最高品質を目指した吟醸新酒がずらり!「吟醸新酒祭 in 赤煉瓦酒造工場」で出会ったお酒をピックアップ!
イベントレポート
日本酒の好みは様々ですが、「吟醸酒が好き」という方は多いのではないでしょうか。香り高くなめらかな味わいが魅力の吟醸酒は、日本酒に苦手意識のある初心者の方にも飲みやすく”最初の一歩のお酒”にもなりやすい一方、お酒に詳しい愛好家の方の間でも非常に人気の高いお酒でもあります。
そんな吟醸酒のフレッシュな新酒が揃うイベント「2024年 吟醸新酒祭 in 赤煉瓦酒造工場」が、赤煉瓦酒造工場(旧醸造試験所第一工場)で4月24日に開催されました。
今回はここで出会ったお酒達をご紹介します。もちろん市販で購入できるものがメインなので、フレッシュな吟醸新酒を飲みたい方は参考にしてみて下さいね★
吟醸酒とは?
「吟醸酒」と呼ばれるお酒は、「吟醸酒」と「大吟醸酒」の2種類がある。どちらも低温でじっくり発酵させる吟醸造りで、特別に吟味して造ったお酒だが、大きな違いは「精米歩合」。吟醸酒は60%以下、大吟醸酒は50%以下の精米歩合でなければ、ラベルに吟醸、大吟醸と表記できない決まりがある。また、醸造アルコールが添加されていない「純米吟醸酒」と「純米大吟醸酒」もある。いずれも果物を彷彿せるフルーティな香り、すっきりした飲み口、のど越しのなめらかさなどが特徴。
コンテンツ
最高品質を目指したハイクオリティなお酒が集う
このイベントでは、日本吟醸酒協会会員の全国新酒鑑評会出品酒のほか、各蔵が最高品質を目指して醸した大吟醸、純米大吟醸、吟醸酒、純米吟醸酒が勢ぞろい。全国から44蔵が集い、今飲んでほしいもの、特別な高価格のお酒などを試飲提供しました。
ここで出会ったお酒の一部をご紹介しましょう。あなたはどれから飲みますか?
賀茂泉 純米大吟醸 壽|賀茂泉酒造(広島県)
東広島市造賀地区で厳選された「山田錦」を使い、賀茂泉の純米醸造と吟醸造りの粋を集めた”伝承の技”で仕込んだ純米大吟醸酒で、もろみの重さだけで搾られる「袋搾り法」だけで得られた数量限定品。果実を想わせる華やかな香りと米の旨味が調和し、華やかさと透明感、旨味を併せ持つ非常に上品な味わいを楽しめる1本。
満寿泉 純米吟醸|桝田酒造店(富山県)
上品な吟醸香で、口に含むと爽やかな軽快感。そのあと、山田錦の旨味もじんわり広がり、優しい旨味を楽しめる。スッキリとしたキレの良さも秀逸。軽快感と滑らかさを楽しめるので、最初の1杯にも良いけれど、食中酒としてずっと飲み続けられるお酒。
鶴齢 純米吟醸 山田錦 生|青木酒造(新潟県)
山田錦で仕込んだ純米吟醸生原酒。香りは、りんごを思わせる甘やかフルーティ。
新潟県のお酒らしい淡麗辛口の綺麗さや美しさを踏襲しつつ、飲みごたえもしっかりある無濾過生原酒として進化した正統派。きりっとした清涼な口当たりが印象的だけど、新酒でありながら落ち着きのある深みのある酒質も魅力です。
因みに、2月~4月発売の山田錦を使った生原酒「純米(65%精米)」「特別純米(55%精米)」「純米吟醸(50%精米)」は、麹や酵母などの条件を全てそろえ、”精米歩合の違いのみ”で味を変えているそうなので、飲み比べを楽しむのも、また一興。
八鹿 吟醸 桃|八鹿酒造(大分県)
新鮮な果実を思わせる華やかな香りだけど、”香り系プンプン”でなく、ほんのり甘やかな品の良さ。九重連山の伏流水で仕込んだすっきりと軽やかな飲み口を楽しめる吟醸酒で、余韻もきれいで、飲み飽きないフレッシュな味わい。
食事に合う九州の酒のコンテスト【九州S-1グランプリ2014】に出品し、九州40蔵の自慢の酒40種類の中から一般投票で1位を獲得しています。ボトルも、控え目なかわいらしさがあるので、お土産にも喜ばれそう。
繁桝 大吟醸 しずく搾り|高橋商店(福岡県)
愛好家の間でも人気の高い「箱入娘」(左)もさることながら、「繁桝 大吟醸 しずく搾り」のエレガントさは”秀逸”の一言。
「山田錦」を手間暇をいとわず育み、40%精米。(もろみ)を酒袋に入れ、圧力をかけず自然に滴り落ちる「しずく酒」だけを集めた、造りの技の粋を尽くして醸しました。上品な吟醸香とすっきりとキレのある味わいが絶妙に溶け合う珠玉の逸品。
純米吟醸 れいざん (真ん中)|山村酒造(熊本県)
良質な天然水を駆使した環境下で240年来醸され続けているお酒。程よい熟成感があり、非常に柔らかくスッキリとした純米吟醸酒。清涼感はあるが、よりマイルドな印象なので、和食はもちろん幅広い食事に合う万能食中酒。中華など味がしっかりした料理との相性も良いが、クリームパスタや豆乳鍋などの美味しさも引き立てる。
米鶴 超辛純米大吟醸 雪女神 (左から2番目)|米鶴酒造(山形県)
山形県産「雪女神」100%で醸したお酒。香りはマスカット風に甘やかでありつつ、味わいは、その名の通りドライで、キレが良く旨味も深い。常温も良いけれど、特にぬる燗がお勧め。あさりの酒蒸しやおでんなどとの相性も良い。
多種多様な世代が日本酒を満喫
筆者が行ったタイミングは雨でしたが、天候などものともせず、会場内は吟醸新酒を求める熱気にあふれていました。イベントによっては世代交代で蔵を引き継いでいる若社長(候補)などがブースに立つケースも多いのですが、今回は、比較的親世代の社長がブースにいるケースが多い印象。でも、中には大学生が日本酒を広める活動の一環で手伝っていたブースもあり、「日本酒を若い層にももっと飲んでほしい」という想いを熱く語していて、パッションを感じられました。
若い世代にも日本酒が浸透しつつある事も改めて見受けられたイベントでした。
参加蔵
南部美人、浜千鳥、秋田清酒、天寿酒造、秋田銘醸、米鶴酒造、出羽桜酒造、内ケ崎酒造店、開当男山酒造、末廣酒造、夢心酒造、奥の松酒造、青木酒造(茨城)、森島酒造、島崎酒造、天鷹酒造、龍神酒造、山梨銘醸、宮坂酒造、下超酒造、青木酒造(新潟)、八海醸造、若鶴酒造、桝田酒商店、吉田酒造店、吉田金右衛門商店、土井酒造、関谷酒造、西山酒造場、本田商店、李白酒造、吉田酒造、千代むすび酒造、利守酒造、今田酒造本店、賀茂泉酒造、中尾醸造、高橋商店、天山酒造、八鹿酒造、熊本県酒造研究所、山村酒造