特徴ある焼酎・新しい焼酎造りにチャレンジし続ける「芋焼酎業界の進化を牽引する酒蔵」-鹿児島県 国分酒造-
酒造・メーカー紹介
国分酒造の歴史
「国分酒造」では、杜氏・安田宣久を中心に、特徴のある新しい焼酎造りへの挑戦を念頭に、芋焼酎造りに励んでいます。
安田は1992年に「国分酒造」の杜氏となり、1997年、地元酒販店の熱意に押されて、”いも麹”を使った芋100%焼酎に取り組み、試行錯誤を繰り返す中で、芋焼酎造りの面白さや可能性を強く感じるようになりました。
この経験が転機となり、その後、いろんな新しい焼酎造りにチャレンジしてゆきました。
芋を貯蔵・熟成させる新たな取り組み
2012年、10本の苗から復活させた”蔓無源氏”の芋を使った、芋100%焼酎に取り組みました。
仕込み終了間際に、まだ芋が残っていると連絡があり仕入れましたが、芋畑でしばらく置かれていたため、熟した状態になっていました。
農家の方は痛んだ箇所をわざわざ切って納品し、農家の思いに応えるため仕込みましたが、非常に刺激臭の残る焼酎となってしまいました。
商品化は難しいと感じていたのですが、半年ほど経った頃から、刺激臭の中に、ライチのような果実系の香りを感じるようになってきました。
2013年秋に芋焼酎「安田」と命名し発売したところ、これまでにないタイプの焼酎として大きな反響がありました。
これまで、芋焼酎造りでは新鮮な芋を使わないとダメだというのが業界の常識だったのですが、芋を貯蔵・熟成させるという新たな取り組みが広がるきっかけになったと感じています。
果実の風味溢れる「フラミンゴオレンジ」
2017年に鹿児島香り酵母1号を使った減圧蒸留の焼酎に取り組んだところ、非常に果実の風味溢れる焼酎に仕上がりました。
「フラミンゴオレンジ」と命名し発売したところ、これまであまり焼酎を飲まなかった方からも支持を頂きました。酵母による焼酎の風味への影響を改めて思い知らされ、焼酎の可能性が大きく広がったと感じています。
現在70歳になった杜氏・安田宣久ですが、芋焼酎へのチャレンジの姿勢は衰えません。
日本酒の生酛造りを参考に、さつまいもを使った生酛造りにもチャレンジし、明治維新の頃に飲まれていた焼酎の再現に取り組むなど、これまでになかった芋焼酎を目指し、日々取り組んでいます。
文:国分酒造 株式会社
協力:日本酒鑑定士協会 瀧村健治
編集:LIQLOG