1997年、それまでの能登杜氏からすべてを学び蔵元杜氏になった。杜氏からはいつも「酒造りは簡単に考えたらいいんやで」そう教えられ、自らの五感を頼りに、赤ん坊の様にもろみの顔色をうかがう。
“簡単に考える”それは酒と柔軟に向き合えるという事であると、その後おやっさんの言葉が胸に響いた。
経験と共に新たな挑戦への意欲が生まれ、酒造りが楽しいという気持ちを一層大きくした。「笑顔がこぼれるうまい酒」飲んでもらえる人の笑顔が、造り手にとってすべてである。
シンボルの煉瓦煙突がこの土山の町の風景のひとつで有り続けたいという想いを繋いでいきたい。そして師から学んだように、今後は次世代を育てる重要な役目を果たしていかなければならないと考えている。
安井酒造場 五代目蔵元杜氏 安井 利晴