IBUって?ビールをもっと楽しむ単位を解説!
ビールの知識

クラフトビールを選ぶとき、種類が多くて何を選べばよいか迷うことはありませんか。近年、クラフトビールを飲めるお店も増えてきて、「とりあえずビール!」とはいかないこともあるかも知れません。笑
よく分からないからと何となく選ぶのではなく、基準となる数値を理解したうえでビールを飲めば、ビールの世界がもっと楽しくなるはずです。
今回は、バーや飲食店のメニューで目にするIBUやABVなどの単位が何を表すのかを解説します。
IBUは苦成分の量を表す単位
IBUとは、国際苦味単位(International Bitterness Units)のことを指します。数値が高ければ高いほど苦みが強いといわれていますが、同じIBUの値であってもモルトの甘さやビールの温度など、苦み以外の成分によって苦みの感じ方が変わるため、体感としての苦みの度合いは同じとは限りません。
ビールの苦みは、ホップによってもたらされ、ホップの使用量が多いほどIBUが高くなる傾向があります。日本の標準的なビールは、IBU15~30程度で、小麦麦芽をしたヴァイツェンはIBU8~15、IPAはIBU40~70ほどといわれています。
ABVはアルコール度数を表す単位
ABVとは、アルコール度数(Alcohol by volume)のことで、飲み物に含まれるアルコールの量を示します。多くの国で標準的に使用されており、日本では1%が1度とされています。
日本の酒税法では、ビールのアルコール度数は「1%以上20%未満」と定められています。「アサヒ スーパードライ」や「キリン 一番搾り」など日本の大手メーカーのビールの多くは、ABVが5%程度のものが多く、比較的度数の低いすっきりとした味わいのビールが好まれていますが、クラフトビールのスタイルによってかなり度数の高いものもあります。
ちなみに、世界で一番ABVが高いといわれているビールの度数は、67.5%もあります。
EBCとSRMは色の濃さを表す単位
EBCとSRMはビールの色を表し、主に黄色の濃さを表します。EBCは「European Brewery Convention」の略で、ヨーロッパにおけるビールの色度数の基準です。SRMは「Standard Reference Method」の略で、アメリカのビールの色度数の基準で、SRM値はEBC値のほぼ半分で表されます。
ビールの色がカラフルなのは、熱風により麦芽を乾燥させる焙燥やさらに色を付ける焙煎という工程によって生まれます。焙燥は長期保存のほかビール独特の色や香りの成分を作るために重要な工程です。
ピルスナーやヴァイツェンなどのライトカラーのビールは、SRMが2~6程度、シュヴァルツやスタウトなどの黒ビールは、SRMが20~40程度です。
また、ペールエールやIPAなどの琥珀色のビールは、6~25程度とされています。ただ、赤い色調の強さは数値に反映されないため、同じSRM数値でも赤みが違うこともあります。
まとめ
ビアスタイルによって、味わいが様々なクラフトビール。今回解説した「IBU」「ABV」「EBC・SRM」の3つの単位に着目すると、飲んだことがないビールでも、そのビールがどんなテイストなのかをイメージできるようになるほか、節度を守った飲酒にもつながります。
クラフトビールの専門店やビールフェスなどで、ぜひ役立ててください!