「SAKE COMPETITION 2023」の表彰式に潜入!栄光に輝いた受賞酒は…~前編~

イベントレポート

「SAKE COMPETITION 2023」の表彰式に潜入!栄光に輝いた受賞酒は…~前編~

「今年、もっとも美味しい日本酒とは何か。」

このように聞かれると、どのような日本酒ファンでも答えに悩むことでしょう。一聞すると、そもそも答えのないように感じられる問い。

しかしこの問いに対する回答として、もっとも明確な答えを導き出す「手がかり」ともいえる催しが開かれました。

少々まわりくどい書き方になってしまったのは、あくまでも「美味しい」と感じるお酒は人によって千差万別だからです。

 

催しの名前は「SAKE COMPETITION 2023(サケコンペティション)」。

 

以前の記事では、筆者が決審会に参加し、その様子をお伝えしました。そして3日間に渡る予審会・決審会(審査)を経て、この度いよいよ受賞酒が発表される「表彰式」が開催されたのです。

今年、4年ぶりに開催された「SAKE COMPETITION」。2023年の受賞酒は何なのか、今回も前後編に分けて解説していきます。

 

まずは「SAKE COMPETITION」のおさらい

まずは「SAKE COMPETITION」のおさらい

 

前回の記事をご覧いただいた方もそうでない方も、ここで一度「SAKE COMPETITION」のおさらいをしておきましょう。

「SAKE COMPETITION」とは、市場で入手可能な日本酒の中で、もっとも美味しいものを決める品評会です。

このコンペティションは、世界で唯一、消費者のために開催される日本酒の競技会であり、以下のような理念に基づいておこなわれています。

ブランドに関係なく、本当に美味しい日本酒により多くの人が出会えるよう、新しい基準を示したい

日本酒の品質を競う、類似した大会と「SAKE COMPETITION」との違いは、以下の2点です。

 

  1. 市場で販売されているお酒が対象である
  2. 審査員に酒蔵や銘柄が隠されている

 

「SAKE COMPETITION」の場合、消費者は受賞したお酒とまったく同じものを楽しめるのです。

さらに、審査は厳重に銘柄が隠された中でおこなわれます。審査員は「酒の味だけ」で、良し悪しを判断する点も大きな特長。酒蔵の規模や歴史などが審査に介入せず、味がよければどのような酒蔵であっても、受賞できるということです。

前編では4部門の受賞酒を紹介!

前編では4部門の受賞酒を紹介!

 

それでは早速、受賞酒を紹介していきます。

「SAKE COMPETITION 2023」で設けられた部門は、全部で7部門。メインとなるのは、前編で紹介する「純米酒部門」「純米吟醸部門」「純米大吟醸部門」「SUPER PREMIUM部門」の4部門です。

これに加えて、後編で紹介する「Sakenomy Best Brewery of the Year」「ダイナースクラブ 若手奨励賞」「JAL空飛ぶSAKE 賞」の3部門が選ばれます。それぞれの受賞酒をチェックしていきましょう!

純米酒部門の受賞酒は…

純米酒部門の受賞酒

 

  • 1位「雪の松島 海-KAI- ひとめぼれ 純米原酒」 大和蔵酒造株式会社(宮城)
  • 2位「宝剣 純米酒 レトロラベル」宝剣酒造株式会社(広島県)
  • 3位「楽器正宗 純醸」合名会社大木代吉本店(福島県)

 

純米酒部門で1位に輝いたのは、宮城県の大和蔵酒造株式会社が醸す「雪の松島 海-KAI- ひとめぼれ 純米原酒」でした。

純米酒は、日本酒の中でもリーズナブルな銘柄が多く、日常の中で味わうお酒として親しまれているお酒です。そのような部門で1位を獲得した「雪の松島 海-KAI-」は、もっとも気軽に飲みやすいお酒と言ってもいいかもしれません。

純米吟醸部門の受賞酒は…

純米吟醸部門の受賞酒

 

  • 1位「雨後の月 純米吟醸 山田錦」相原酒造株式会社(広島県)
  • 2位「亀泉 純米吟醸 吟麓」亀泉酒造株式会社(高知県)
  • 3位「富久長 八反草 純米吟醸」株式会社今田酒造本店(広島県)

 

純米吟醸部門で1位を獲得したのは、広島県の相原酒造株式会社から生まれた「雨後の月 純米吟醸 山田錦」です。

純米酒よりもさらに、磨き上げた米から作られるのが純米吟醸酒。酒蔵の技術が存分に発揮される特定名称酒となっていることから、酒蔵の「顔」となるお酒です。純米吟醸部門で1位を獲得した相原酒造株式会社は、今後ますます人気の酒蔵となっていくでしょう。入手困難になってしまう前に、飲んでみてください。

純米大吟醸部門の受賞酒は…

純米大吟醸部門の受賞酒

 

  • 1位「大嶺2粒 火入れ 山田錦」大嶺酒造株式会社(山口県)
  • 2位「雨後の月 純米大吟醸 愛山」相原酒造株式会社(広島県)
  • 3位「三井の寿 純米大吟醸 福」株式会社みいの寿(福岡県)

 

純米大吟醸部門で1位を獲得したのは、山口県の大嶺酒造株式会社で誕生した「大嶺2粒 火入れ 山田錦」でした。実は以前の記事にて、大嶺酒造の夏酒をご紹介しています。表彰式では試飲できなかったものの「Ohmine 3grain 夏純かすみ」のクオリティから、今回1位を獲得したのも納得です。

純米大吟醸は、精米歩合50%以下の純米酒に付けられる特定名称です。極限まで磨き上げられたお米から誕生したお酒は、蔵元を代表する1本となります。

SUPER PREMIUM部門の受賞酒は…

SUPER PREMIUM部門の受賞酒

 

  • 1位「作 智」清水清三郎商店株式会社(三重県)
  • 2位「開運 純米大吟醸 諸法無我」株式会社土井酒造場(静岡県)
  • 3位「外池 AUTHENTIC 純米大吟醸 袋吊り雫酒」株式会社外池酒造店(栃木県)

 

SUPER PREMIUM部門で1位を獲得したのは、三重県の清水清三郎商店株式会社で醸される「作 智」です。SUPER PREMIUM部門では、四合瓶で10,000円以上もしくは、一升瓶で15,000円以上の日本酒が対象となります。つまり「もっとも美味しい高級酒を決める部門」ということです。

清水清三郎商店株式会社の「作」は、もともと知名度が高く、プレミアム日本酒として提供している飲食店も多いお酒です。今回の受賞を機に「プレミアム」なイメージをより強固なものとしたのではないでしょうか。

後編では残り3部門を受賞酒を紹介!

前編で紹介した4部門の他にも「SAKE COMPETITION 2023」では、3部門の表彰がおこなわれました。

後編でご紹介するのは、日本酒ソムリエアプリSakenomyが選ぶ「Sakenomy Best Brewery of the Year」、次世代の日本酒の造り手を応援する「ダイナースクラブ若手奨励賞」、JAL機内酒として提供される「JAL空飛ぶSAKE賞」です。

また後編では、表彰式でプレゼンターを務めた方々のコメントも紹介します。引き続き「SAKE COMPETITION 2023」の当日レポートをお楽しみください。

「SAKE COMPETITION 2023」の表彰式に潜入!栄光に輝いた受賞酒は…~後編~

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