地域に根づく、シンボルのひとつとして有り続けたい。「笑顔がこぼれるうまい酒」-滋賀県 安井酒造場-
酒造・メーカー紹介
安井酒造場について
酒造りへの想い
昔のままの佇まい
昔ながらの手仕事
派手さはないけれどそっと寄り添うような
そんなお酒でありたい
滋賀県甲賀市土山町で日本酒製造、販売を行なっている「安井酒造場」の五代目蔵元杜氏「安井利晴氏」、1997年、それまでの能登杜氏からすべてを学び蔵元杜氏になりました。
杜氏からはいつも「酒造りは簡単に考えたらいいんやで」そう教えられ、自らの五感を頼りに、赤ん坊の様にもろみの顔色をうかがいます。
“簡単に考える”それは酒と柔軟に向き合えるという事であると、その後おやっさんの言葉が胸に響きました。経験と共に新たな挑戦への意欲が生まれ、酒造りが楽しいという気持ちを一層大きくしました。
笑顔がこぼれるうまい酒
飲んでもらえる人の笑顔が、造り手にとってすべてです。
シンボルの煉瓦煙突がこの土山の町の風景のひとつで有り続けたいという想いを繋いでいきたい。そして師から学んだように、今後は次世代を育てる重要な役目を果たしていかなければならないと考えています。
小さな蔵だからできる、大きなこだわり
「安井酒造場」は、とても小さな蔵で、製造量もわずか、関西以外の方へはほとんど出荷しておりません。ラベルの裏にも書いてあります通り、「笑顔がこぼれるうまい酒」をモットーに丁寧に造っています。
特徴は、鈴鹿山系の伏流水(軟水)を無濾過で使用できるように毎年『井戸替え』を行うことと、昔の道具を大切に使い続け、モロミに無理な力を与えない『木槽佐瀬式しぼり』による、柔らかな飲み口と旨味を実現していることです。
また、小規模だからこそできる、季節ごとの手貼りのラベルも好評です。
そして、コロナ禍でいかに柔軟な対応をするか検討したところ、秋鹿酒造で修行させていただいた経験に基づき、去年から米づくりも始めました。量はまだまだ穫れませんが、熟成に向く生酛造りとの融合で新たな酒質にチャレンジしています。
通常商品の「初桜」、六代目自身が蔵に帰ってきた3年前から始めた生酛造りの「生酛太郎」を中心に、商品展開しています。
柔らかな旨味と爽やかな酸味が特徴の「安井酒造場」をどうぞご賞味ください。
文:日本酒鑑定士協会 瀧村健治
編集:LIQLOG