自由な酒を造ろう! Vol.02 ユニークさが際立つ「クラフトサケ醸造所」をご紹介!
酒造・メーカー紹介
最近耳にする機会の多いキーワード「クラフトサケ」。概要についてお伝えしたVol.01に引き続き、今回はユニークさが際立つ醸造所やお酒をご紹介していきます。
自由な酒を造ろう! Vol.01 今注目の「クラフトサケ」とは何ぞや!?
本記事は、近年「クラフトサケ」に関する執筆や講演を多数手がけている、日本酒と食のジャーナリスト・地域ブランドアドバイザー「山本洋子」さんにご協力いただきました。
今回は山本さんのお勧めをご紹介します。
クラフトサケ醸造所・お酒の紹介
稲とアガベ/秋田県
「クラフトブリュワリー協会」を立ち上げた”稲とアガベ”が熱い
vol.01でもお伝えしたように「クラフトサケ」を定義したのはクラフトブリュワリー協会で、この協会を立ち上げたのが秋田県男鹿市にある醸造所「稲とアガベ」。
通常、酒作りの際は酒米を磨くことで風味を向上させて使用しますが、こちらの企業では”米磨きありき”ではなく「削らなくてもそのままで十分美味しい(酒が出来るような)自然栽培米を作ろう」というコンセプトで、米の力を最大限に引き出すことに力を入れています。
自社で酒米の自然栽培に取り組むほか、契約農家・秋田県大潟村の石山農産のササニシキを使用するなど、独自のこだわりをもって酒作りをしています。
アガベシロップ、米麹、ホップなどを用いた「どぶろくシリーズ」や「クラフト酒シリーズ」の他、輸出用清酒・国内向けの委託醸造清酒などの酒類をはじめ、ショップや男鹿や秋田の食材をいかした料理を提供するレストラン、更に、最近は酒カスを使った「発酵マヨ」の販売やラーメン店も手掛けています。
「稲とアガベ」は、酒を中心に幅広く事業を手掛ける、正に男鹿の”希望の星”的な存在!
稲とアガベ:https://inetoagave.com/
haccoba/福島県
爽やかと言えば、haccoba発「はなうたホップス」
2021年2月創業と、まだ若い福島県南相馬市の酒蔵「haccoba(はっこうば)」の逸品は、柑橘を感じる爽やかな香りと味わいが魅力の「はなうたホップス」。
東北に伝わる幻のどぶろく製法 “花酛”(はなもと)と、ビールの製法ドライホップをかけ合わせ、お米のクリアな甘みとホップの爽やかな香りを表現しています。
爽やかさのポイントは、お米の甘みやうまみを引き出す黄麹に加え、レモンのような酸味を生み出す白麹も活用していること。
また面白いのは、伝統的な“花酛”に使用していた東洋のホップ「唐花草(カラハナソウ)」に加え、現代のクラフトビールを代表するシトラなどのアロマホップも用いているところ。
これによって、柑橘系の爽やかな香りと苦味を表現しています。 舌の上でお米とホップの味と香りのセッションを同時に楽しめちゃいます!
haccoba:https://haccoba.com/
今回は、ユニークな取り組みがキラリと光る2つの蔵をご紹介しました。あまりお酒に馴染みがなかった方にも飲みやすい軽やかなタイプもあるので、色々試してみるのも楽しいかもしれませんよ。
次回は、様々なクラフトサケをテイスティングしている、本記事にもご協力頂いた「山本 洋子」さんも「本当に心底驚いた!」という、「自然栽培の米農家・どぶろく醸造家・凄腕の発酵料理人」と、一人三役をこなす佐々木要太郎さんの「権化シリーズ」をご紹介します。
取材協力
日本酒と食のジャーナリスト・地域ブランドアドバイザー「山本 洋子」さん
鳥取県境港市「ゲゲゲの妖怪の町」生まれ。
雑誌編集長として、素食やマクロビオティック・玄米雑穀などの日本古来の食の良さを啓蒙し、発酵調味料・米の酒などを紹介。
独立後、地方に埋もれた「日本の食のお宝!応援」をライフワークに、講演活動や、地域食のブランディングアドバイザー、純米酒&酒肴セミナー講師、酒と食文化のジャーナリストとして全国を駆け回り中。
自由な酒を造ろう!
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