代々醸されてきた酒の味わいを守り抜く。世界も認める、新潟県では珍しい「旨口のお酒」-新潟県 竹田酒造店-
酒造・メーカー紹介
竹田酒造店の紹介
新潟の酒は「水のような淡麗辛口」のイメージが強く、そのような需要もありましたが、当蔵では決して淡麗辛口な酒を造りませんでした。それは、古くから代々醸されてきた酒の味わいではないからです。
「竹田酒造店」がある上越市大潟区は、海岸線のほど近くにあります。蔵が建っているのは砂丘の上。その砂丘の中を、何年も何年もかけて濾過された水で醸す酒は、米の甘い香り、ふくよかな味わいを蓄えます。
この酒を守るため、大事にしている信念があります。それは、「手を抜かない」こと。
一つ一つの作業を丁寧に進めることが基本となり、常に自分の目で見て、体全体で感じて、酒と向き合ってきました。
すべてを機械に任せることももちろんできますが、自然を相手に造られる酒は、豊かな経験が必要とされます。
「おいしいお酒だね」というお客様の喜ぶ顔を思い浮かべながら、「かたふね」らしさを追求していきます。
竹田酒造店のこだわり
~ブームに左右されない「芳醇旨口」~
新潟では30年ほど前に「淡麗辛口」ブームが起こりました。淡麗辛口の酒を造った方が売れる、「淡麗辛口」と書けば売れる、そう言われたこともありました。
「かたふね」の味わいは「芳醇旨口」と信じ、味わいを変えることなく守り抜いてきました。
もちろん苦しい時もありましたが、今はその守り抜いた味が飲んでくれる方に伝わり、世界のコンクールでも入賞するなど、認められるようになりました。
以下主だったコンクールなどの受賞歴です。
年度 | コンクール名・部門名及び受賞内容 | 受賞酒 |
2012 2014 2015 2016 |
関東信越国税局酒類鑑評会 純米の部 優秀賞 |
純米大吟醸 |
2012 2014 |
関東信越国税局酒類鑑評会 吟醸の部 優秀賞 |
大吟醸 |
2013 2015 2019 |
IWC SAKE部門の本醸造の部 最高賞(トロフィー) |
特別本醸造 |
2017 | 関東信越国税局酒類鑑評会 純米酒部門 最高賞(最優秀賞) |
純米酒 |
2021 | ワイングラスでおいしい日本酒アワード プレミアム純米部門 最高金賞 |
はなじかん (純米吟醸) |
挑戦していること
- はなじかん
- 社長杜氏である9代目蔵元竹田成典(しげのり)が製品化した商品「はなじかん」。
日本酒はワインに負けない力がある、と豪語する9代目は、ワインに負けない日本酒を造りたいと考え、2019年に仕込み、製品化しました。
味わいはまるでデザートワインのような甘さ、貴腐ワインのような上品な香りです。2021年に「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」で最高金賞を受賞しました。
日本酒をあまり飲んだことがない、ワインなら好き、甘いお酒がいい、という人に向けてオススメできる商品です。
また、今後も味わいを突き詰めていき、「究極のかたふねの姿」としたいと話します。
- 彩生
- 10代目蔵元 竹田春毅(はるき)が、今後「竹田酒造店」を背負うときの自分の力にしたい、と考え始動したオリジナルシリーズです。
彩生は再生マークを模したラベルが特徴の瓶。「新しいかたふねが動き出す」をコンセプトに、今まで酒造りで挑戦したことが無いことをやってみよう、というチャレンジ精神が詰まったものです。毎年異なる仕込み、もしくは製品の提供の仕方を考えています。
今は2シーズン目で、秋にはひやおろしを販売する予定です。
地域との連携
地域の小学校と連携し、米作りから酒造りまでを一貫して体験してもらい、20歳になったときに、このお酒を当時の小学生にプレゼントしようと企画しています。
田植えを6月に行い、稲がぐんぐん成長している途中です。夏休み前にはお酒についての授業、酒粕クッキングを生徒たちに行いました。
秋に稲刈り、冬には酒造りに実際に参加してもらい、「日本酒への興味をもってもらいたい」と考えています。
文:合資会社 竹田酒造店
協力:日本酒鑑定士協会 瀧村健治
編集:LIQLOG