地酒・地焼酎ファンにおなじみの老舗店舗が主催★「第44回 酒人好の会」をレポート
イベント情報
7月21日に「第44回 酒人好(しゅじんこう)の会 ~お蔵元さんと共に日本酒を楽しむ会」が明治記念館で開催されました。これは酒舗「まさるや」が主催で、全国の日本酒蔵と一緒にお酒を楽しめる会。毎年、日本酒や焼酎の会がそれぞれ開催されています。
筆者が、熱く盛り上がる現場をレポートしてきました。
コンテンツ
町田市の団地内に店舗をかまえる「酒舗まさるや」
毎年このイベントを主催している有限会社「酒舗まさるや」は、全国の日本酒や焼酎を中心に日本ワインやジャパニーズウイスキーなどを手掛ける酒類小売店(酒販店)で、創業以来多くの顧客に親しまれています。
蔵元から直接仕入れいている日本酒、焼酎を主力とした品揃えは1800種類以上と豊富。東京都町田市の団地内に構えている店舗には、地元客のみならず遠方からも多くの顧客が訪れています。団地内の酒類の需要を満たす地域密着型の酒販店として親しまれてきた同店は、創業時はビール販売が主力でした。
しかし、平成2年頃から日本酒、焼酎を主力とする販売体制を強化し、豊富な品揃えで地酒や地焼酎ファンの間ではすっかりお馴染みとなっています。
全ては「お酒の普及活動のために」
常にお酒ファンの活気にあふれている「まさるや」が年に2回東京で開催しているのが、日本酒・焼酎のお蔵元さんとお酒を楽しむ「酒人好の会」。全国のお酒の普及活動に積極的に取り組んでいます。
今回も約300名の参加者が訪れるという人気ぶり。代表取締役社長の園部将さんが「今、甲子園出場に向けての試合が各地で行われていますが、今日参加して下さっている酒蔵は、予選(?)を潜り抜けてこの場にいるという素晴らしいお酒を造っている蔵ばかりです。皆さん、是非全国の銘酒をお楽しみ下さい」と開始の挨拶をすると、会場は「飲むぞ~!」という熱い空気に包まれました。
参加蔵の中から一部ご紹介
今回は全国から32の蔵が参加し、蔵元から社長や杜氏などが直接お酌してくれる貴重な機会となりました。その中から一部をピックアップしてご紹介しましょう。
東洋美人 限定純米吟醸 醇道一途 酒未来|澄川酒造場(山口県)
山口県萩で醸されている銘酒「東洋美人」の限定品シリーズ『醇道一途』より、稀少品種・酒未来を醸した一本。
酒未来は銘酒・十四代の醸造元である高木酒造が長い歳月をかけて開発した品種で、蔵元が認めた酒蔵のみが使用を許されるハイレベルな酒米です。白桃を思わせるようなさっぱりした爽やかな香りで、華やかでありながら、すっとした心地よさを感じられます。
口当たりは柔らかで、じわっと芳醇な旨味が広がります。華やかさを感じられつつ、どこかシャープな質感も合わせもつ見事なバランスとなっており、心地よいキレを楽しめますよ。
菊姫 黒吟 大吟醸|菊姫合資会社(石川県)
「黒吟」を敢えてシンプルに言い表すなら、「吟」の「袋吊るし」「ビン貯」「3年もの」。酒袋から自然に滴り落ちる酒だけを集め、タンク貯蔵ではなく、一本一本ていねいに瓶詰めしたものを約3年間、厳しく作り上げたお酒にとって理想的な状態で寝かせます。
その間、絶えず熟成度を確かめ、菊姫が「良し」と判断した時、初めて限定出荷したものです。3年余という時のなかで、ゆっくり熟成させている「黒吟」は、独特の香り、旨味を味わえる芳醇な酒です。常温でも良いけれど、冷やして飲むのがお勧め。
特選 純米大吟醸 生酛仕込 いづみ橋|泉橋酒造(神奈川県)
神奈川県に蔵を構える「いずみ橋」が自社栽培の山田錦を使った最高精米の純米大吟醸酒。酵母には日本醸造協会の9号酵母を使用し、仕込みには伝統の生酛造りを採用しました。
香りは、メロンや青りんご、さくらのような爽やさと同時にオリーブのような落ち着いた香りも感じられます。口当たりは滑らかで、優しい甘味と酸味、心地よい苦みと旨みが広がります。
爽やかな生酛仕込みならではの味わいときれいな旨味が素晴らしいバランスで、冷やでも良いけれど、特にぬる燗にすると最高。
三井の寿 夏純吟 Cicala チカーラ|みいの寿(福岡県)
CICALA(チカーラ)」はイタリア語でセミを意味します。木にとまっているセミをイメージしたラベルで、夏にピッタリのリンゴ酸高生産の特許酵母「夢酵母」で純米吟醸を醸しました。
リンゴ酸は果物のリンゴと同様に、冷やすと「キリッとした酸味」を、そして常温になると「優しい甘味」が特徴です。生詰めなので、要冷蔵で良く冷やすのがお勧め。食前酒やカルパッチョ、フルーツサラダとも相性が良いですよ。
田酒 百四拾 純米大吟醸|西田酒造店(青森県)
百四拾は、青森が力を入れて作っている酒造好適米「華想い」を指します。米名が命名される前の系統名が「青系酒140号」だったことに由来しています。
青森県が”山田錦”に匹敵する良質な酒造好適米の研究の末、母米に山田錦、父米に華吹雪を掛け合せたて誕生した酒米「華想い」を40%まで磨き上げた味わいは
青りんごを想わせる爽やかな香りとフレッシュ感に溢れ、透明感のある酒質とふくよかで円みのある旨みを楽しめます。
切れの良さも抜群。よく冷やして飲むのがお勧め。
南部美人 純米大吟醸 斗瓶囲い しずく酒|南部美人(岩手県)
搾りは手間のかかる袋吊りで、一切圧力をかけずに搾る為、ふくよかな香りに満ちたふくらみのある味わいの酒に仕上がっています。
鑑評会出品酒と同様、斗瓶で囲い冷蔵保存している為、ありとあらゆる技術を惜しげもなく駆使した「究極の酒」とも言えるでしょう。華やかでありつつ上品な香りと奥行きある味わいの後に、上品な余韻が残ります。
究極の酒といって過言ではない、日本酒のすばらしさを五感で感じられる1本。
貴 純米大吟醸 プラチナ|永山本家酒造場(山口県)
最高級特等山田錦を使用し、日本酒本来の香りと米の旨みを大切にするために醸造アルコールを一切使わず、吟醸酒つくりに最適な9号酵母で丁寧に仕上げた一本。
豊かな吟醸香が口の中で広がり、次第に柔らかな米の旨味が綺麗に感じられる辛口の味わい。料理の邪魔をしないので、食中酒としても楽しめます。
フグやカワハギなど白身の淡白な魚をお刺身で頂く時は迷わずこちらを合わせてみて下さい。
蔵の方に直接話を聞けるスタイルなので、積極的に酒蔵と話している人達も数多く見受けられました。
- お目当ての酒以外にも、今まで知らなかったお酒を知る機会になって良かった。
- 有名酒をはじめ、色々な蔵の個性を一度に楽しめるし、食事もコースなのでお得感がある。
- 酒イベントは暑い時期でも屋外での開催も割とあるので、涼しいところでゆっくり味わえるのは嬉しい。
など
参加者からはイベントを満喫する声があがっていました。
毎年恒例となっているこのイベント、次回も更にパワーアップしての開催を期待しています★
参加蔵
平和酒造、菊の里酒造、山本酒造店、宮尾酒造、永山本家酒造場、南部美人、三宅彦右衛門酒造、西田酒造店、花泉酒造、墨廼江酒造、小林酒造、みいの寿、泉橋酒造、福禄寿酒造、国権酒造、初亀醸造、菊姫、水戸部酒造、澄川酒造場、廣木酒造本店、大澤酒造、冨田酒造、吉田酒造店、黒龍酒造、平孝酒造、加茂錦酒造、三浦酒造、金光酒造、宮泉銘醸、九重雑賀、宝剣酒造、高木酒造