「酒の中に心あり」酒中在心、賀茂鶴で大切に守られてきた言葉を胸に、広島から心で醸す酒づくり。-広島県 賀茂鶴酒造-
酒造・メーカー紹介
賀茂鶴酒造について
守り伝えていくそれが私の使命 総杜氏「友安 浩司」氏
歴代の杜氏が必死で受け継いできた、酒づくりの本質を伝えていきたい
いま最年長となり今度は私が後進を育てていく年になりました。ではどのように?と問われるならば、人づくりもお酒づくりと同じく中庸なのかもしれません。学んだふたりの師匠のミックス型。
歴代の杜氏が必死でつないできた酒づくりの本質をきちんと伝えていきたいですね。若手の杜氏である沖永も椋田も、いまそれぞれの道を突き詰めようとしています。ならば私は中道を守ろう。
現在は賀茂鶴の製品を安定供給するための総杜氏として賀茂鶴王道の味を守り続けています。これまで通り、そしてこれまで以上に多くの人に賀茂鶴の魅力を知ってほしい。そのために私が王道をつないでいきます。
自然の変化にうまく呼応伝統を守りながらも挑戦し続ける 八号蔵 杜氏「沖永 浩一郎」氏
最もこだわるのはお酒の味を決める麹づくりです。水の吸わせ方が数分違うだけで、蒸し具合が少し違うだけで、お酒は全く異なる表情を見せます。その日の天気によっても理想の蒸し方は変わります。「自然との戦い」というよりも、「自然の変化にうまく呼応しながらいかに理想を見つけ出すか」が面白い。
いまはさらなる「化学反応」に挑戦しています。それは営業や広報といった外の部署、蔵の外の人々との連携です。外部の評判や求められているニーズも直接聞きながらお酒をつくれば、その化学反応はもっともっと広く豊かなものになるはずです。
自然は日々変わり続けているし、お客さまも変わり続けています。ならば私たちも伝統を守りながらも挑戦し続けなければならない。変化に備えながら変化を楽しむ。そんな日々です。
『古くて新しい』賀茂鶴の開発を 二号蔵 杜氏「椋田 茂」氏
ここ数年は「双鶴賀茂鶴」などの高級酒を手がける一方、残りのタンクで「古くて新しい」賀茂鶴の開発に携わっています。幻の酒米といわれてきた「広島錦」を、賀茂鶴酵母と呼ばれる協会五号酵母で醸し、新たな純米酒づくりに挑戦してきました。
ここ数年の流行りは香りの華やかさですが、それでお米の旨味はどこまで楽しんでいただけるのか。また「つくり手の物語」を楽しんでいただくという風潮もありますが、それは酒席で向き合う大切な人との対話を邪魔しないのだろうか。新しい味を求めようとすればするほど、賀茂鶴の本質「アマからず、カラからず…」という中庸に戻っていくような気もしています。
先輩方が築いてくださった大きな信頼があるからこそ僕たち若手がその太い幹の上でさまざまな枝葉を伸ばすことができます。いろいろ挑戦しないと申し訳ない。そしてその方々に胸を張って自慢できるお酒を必ず生み出してみせます。
代表取締役社長 藤原昭典氏
創業以来、賀茂鶴酒造は最良の米と最良の水と最良の杜氏に拘(こだわ)り、寒造り・手造りの酒造りに励んでまいりました。
お陰さまで2018年には、会社設立100周年(賀茂鶴命名145年)を迎えました。これからも、先人から受け継いだ歴史と伝統を踏まえつつ、「不易流行」で多様化するお客さまのニーズに対応してまいります。
そして、次の100年に向けて、広島(賀茂鶴)杜氏熟練の技を確実に伝承し、賀茂鶴らしいお米の旨味を大切にした、安全・安心な最高品質のお酒をお届けすべく、日夜研鑽に努めてまいります。
文:日本酒鑑定士協会 瀧村健治
編集:LIQLOG