「大地の実り × 微生物の健やかな営み」健やかに実る稲により導かれた、心身にとっておいしい酒造。-島根県 都錦酒造-
酒造・メーカー紹介
都錦酒造のあらまし
「都錦酒造」は、明治17年(1884年)に石見・那賀地域で創業した醸造所です。
現在は清酒を主とした酒類を醸造しており、将来は「発酵」を事業領域として、発酵飲料や発酵食品を手がけることを目指しています。
中国地方一の流域面積を誇る「江の川」が日本海と出会う土地で、酒人(さかびと=都錦に集う人)一同、微生物とともに日々発酵(活動)しています。
都錦酒造の特徴
シンプルでナチュラル、お酒はなりもの
お酒は、大地の実り(稲)や微生物(麹菌や酵母)など自然の力により生じるものとの考えから、人は手を加えすぎないことが大切にされています。
健やかなお酒
「心身にとっておいしい酒造」にも取り組んでいます。より健やかな微生物の発酵は、農薬や化学肥料の使用を抑えられた土壌に、健やかに実る稲により導かれます。
健やかな発酵により生じるお酒は、味覚的に美味しく、身体にもおいしいはずです。
「都錦酒造」は島根県下の複数のエコファーム(環境保全型農業に取り組む農場)とタイアップしています。
都錦酒造のこだわり
純米酒 100%
副原料で加工しない、素直でシンプルなお酒です。
稲穂色のお酒
都度の発酵のありさまを、そのまま、包み隠さずボトルに封じることを心がけています。
原酒のブレンドや、炭ろ過などの加工は原則施されておらず、酒は稲穂色を帯びています。飲みやすさよりも、勢いや揺らぎが大切にされています。
■その他
火入れは1回のみ。都度の発酵が終わって直ぐ、発酵の姿をとどめるために行われます。その後、出荷までは変質が抑えられるように、0℃以下で保管されています。
都錦酒造のエピソード
・令和4年現在、島根県で最も小さな酒蔵です。醸造から外回り、蔵の掃除まで、日々を3人で取り回しています。
・現在の醸造責任者は創業家出身。幼少から酒蔵や蔵人たちの様子を何気に体感してきました。そこから得た感性をもって、醸造経験は浅く(4年)も、2年目に醸造したお酒が国内外3つの品評会で受賞し、3年目の酒も複数のコンテストで受賞(ワイングラスでおいしい日本酒アワード・最高金賞、全国燗酒コンテスト・最高金賞)しています。
都錦酒造が目指していること
・田舎の営みが次代につながるように、農家の皆さまとの連携を深めること。都市の皆さまに、発酵を通じて田舎の様子を伝え、田舎を応援していただけるようになること、を思い描いています。
・醸造については、現在は速醸酛(麹菌と酵母によるシンプルな二重奏)によりますが、育て酛(他の微生物も加えた、厚みのある三重奏、四重奏)が加わることも自然な流れかと思っています。
文:都錦酒造 株式会社
協力:日本酒鑑定士協会 瀧村健治
編集:LIQLOG