感謝の気持ちを伝える、真心のこもった酒でありたい。変革とともに酒造界をリードしてきた「まほろばの酒蔵」-山形県 米鶴酒造-
酒造・メーカー紹介
米鶴酒造の歴史
「米鶴」醸造元は山形県南部の東置賜高畠町で奥羽山脈のふもとにある二井宿地区にあります。
この場所で1700年頃の元禄年間に創業し、江戸時代には米沢上杉藩の御用酒屋を務めていました。明治から大正の時代には地元にあったとされる32の蔵元の指導的役割を果たしていたという記録が残っています。
「米鶴」について
「米鶴」という銘柄には2つの意味がこめられています。
ひとつは、地元に伝わる鶴の恩返し伝説、そして、豊かに実った米の姿や鶴の立ち姿がお辞儀の姿に例えられることにちなんだ、感謝を伝える酒です。もうひとつは、88羽の鶴が末広がりに舞う、おめでたい縁起の良い酒です。
蔵元の受賞歴は、全国新酒鑑評会での金賞受賞数が単一酒造場として33回(2022年8月現在)、全国酒類調味食品品評会で1968年にダイヤモンド賞を山形県内で初受賞、その他、東北清酒鑑評会、特選街出版日本酒コンテスト、ワイングラスでおいしい日本酒アワード、全米日本酒鑑評会、インターナショナルワインチャレンジ日本酒部門、スローフードジャパン燗酒コンテスト、フルネット純米酒大賞で様々な賞を受賞しており、その数は180を超えます。
米鶴酒造の理念
「米鶴」の経営理念は2つあります。
ひとつは、日本酒造りを通じて食の豊かさに貢献すること、もうひとつは、蔵元の存在する山形県東置賜郡高畠町二井宿を中心に、私たちに関わる全ての人の幸せに貢献することです。
経営理念を実現するための4つのキーワードとして、和醸良酒、品質重視、自己研鑽、地域貢献をモットーとしています。
米鶴酒造の酒造り
酒造りは、爽やかでみずみずしく、香り・味・キレ三拍子そろった、酒通でなくても理解できるわかりやすい美味しさの酒を目指して醸し、上槽時の品質に何も足さず、何も引かない状態で1年間通してお客様に提供することを品質上の目標としています。
発泡性のあるタイプ、伝統的な日本酒と比較して大幅にアルコール分を小さくしたタイプ、赤い色のタイプなど、新しいタイプの日本酒製造にも取り組んでいます。
新品種「亀粋」
1983年から地元農家と協力して「高畠町酒米研究会」を立ち上げて地元での酒造好適米(酒造り専用の米品種)栽培に取り組んでいます。
その成果として、1993年には名品種「亀の尾」を元に新品種「亀粋(きっすい)」を開発し、戦後初の個人による酒造好適米品種登録を果たしました。
この米を使用した「米鶴 純米大吟醸 亀粋」はワイングラスでおいしい日本酒アワード2015で金賞、「米鶴 特別純米 亀粋」はインターナショナルワインチャレンジ2015で銀賞を受賞しています。
文:米鶴酒造 株式会社
協力:日本酒鑑定士協会 瀧村健治
編集:LIQLOG