワインバレー」と呼ばれ、毎年新しいワイナリーが生れています。

はすみふぁーむはここ周辺に最初にできたワイナリー、3軒のうちの一つ。

「千曲川ワインバレー」の名前のとおり、これからも多くのワイナリーが設立され、「ワインバレー」として発展していくことでしょう。

ここは、そんな中のまさにパイオニアなのですね。

フランス人も認める味。

試飲させていただいたのは3種類。

まずは甲州。

長野県でありながら、「甲州」も造っていらっしゃる。長野はメルロやシャルドネなどのヨーロッパ品種のワインが得意です。「甲州」は他県のものと考えられ、長野県ではあまり造られていません。それでもこちらでは挑戦している。

私がいただいたのは、甲州のブレンド。山梨とは全く違う個性に驚きます。

そしてコンコード。

コンコードは酸味がしっかり。

合う食事をお聞きしたところ「実は名古屋の方が多く買われるんです」とのこと。なるほど名古屋は味噌カツなど少し濃いめの味の食文化。そういう濃い味とコンコードの酸味がばっちりなのですね。

東京ならねぎま鍋とか少し脂ものった、煮詰めた汁とも合うそうです。

 

フランス人も認める味。

私が好きだったのは「ブラッククイーン」。

味がしっかりとしていて、本当にヨーロッパワインに匹敵するコクでした。美味しい!

コロナ前には外国人観光客もワイナリーには来ていたそうで、「これだよ!」とフランス人も納得の味だったそうです。

確かに、日本のブドウ品種であるブラッククイーンで日本らしさを出しながらも、シラーのようなニュアンスを出すことで、ワインの本場フランス人にをうならせるワインができるのかもしれません。

このワインはもうフランス料理と合わせても文句なし。ジビエ料理と合わせて飲みたいワインです。

 

最近では香港、台湾をはじめたくさんの東南アジア人がワインを飲むようになったそうです。品質には定評のある日本のワインを飲みだしているとか。そんな市場にもどんどん登場しているはすみふぁーむのワイン。

海外旅行で日本ワインを飲む。そんな場面の代表格になるかも。

 

世界市場を目指しているからこそ、ワインのラベルには、ワイナリーの地図が!

 

世界市場を目指しているからこそ、ワインのラベルには、ワイナリーの地図が!

6次産業のパイオニア。

現在、農業はかつての「重労働、低収入」などのイメージから脱却を目指しています。6次産業化して収入を上げ、就労者を増やしたり、多くの観光客に来てもらうことで、地域の活性化を促すという動きがあります。

6次産業とは1次産業(農業)ですから、生産ですね。ここではブドウ造り。

それに×2次産業(製造業)。これはもちろんワイン造り。

そして×3次産業(サービス業)。こちらはワインを販売すること。

ここワイナリーでも、上田駅のショップでもワインを購入できます。

ただ、はすみふぁーむ&ワイナリーではもう一つサービス業を行っています。

それは、宿泊です。少し離れた飯綱町では古民家を改装した雰囲気のいい宿に泊まることもできるのです。

 

6次産業のパイオニア。

 

他にも1年を通してブドウの栽培の過程、収穫などをし、ワイン造りも体験できるプログラムもあります。

こういった成功例は、他のワイナリーのいいお手本にもなっていくことでしょう。

「Think Globally, Act Locally」

パンフレットにもあるこの言葉。

スタート地点である畑を大切にし、地域に根付き、小さい場所から世界へとワインを発信していく姿がとても素晴らしかったです。

ワインも美味しいし、眺めもいいし。何より内山さんはじめ、スタッフの皆さんが、ワインを愛し、この土地を愛している感じが心地よいです。何度も行きたくなるワイナリーです。

次回は収穫作業に参加したり、古民家に宿泊してみたいです。

ワイナリー情報

 

はすみふぁーむ&ワイナリー

 

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