「SAKE COMPETITION 2023」の表彰式に潜入!栄光に輝いた受賞酒は…~後編~
イベントレポート
前編では「SAKE COMPETITION 2023」の表彰式にて、受賞が発表された4部門を紹介しました。純米酒部門や純米吟醸部門、純米大吟醸部門、SUPER PREMIUM部門など、いずれも受賞したお酒は「早く飲んでみたい」「また飲みたい」と感じる銘柄ばかりでした。
引き続き後編では、残り3部門の受賞酒・受賞蔵を発表します。また後半では、受賞のプレゼンターを務めた方々のコメントもご紹介。今後、ますます注目が高まる酒蔵や杜氏をチェックしてください。
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後編では3部門の受賞酒を紹介!
後編で発表するのは、以下の3部門です。
- Sakenomy Best Brewery of the Year
- ダイナースクラブ若手奨励賞
- JAL空飛ぶSAKE賞
いずれも異なる基準で受賞が決まるので、受賞酒・受賞蔵と合わせて解説していきます。
Sakenomy Best Brewery of theYearの受賞蔵
- 1位 高木酒造株式会社(山形県)
- 2位 新政酒造株式会社(秋田県)
- 3位 阿部酒造株式会社(新潟県)
日本酒ソムリエアプリ「Sakenomy」で5品以上の商品が評価されている酒蔵の中で、すべての商品の平均点がもっとも高い、上位3蔵に授与される「Sakenomy Best Brewery of the Year」。見事、第1位に輝いたのは、山形県の高木酒造株式会社でした。
高木酒造は、1615年創業の歴史ある酒蔵。代表銘柄は十四代であり、日本酒ファンならば知らない人はいないほどの有名銘柄です。飲む人の心に残る、芸術的な日本酒を醸し続ける酒蔵として人気を博しています。
受賞にあたって登壇したのは、代表取締役・髙木 辰五郎(たかぎ たつごろう)氏。同人は受賞について、次のようにコメントしていました。
ダイナースクラブ若手奨励賞の受賞者
ダイナースクラブ若手奨励賞を受賞したのは、純米酒部門で1位を獲得した、大和蔵酒造株式会社の杜氏・関谷 海志(せきや かいし)氏。同賞は次世代の日本酒の造り手を応援する賞であり、40歳以下の最上位受賞酒蔵の杜氏に送られる賞です。
受賞にあたって同人は、次のようなコメントを残しています。
関谷 海志氏
このような賞をいただけたこと、たいへん嬉しく思っております。
我々が今作っている日本酒というのは、大昔の先輩方からの技術を脈々と受け継いできた結晶であります。この伝統を守り、育み、そして継承していけるよう、今後も邁進して参ります。
杜氏としては若い関谷氏ですが、伝統を重んじる姿勢がコメントから感じ取れますね。
関谷氏のこの思いは、酒造りのこだわりにも反映されており、同蔵のホームページには「よりよい麹に仕上げるためにも、手間を惜しまず昔ながらの手作業を大切にしています」といった記載があります。
また人を育てること、次世代を育てることを重視している同蔵。ダイナースクラブ若手奨励賞を受賞するのに、ぴったりな酒蔵といえるでしょう。
JAL空飛ぶSAKE賞の受賞酒
JAL空飛ぶSAKE賞を受賞したのは「峰乃白梅 純米吟醸」です。こちらは新潟県にある峰乃白梅酒造株式会社から誕生した純米吟醸酒。
同賞は純米3部門(純米酒/純米吟醸/純米大吟醸)の中から厳選される賞であり、受賞酒はJAL機内酒や空港のラウンジで提供されます。この賞は、前半で紹介した各部門の中から、出荷量に限りがあり国内でも希少性の高いお酒が受賞酒に選ばれます。
国内で珍しいお酒を、海外の人に知ってもらう目的のもとに生まれました。
表彰式で登壇したのは、代表取締役・高橋 芳郎(たかはし よしろう)氏です。受賞についてのコメントを求められると、同人は「全く予想してなかった…。本当に感謝申し上げます。」と答えました。
すでに純米吟醸部門にて、10位以内に入賞していたため、同賞の受賞は想定外であった様子です。
司会者より海外の人にも知っていただきたい、お酒造りのこだわりについて問われた際は「海外ということはあまり考えていませんでした。海外の人に合うお酒を考えてはいたけれど、(受賞を踏まえて)ようやくそれに見合ったお酒ができたのかなと感じております」とコメントしています。
当日ご活躍したプレゼンターの方々
「SAKE COMPETITION 2023」では、多数のプレゼンターも登壇しています。
ぞれぞれ「Sakenomy Best Brewery of the Year」は中田 英寿氏、純米酒部門は吉田 類氏、純米吟醸部門は宇賀 なつみ氏、純米大吟醸部門は村川 絵梨氏、SUPER PREMIUM部門はMs.ooja氏がプレゼンターを務めました。
その中から中田英寿氏と吉田類氏、2名のコメントを抜粋して紹介します。
まずは中田 英寿氏のコメントです。
中田 英寿氏
(今回のこの賞は初めて申請しました)アプリを始めてから8年くらい。年間万を超える口コミが入っており、各商品、一般消費者(飲み手)の方が評価をした結果を、しっかりと数字として反映しようと考えたことが、本賞の始まりでした。
酒蔵単位となると、やはり自分たちが出しているすべての商品において、どれだけのレベルが保てるかが決め手となります。
このような意味でも、400年を超える髙木酒造の歴史が、消費者から一番高い評価を受けたことに結びついてると考えます。
次に、吉田 類氏のコメントです。
吉田 類氏
このように純米酒が豊かになるということは、呑兵衛にとっては非常にありがたいこと。
ぜひとも現在の路線を貫いていただきたい。
中田氏はアプリ運営者として、吉田氏は自身も呑兵衛の一人としてのコメントを残してくれました。
SAKE COMPETITION 2023の感想は…
「SAKE COMPETITION 2023」の表彰式についてお伝えしましたが、いかがでしょうか。
今年の「SAKE COMPETITION」では、全体を通して広島県のお酒が多く、入賞していました。受賞したお酒や酒蔵に注目するのはもちろんのこと、そのエリアにも注目してみるのもおもしろそうですよね。
筆者にとっても、決審会から参加した「SAKE COMPETITION」は、非常に思い入れ深い催しとなりました。来年も開催されることを願わずにはいられません。
髙木 辰五郎氏
このような素晴らしい名誉ある賞をいただきましたこと、ありがとうございます。
酒を造って30年になります。節目の年にこのような賞をいただけたこと、大変光栄に思います。これからも初心を忘れずに精進して参ります。