新鮮な魚、山の幸に恵まれた氷見。その郷土を愛する「パトリオティズムを持つ日本酒」-富山県 髙澤酒造場-
酒造・メーカー紹介
髙澤酒造場について
有磯 曙
初代高澤利右ヱ門が江戸時代末期に氷見に来て、明治5年頃に酒造りを手がけたのが当酒造場の始まりです。当時は蔵のすぐ裏まで海が迫っておりました。豊富な井戸水と富山湾からの海風が酒造りに適していると利右ヱ門は判断。昔は酒米を冷やす機械がなく、風が必要だったこともこの地を選んだ理由でしょうか。
酒造りのこだわり
今も昔も、酒米を冷やすのは富山湾から吹く、あいのかぜ。早朝より蔵戸を開け放ち、蒸米はすぐにあいのかぜに晒す。この作業こそが有磯曙の特徴であり、根幹となり味の決め手となる。全ての酒を槽ふねでしぼる。槽しぼりの最大のメリットは、もろみにストレスをかけることなくしぼり出すことができること。この手間によって、まろやかでやさしい日本酒に仕上がるのだ。
新鮮な魚はもちろん、山の幸にも恵まれた氷見で、土地の風土をこのうえなく生かした酒造り、その郷土を愛するパトリオティズムを持つ日本酒でありたい。
そんな想いがお酒を通して伝わることを願っております。
文:日本酒鑑定士協会 瀧村健治
編集:LIQLOG