大盛況の八戸酒造「八仙祭り」をレポート!いさぎよく”男山”?華やかなスター酒”華想い40”?
イベントレポート
土地ごとの個性が出るのが日本酒の面白さ。各県ごとにお酒の特徴は様々ですが、津軽藩の時代から続く老舗の蔵元が多い県の一つと言えば、青森県。
津軽の人の性質は、よく「じょっぱり(頑固・意地っ張り)」と表現されたりもしますが、酒にもこの「じょっぱり気質」が色濃く出ていて「容易に妥協しない」という精神のもと、長きに渡り培われてきた北国ならではの酒造りの技術が受け継がれています。
そんな青森県を代表する酒蔵の一つが「八仙・陸奥男山」などの醸造元「八戸酒造」。こちらをフィーチャーしたイベント「八仙祭り in 虎ノ門横丁」が11月15日~21日まで虎ノ門ヒルズの「虎ノ門横丁」で開催されました。参加してきた筆者がレポートします★
コンテンツ
「八仙」×「料理」を満喫
このイベントは、虎ノ門横丁内の各参加店舗(21店の飲食店)で「自慢の料理」と「八仙」のマリアージュを楽しめるというもので、期間中はメイン会場にあたる虎ノ門横丁 POPUPレストランで、「八仙」と八戸のおつまみを楽しめる角打ちスペースを限定オープンしました。
八戸酒造の銘柄をいろいろ試すことができる飲み比べセットをはじめ、おつまみの提供、蔵の社員によるお酒の説明や酒蔵の紹介、また蔵でしか買えない限定グッズの販売なども行われました。
一言で言うなら、(期間中は)「POP UP店プラス、そこ以外の21の飲食店でも(常に置いてあるとは限らない)八仙を何種類も楽しめる」という八仙好きにはたまらないイベントでした!
迷ったら全てオーダー!魅惑の飲み比べセットは定番から季節限定品まで幅広い取り揃え
今回POP UP店では、お酒を3種類づつに分けてセットで販売していました。
セットは、下記の好きなものを選べます。
- Aセット
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- 陸奥男山 クラシック ヌーヴォー
- 陸奥八仙 ピンクラベル 吟醸
- 陸奥八仙 華想い40 純米大吟醸
- Bセット
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- 陸奥八仙 ヌーヴォー おりがらみ
- 陸奥八仙 レイメイ40 純米大吟醸
- 陸奥八仙 貴醸酒
- Cセット
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- 陸奥八仙 prototype 2023
- ボンサーブヨーグルトリキュール
- 八梅
では、代表的なものを幾つかピックアップしてみましょう。
定番シリーズの人気品の一つ「男山 クラシック ヌーヴォー」
長く愛され続けているブランド「陸奥男山」の新酒で、バナナやメロンの香り、瑞々しい旨味や甘みが広がりますが、後味には綺麗な酸味を感じられます。
年に一度の出荷なので即完売する人気商品としても定番です。
名前の通り華やかさが際立つ「陸奥八仙 華想い40 純米大吟醸」
華やかな香りと芳醇な味わいをじっくり味わえる1本。重厚感と綺麗な酸味のバランスが相まって甘口主体でありながら、決して重くなりすぎないのが魅力です。
フレッシュ感とまろやかさのコラボが魅力「陸奥八仙 ヌーヴォー おりがらみ」
醪(もろみ)を絞って、火入れはせずに、更におりを絡めて瓶詰した1本。フレッシュで荒々しさもありつつ、おりと絡めているがゆえのまろやかな口当たりも特徴的。非常に飲みやすい生酒です。
希少米を使った「陸奥八仙 レイメイ40 純米大吟醸」
現在では幻の米ともいわれる「レイメイ」を使用しています。飯米ならではの旨味、ふくよかさ、更に綺麗な酸がうまくまとまっていて、非常に上品な味に仕上がっている1本です。
こう見えても実はオールマイティ!「陸奥八仙 貴醸酒」
ディープな?日本酒ファンにはおなじみ、「貴醸酒」は「三段仕込み」のラストに仕込む「留仕込み」の際、水の代わりに日本酒で仕込むお酒ですよね。基本的に甘みが強めのタイプが多いのですが、こちらは比較的スッキリしていて甘すぎず、食後酒のみならず、食中酒としても十分楽しめます。
蔵の方いはく「冷やでもぬる燗でもいけるオールマイティタイプ」なので、色々な楽しみ方ができそうです!
既存の貴醸酒のイメージを良い意味で覆しているので、むしろ苦手な方こそトライしてみる価値があるかも⁉
この他セット以外でも、極上の人気品「Hassenblage」
4種類の青森県産米をタンクから贅沢に融合した1本。7年連続特Aを取得した旨味たっぷりの「まっしぐら」、八戸地区のみで栽培される希少でふくよかな味わいが特徴の「レイメイ」、青森県の代表的酒米で重厚感を与える「華想い」、県南地方唯一のすっきりした後味の酒米「吟鳥帽子(ぎんえぼし)」を使用していて、それぞれの個性が絶妙なバランスで引き立てあっています。
とにかくバランスが素晴らしく、スムースでエレガントな至福の一本で、筆者は個人的に八仙の中ではこれが一番好きです 笑。
これらに合わせる「おつまみ」は?
フードは、青森県の名物「南部せんべい」「鯖の水煮」「鯖の味噌煮」「南蛮味噌」「小茄子辛子漬け」といった”The おつまみ系”の他、酒粕グラノーラや酒粕ドーナツなど、スイーツ系まで豊富に揃えていました。
これらのおつまみで、”甘い×しょっぱい”というエンドレスな組み合わせを楽しむ人達も見受けられ、会場は立ち飲みも多数出るほどの大賑わいと盛り上がりを見せていました。
とにもかくにも「八仙」を満喫し倒したこのイベント。八戸酒造の専務取締役、駒井秀介さんも大勢のゲストからの質問やリクエストなどに終始笑顔で対応されていました。客同士の交流もあり、連日非常に盛り上がったイベントでした。
次回の開催は未定ですが、人気蔵なので、リクエストを受け「いずれまた何かしてくれるでしょう!」という期待も込めて、次回を心待ちにしたいと思います。
八仙ファンの方はいわずもがなですが、「まだあまりよく知らない」という方も、今回ご紹介した代表銘柄あたりから試されてみては如何でしょうか?