天地の恵に感謝するとともに、それらの個性を尊重した「サステナブルで良質な酒造り」を目指して。-山形県 小嶋総本店-
酒造・メーカー紹介
米澤城の東側、朝日が昇る方角の酒
「東光」は、安土桃山時代に創業し、後に上杉家御用酒屋を承った「小嶋総本店」が醸す日本酒です。常に第一級の品質を求め、お客様に文化的で心豊かな時間をお届けできるよう、今日も変わらず挑戦を続けております。
私達は、天地の恵である米や水に感謝するとともに、それらの個性を尊重した酒造りを志向します。「自然の恵みを微生物が醸して酒になる」という事実と真摯に向き合い、田んぼからの酒造りに取り組んでいます。
手造りであることを大切にしています。ばらつきのある天然原料を用い、複数の微生物が醸す酒造りには、蔵人の目と手仕事が不可欠です。手をかけるべきところに、きっちりと「手」をかけて酒を造ります。
いつまでも変化を恐れず、革新に挑み続ける酒蔵を目指して!
私達が目指すのは、世代や文化、国境を超えて人々の心に届く本質的な価値を追求し、「本物」の日本酒を造ることです。
2000年の歴史を持つと言われる日本酒造りに携わる中でも、現代社会の大きな変化は、絶えず私達に新しい刺激を与えてくれます。
世界中の多様な食文化が日本に流れ込み、そして日本の食文化が世界中に広がりつつある時代に、私達のお酒を全国、そして世界の方々に口にしていただけることは、大きな喜びです。
「東光」は、まるで日本の価値観や文化を映し出す鏡であるような、まるで米沢という地域を描いた一枚の風景画であるような、そんなお酒でありたいと考えます。
そのためにも私達は、米、水、人を育む自らの地域や歴史を深く理解するとともに、日本の食文化と真摯に向き合う酒蔵でありたいと考えます。そしてその上で、変化を恐れず、革新に挑む酒蔵でありたいとも考えます。
世界は広く、とりわけ日本の歴史は深く長いものです。私達は、世界に心を開くとともに、先達の歩みから学び続けることで、現代の酒蔵の新たなステージを切り拓けるものと信じています。
小嶋総本店の取り組み
「EARTH DAY2022」全量純米酒蔵の小嶋総本店が、再生可能エネルギーでの酒造りに転換し、自動抑草機「アイガモロボット」を用いた有機米栽培の実証実験を開始
毎年4月22日は地球の日、「アースデイ」です。アースデイは1970年にアメリカで誕生し、「地球や環境のことを考え、美しい自然環境に感謝する1日」とされています。
世界中の人々がかけがえのない「地球」に思いを馳せる日「アースデイ」に、「小嶋総本店」は、再生可能エネルギーでの酒造りへの転換、そして「アイガモロボット」を用いた有機栽培米の実証実験を開始しました。
日本酒の酒蔵である私達も、気候変動の影響を日々受けています。
例えば、夏季の気温上昇による高温障害で酒米の品質や収穫量が低下しています。積雪量の変動は、地域の農業や生態系にも影響を及ぼしつつあります。そのため、私達は気候変動の影響を受ける当事者として、自らの酒造りを持続可能なものとする必要性を強く認識しています。
全量純米酒への転換、再生可能エネルギーへの転換、そして有機栽培へのチャレンジに代表される、私達の持続可能性に対する取り組みをご報告いたします。
2020年 全量純米酒への転換(CO2削減に寄与)
製造する日本酒を全て、醸造アルコールを添加しない純米づくりに転換しました。ブラジルや東南アジアで製造された醸造アルコールを廃して地元産の原料で造ることで、国際輸送により出されるCO2削減に貢献しています。
2022年 酒造りの使用電力を地域の再生可能エネルギーへ100%移行
生産活動に関わる全ての電力を山形県置賜地方で発電される再生可能エネルギーに移行します。この転換によって、「小嶋総本店」が排出するCO2のうち約3分の2がカーボンニュートラル化されます。
再生可能エネルギーを指定購入するだけではなく、酒蔵の周辺地域で発電された再生可能エネルギーで醸造することは日本酒業界でも類を見ない新たな取り組みです。
2022年 アイガモロボット実証実験と有機栽培への挑戦
「小嶋総本店」の契約田30a(3000㎡)において、有機米デザイン株式会社が開発した稲作用動除草ロボット、通称「アイガモロボ」の実証実験を行います。有機栽培に挑戦することで、田んぼの生物多様性を維持しながら地域性の高い酒造りを目指します。
2022年3月 リサイクル率が高い小容量アルミ缶を発売や、酒造りの歴史を後世に伝えるアイテム~甕・木桶での日本酒仕込み、これらの取り組みに代表されるように、小嶋総本店は「サステナブルで良質な酒造り」を目指し、これからもさらなる挑戦を続けて参ります。
文:株式会社 小嶋総本店
協力:日本酒鑑定士協会 瀧村健治
編集:LIQLOG