灘の男酒で知られる”兵庫県”。日本酒のおすすめ5選とは?
酒造・メーカー紹介
兵庫県は、新潟や京都と並んで、日本酒の生産地として広く知られています。この県で造られるお酒は「灘の男酒」として古くから親しまれており、福寿や龍力など多くの種類があります。兵庫県の日本酒を選ぶ際に、何を選べばいいのかわからない方も多いかもしれませんね。
そこで今回は、エリアに注目してお酒を選ぶポイントや兵庫県の日本酒の中からおすすめの銘柄を紹介していきます。
エリアで選ぶ兵庫の日本酒
兵庫県にはおおよそ70軒の酒蔵が点在しており、その中には日本を代表する酒蔵も含まれています。特に「灘五郷」として知られる酒どころは、5つのエリアに分かれています。各エリアの代表的な酒蔵を紹介していきましょう。
西郷エリア
都賀川に面したエリアであり、灘五郷の最西部に位置します。特に名前が広く知られているのは、沢の鶴です。1717年に創業された老舗の酒蔵であり、300年以上の歴史を持ちます。
この酒蔵の起源は、初代が米屋を営んでいた際に、副業として酒造りを始めたことにさかのぼります。沢の鶴のロゴにも表れている「※」は、その起源を示すもので、これは米の文字に由来しています。沢の鶴は「灘本流の酒」として、最高品質の酒を生産することを目指しているそうです。
もうひとつの著名な酒蔵は金盃酒造であり、創業は明治23年です。酒蔵の名前である「金盃」は、中国で皇帝から授与される最も権威ある杯に由来しています。
魚崎郷
魚崎郷は、住吉川と芦屋川の間に位置する地域です。灘浜福鶴蔵は「浜鶴福」として知られており、明治初期に設立されました。当初は「大世界」という名前で日本酒を生産していました。戦後になると「福鶴」という新しいブランドで、酒造りを再開しました。
櫻正宗は、1625年に創業され、名水である「宮水」を発見しました。また、櫻正宗は全国で初めて公的な酵母として認定された「協会一号酵母=櫻正宗酵母」の発祥の地としても知られています。
御影郷
西郷郷の隣に広がるエリアは、石屋川と住吉川に挟まれた地域です。ここには1659年に創業された、菊正宗酒造があります。米と水、杜氏の技にこだわり、品質に焦点を当てた日本酒造りを350年以上にわたり守り続ける酒蔵です。
剣菱酒造もまた、創業が1505年という老舗の酒蔵。500年以上にわたり、杜氏たちが技と感性を磨き続け、受け継がれてきた味を提供し続けています。古くから変わらぬ商標や、先人たちが培ってきた知識や技術を駆使し、そのすべてが日本酒の素晴らしさに結集しています。
西宮郷
西宮郷は芦屋川と夙川に挟まれたエリアであり、阪神電鉄の久寿川駅周辺に広がっています。ここで「白鷹」という名の酒が造られており、1862年に設立されました。もちろん品質にも徹底的にこだわっており、一流の酒を醸しています。酒米は特A地区で育てられたものだけを使用しており、水は全量が宮水です。「伊勢神宮御料酒」に選ばれていることでも知られています。
今津郷
今津郷は、西宮郷の隣に位置し、灘五郷の最東部エリアとして知られています。 こちらには、有名な酒造メーカーである大関があります。1711年に創業され、品質を最優先し、顧客満足度を第一に考えた酒造りを300年以上にわたりおこなっています。
地元の素材を使ったお酒が魅力
山田錦は、日本酒の酒米として非常に一般的で、特に兵庫県ではその生産が全国の6割を占めています。他にも五百万石などの酒米も、広く生産されています。全国的に使用される酒米ですが、兵庫県ならではの特産品として、兵庫県産の山田錦や五百万石を使用した日本酒を選ぶことで、地域独自の特徴を楽しめるでしょう。
さらに日本酒造りにおいて欠かせない、水にも注目してください。例えば、櫻正宗の蔵では、有名な井戸から湧き出る宮水を使用。水にもこだわりたい方には、兵庫県が誇る水を使用した日本酒を試してみましょう。
おすすめ銘柄5つ
それではいよいよ、兵庫県で造られた多くの日本酒の中から、おすすめの銘柄を5つ紹介します。
飲んだことがない銘柄がある方は、ぜひ挑戦してみてください。
奥播磨 純米吟醸|下村酒造店
下村酒造が兵庫県で製造している「奥播磨シリーズ」の辛口酒は、確固たる辛口の味わいを持ちながら、豊かな旨味も兼ね備えています。この酒は甘い香りが香り立つ一方で、バランスの取れた酒質で、口に含むと旨味が広がります。
上立香と含み香には、麹のような甘さが感じられ、軽やかでさっぱりとした甘みと、兵庫夢錦米の豊かな酸味が食欲をそそります。この辛口のお酒は、辛口ながらも芳醇で、一度飲んだら飽きない魅力があります。
龍力 純米酒 ドラゴン 緑 |本田商店
こちらの純米酒は、濃厚な味わいと軽やかさを組み合わせています。熟成により、その味わいはより深みを増しており、確かな飲み応えがあります。しかし新酒がブレンドされていることで、常温でも楽しめる1杯に仕上がっています。
新酒とのブレンドによって、濃厚さと軽快さを兼ね備えた新しいタイプの純米酒が誕生しました。最近、お酒の愛好者の中には「軽すぎて物足りない」と感じる方も増えていますが、この純米酒であれば心配ありません。
都美人 ラファール|都美人酒造
「Rafale(ラファール)」という言葉は、フランス語で「突風」を指します。このお酒は、柑橘系の爽やかな香りとクリアな旨味、際立った酸味が特徴で、その組み合わせがお酒にダイナミズムを与えています。アルコール度数は低めの15度で、ワインのような感覚を楽しめます。
神鷹 純米酒|江井ヶ嶋酒造
「水もと仕込み」とは、室町時代に確立された醸造方法。自然に乳酸を生成させて、酒を仕込む製法を指します。当社自慢の清酒「神鷹純米酒水もと仕込み」は、深い金色を持つ非常に濃厚な味わいを特徴としていますが、その関連製品であるtypeⅡは、より軽やかなテイストを持つお酒。爽やかな料理にぴったり合う一品です。
沢の鶴 吟醸 瑞兆|沢の鶴 (株)
沢の鶴は、あらゆる食事に調和し、食中酒として最適です。アルコール度数が13.5度と低めであり、フルーティーな風味を持っています。酒造りに最適とされている「兵庫県産山田錦」を100%使用しています。
また米を丁寧に精製し、57%まで削ることで「兵庫県産山田錦」独自の微細な質感と豊かな風味を実現しています。