「良酒ハ和ヲ醸ス」伝統の技に革新的な技術を用いた酒造り。-愛知県 関谷醸造-
酒造・メーカー紹介
関谷醸造について
「関谷醸造」は元治元年(1864年)に、自然豊かな愛知県設楽町にて創業しました。以来、日本酒の可能性を柔軟に追求し、伝統の技と革新的な技術を用いた、高品質の酒造りを行っています。
伝統の技に新しい技術を加えた酒造り
「関谷醸造」では、地元農家が高齢化のためリタイヤしていく現状に危機感を覚え、遊休農地(耕作放棄地)の受け皿となるべく、2006年から自社のスタッフによる酒米栽培を始めました。
現在、栽培面積は34.5ヘクタール、全使用原料米に占める自社米の割合は23%を占めます。圃場(ほじょう)1枚あたりの面積が狭く、枚数も多く分散しているので効率化のために水位センサーや散布用ドローン、スマート農業システム導入などIoT化も進めています。持続可能な農業のためGlobal-GAP認証や、一部圃場で有機認証も取得しております。
仕込み水は蔵の裏手にある奥三河の湧水を仕込みに使用しており、硬度1桁の超軟水で出来たお酒は非常に柔らかく、やさしい味わいとなります。
良酒ハ和ヲ醸ス
七代目蔵元の関谷氏が考える「酒造り」に必要なものが3つあると語ります。
ひとつめ「設計図をきちんと作ること」
「設計図」とは どんなお客様に、どんなシチュエーションで、どんな味わいにするのか、それが酒造りの設計図です。設計図が無いままお酒の仕込みをしたところでそれは「お酒が出来た」だけにすぎません。酒は「出来る」ものでなく「造る」ものだと私たちは考えます。
ふたつめ「丁寧かつ正確な作業を行うこと」
ふたつめは言うまでもありません。丁寧で正確な作業をを行うことです。各工程における温度管理、ビン詰め前の濾過・調合に細心を図る為、機械を導入しております。
みっつめ「チームワーク」
酒造りの世界には「和醸良酒(わじょうりょうしゅ)」という言葉があります。蔵人のチームワークが良い酒を造るという意味です。
「和醸良酒」にはもうひとつの意味があります。「良酒は和を醸す」良い酒を囲みながら仲間や友と語り合うことで、そこに和が生まれます。
酒の中に米の旨みや甘みを持ち、やわらかで香味の調和の取れた酒、それが私たちの考える「良酒」です。
そして関谷醸造だからこそ出来る酒造りを目指していきます。
ほうらいせん吟醸工房
究極の酒のオーダーメイドの先駆け、豊田市にある「ほうらいせん吟醸工房」では、2004年からオリジナルのお酒を造るサービスを提供しています。
下記内容をフルオーダーメイドで製造する事ができます。(最小ロット720ml×100本~)
- 米の品種
- 精米歩合
- 麹
- 酵母
- 酒母の製法
- もろみの発酵(味わい、香り)
- 上槽方法
- 濾過の有無
- 割水の有無
- 火入れの有無
- 容器(瓶、キャップ)
- ラベルデザイン
【ほうらいせん吟醸工房(稲武工場)】 |
「ほうらいせん酒らぼ」
2021年には年間を通して、地元産のお米を使用して、実際にお米を洗い、蒸し、仕込み、さらにお酒の搾りも体験できる「ほうらいせん酒らぼ」を「道の駅したら」内に開設しました。
【ほうらいせん酒らぼ】(道の駅したら内) |
人生の色んな節目の際、フルオーダーメイドのお酒でお祝いはいかがでしょうか!
文:日本酒鑑定士協会 瀧村健治
編集:LIQLOG