涼感溢れる夏の味覚!ロックスタイルで楽しむ日本酒5選

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涼感溢れる夏の味覚!ロックスタイルで楽しむ日本酒5選

日本酒の魅力を新たな形で楽しむ飲み方として、注目を集めているのが「ロック」です。従来のイメージを覆す洗練されたスタイルで、日本酒の醸し出す深い味わいと香りを引き立てます。

氷と共に注ぐことで、その清涼感と爽やかな口当たりが楽しめるのが特長。日本酒本来の個性が際立ちながらも、幅広い層にとって「飲みやすい」と感じられる楽しみ方でしょう。

 

日本酒をロックで飲むのは邪道?

日本酒をロックで飲むのは邪道?

 

ウイスキーや焼酎などが、一般的にロックで味わうお酒として挙げられますが、日本酒をロックで飲むというのは、まだまだ一般的ではありません。日本酒を愛する方からは、このスタイルが「異端(邪道)」とされてしまうことも。

また日本酒ロックに挑戦したことがない人にとっては、日本酒に氷を入れるという発想自体がなかったかもしれません。しかしロックで飲む日本酒は、冷酒とはまた違った味わいになるのです。

ロックで日本酒を飲み始めたのはいつ?

古代より日本では、夏には日本酒をロックで飲む風習がありました。奈良時代にはすでに、その記録が残されています。

日本書紀には「氷室(ひむろ)の氷、熱き月に当たりて、水酒に浸して用(つか)ふ」という一節があります。「氷室」とは氷の貯蔵庫で、冬に凍った池から切り出した大きな氷を入れて保存していました。そして夏になると氷室の氷を、日本酒に浮かべて楽しんでいたのです。

氷は近代になるまで、市場に出回ることはほとんどなかったことから、日本酒をロックで飲めたのはほんの一部の権力者だけでした。このような歴史から、日本酒=冷やで飲むといった習慣になったそうです。

ロックならではの魅力

日本酒をロックで飲むことには、冷やとはひと味違った魅力があります。まずは飲みやすく、爽やかな味わいを楽しめること。

ロックの日本酒を口に含むと、のどを潤す冷たさとお米の風味を同時に感じられます。この冷たさが暑い夏にぴったりなことはもちろん、氷が入ることで爽快感が増し、初心者にも飲みやすくなるのです。

また酔いが覚めやすいことも魅力。日本酒はロックで飲むと、氷が徐々に溶けてアルコール度数が下がっていきます。そのため酔いが覚めやすく、次の日の残りにくいという特長があるのです。

翌日にお酒を残さないための工夫としては、ロックで楽しむのもおすすめですよ。

ロックがぴったりな日本酒とは?

ロックがぴったりな日本酒とは?

 

ロックスタイルと相性が良い日本酒とは、どのようなお酒なのでしょうか。

ロックスタイルで日本酒を味わうことの魅力は、前述したように「飲みやすさ」にあります。度数の高いお酒が苦手な人でも、ロックならば楽しめるかもしれないということです。

そこで本章では、どのようなタイプの日本酒が「ロックがぴったり」なのか紹介していきます。

にごり酒

にごり酒とは、もろみを粗く搾ることで液体に澱(おり)を残すことによって、白く濁ったお酒のこと。

見た目の通り、濃厚でまったりとした口当たりが特徴であり、豊かな香りと味わいを楽しめるでしょう。また炭酸ガスが残った発泡性のものや、もろみを搾った際に出てくる「あらばしり」といったバリエーションも存在します。

基本的には冷やして飲むことが一般的ですが、にごり酒はアレンジの幅も広く、ロックとも相性が良いです。

生酒

一般的な日本酒では、酵母の発酵を止めるために「火入れ」という加熱処理が行われます。しかし生酒は、この加熱処理をしていません。

生酒は本来、冷やして飲むのが美味しいお酒ですが、ロックとの相性も抜群です。氷の溶け具合によって味わいが変化するため、時間をおくごとに違った表情を見せてくれるでしょう。

原酒

一般的な日本酒は完成後に加水され、アルコール度数が約15度に調整されます。それに対して、加水されずにそのままの状態ので出荷されるのが「原酒」となります。

原酒は、日本酒の濃厚な味わいや香りを強く感じたい方に人気です。しかし筆者としては、原酒をより楽しむのはロックと考えています。それは力強い原酒こそ、表情の変化を楽しみたいから。

飲みながら氷が徐々に溶け、穏やかさを見せるところは、冷やでは感じられない魅力です。

ロックで飲みたい日本酒5選!

にごり酒や生酒、原酒はいずれも、多種多様な銘柄が流通しています。そのためロックに最適なタイプを分かっていても、まだまだ何を飲むか悩んでしまうでしょう。

そこで本章では、筆者がおすすめする、ロックで飲みたい日本酒を5つ紹介します。

淡墨桜 ピチピチ生原酒|白木恒助商店/岐阜県

淡墨桜 純米酒 ピチピチ生原酒

淡墨桜 純米酒 ピチピチ生原酒

 

「淡墨桜 ピッチピチ生原酒」とは、年に一度限定販売される搾りたての生原酒です。搾られた直後に瓶詰めされるため、その新鮮さは特筆ものです。

口に含むと、ピッチピチとしたお酒が口いっぱいに広がります。このフレッシュなお酒の搾りたて感をさらに引き立たせるためには、ロックでお楽しみいただくことをおすすめします。

手取川 白寿 純米にごり酒|吉田酒造/石川県

手取川 白寿 純米にごり酒

手取川 白寿 純米にごり酒

 

「手取川」の新酒第一号が「白寿」であり、爽やかで清涼感あふれる純米にごり酒です。酸味や甘味、炭酸ガスが調和した味わいが特徴的。

みずみずしくジューシーな搾りたての味わいは、冷やでも十分に美味しいですが、ロックにして爽快感をより強く感じるのがおすすめです。

豊能梅 G×A|高木酒造/高知県

豊能梅 G×A

豊能梅 G×A

 

豊能梅の「G×A」は、開封直後のチリチリとした微細なガス感が特長。新酒でありながら特有の硬さや苦味は抑えられおり、フレッシュでシャープなお酒です。

口に含んだ瞬間、パッと香りが広がりスッと消えていくところは、どこか切なさを感じます。

澱の甘みと酸のバランスが絶妙に調和した1杯が楽しめるでしょう。

花あかり 純米酒|石井酒造/埼玉県

花あかり 純米酒

花あかり 純米酒

 

「花あかり」の由来は、古くから使われている言葉であり「満開の桜が夜でも周囲をほのかに明るく照らすこと」を表現しています。

使用されているお米は、全量が幸手産米。シャンパンと同じ製法を用いて、瓶内で発酵を行うことで、より爽やかな発泡感を楽しめます。

にごり酒ならでは爽快感が、ロックにすることでより際立つでしょう。

北島 燗ガエル|北島酒造/滋賀県

北島 燗ガエル

北島 燗ガエル(Photo taken with Focos)

 

「幸運の使者」としても知られる、珍しい白ガエルをモチーフにしたラベルが目を惹きます。辛口でありながらも、柔らかさを感じるにごり酒です。

どちらかといえば、お酒単体で楽しむにごり酒ですが、燗ガエルは食事との相性も抜群。ぜひロックで味わってみてください。

涼感溢れる夏の味覚!ロックスタイルで楽しむ日本酒5選

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