山々に囲まれた谷あいの地、厳しい自然環境の木曽路で造られる「懐かしい故郷の旨酒」-長野県 七笑酒造-
酒造・メーカー紹介
七笑酒造の歴史
雄大で厳しい木曽の自然
「木曽路はすべて山の中である」そう始まる島崎藤村の小説「夜明け前」。「七笑酒造」があるのは、まさしくその木曽路です。信州の南西に位置し、周りを高い山々に囲まれた谷あいの地です。
冬は身を切るような寒さが厳しく、霊峰木曽御岳山は真夏でも残雪があります。そのため「夏でも寒いヨイヨイヨイ」と木曽節に歌われるほど、冷涼な土地なのです。
そんな厳しい自然環境だからこそ育った文化のひとつとして、「酒造り」がありました。昔から酒は、底冷えする木曽路に欠かせない「生活必需品」だったのです。
単に甘辛だけに左右されない、日本酒本来の「旨口」を追求した日本酒「七笑」。創業当時よりお酒は料理の名脇役との考えでお酒造りをしています。
七笑のお酒はとても口当たりがよく料理の味を邪魔せず引き立てるようなお酒です。
水湧きところ
また、木曽路を歩くと生き生きとした水に出会います。この水も酒造りの大切な要素のひとつ。七笑の仕込み水は、木曽駒山系からの伏流水です。これは七笑の井戸から汲み上げています。喉ごしが柔らかくまろやかな軟水で、わずかに甘みを感じます。
ひんやりと静まり返った森の中に湧く清水のように、深く澄んだ味わいがあります。
歴史ある街並み
「七笑酒造」のある現在の木曽町福島は、「木曽福島宿」という中山道の宿場町でした。
江戸時代から「難関な関所の町」として栄えており、関所が廃止された明治以降も、訪れる人は絶えませんでした。
そんな中山道の険しい山道を行く旅人たちの楽しみは、なんと言っても「旨し酒」。
「旅の苦労は旨し酒で七回笑って吹き飛ばす」そんなふうに、酒は先人の心身にしみわたり、旅の疲れを癒し、長きにわたって親しまれてきたのだと思います。
伝統と革新
常にものづくりの基本を見つめながら、誠実に向き合い、現在に合ったものづくりに繋げていく「誠実で真っ直ぐな酒造り」これが七笑の姿勢です。
杜氏も自分が飲んでずっと飲んでいられるようなお酒を目指しております。
挑戦していることは、今「義仲」というお酒を出していまして、そのお酒は七笑が今までやった事ないものにチェレンジしようというお酒です。
去年は異なるお酒のブレンドで、今年は米、酵母を地元木曽のものを使い、さらに木曽の郷土食「すんき」由来の乳酸菌を使ったお酒を作りました。
初代より受け継がれた気質が、木曽の人々にも「懐かしい故郷の旨酒」として語り伝えていただけるよう、日々邁進努力、研鑽をつんでおります。
文:七笑酒造 株式会社
協力:日本酒鑑定士協会 瀧村健治
編集:LIQLOG