「食用米のみ」で日本酒を造る唯一の酒蔵。日本酒の可能性を追い求めて。-京都府 白杉酒造-
酒造・メーカー紹介
白杉酒造の歴史
正確な創業時期は不明ですが、現存する増石許可証から1777年(安永6年)には酒造りを行っていたことが明らかであるため、「白杉酒造」は創業年を1777年(安永6年)としています。
「白杉酒造」にしか造れない日本酒
現在の11代目蔵元である杜氏兼社長の「白杉悟」氏になるまでは、酒米を使い地元向けの普通酒のみを作る酒蔵でした。
人口の減少に伴って日本酒の醸造量も減少し続け、一時は廃業の危機もありましたが、「白杉悟」氏が杜氏兼社長に就任した後、地元丹後の美味しい食用米に目を付け、これを使って「白杉酒造」にしか造れない日本酒への挑戦が始まりました。
酒米から食用米への挑戦は試行錯誤の連続でしたが、初の商品化となったササニシキを使用した「銀シャリ」は、米の旨味を活かした濃醇な辛口で現在は最も人気のある一本となりました。
その後、コシヒカリやミルキークイーン、夢ごこちなど様々な食用米での醸造に挑戦し、約8年前に全量食用米のみでの日本酒造りに移行しました。
現在のところ、全量食用米による日本酒造りは全国でも「白杉酒造」のみのため、食用米のみで日本酒を造る唯一の蔵として、昔ながらの日本酒からワイングラスなどで楽しめるフルーティーな日本酒まで、様々な日本酒造りに挑戦しています。
また、酒造りに使う麹も日本酒用の黄麹だけでなく、焼酎用の白麹や黒麹も使用し、酵母についても日本で初となる焼酎用酵母を使用した商品も開発するなど、日本酒の可能性について追求し続けています。
おすすめの日本酒
「白杉酒造」において初めて食用米を使用した「銀シャリ」は、すっきりとした辛口ながらササニシキの旨味も存分に楽しめる一本です。
寿司や和食など様々な料理との相性も良い食中酒ですので、ぜひ一度お試しいただきたいと思います。
文:日本酒鑑定士協会 瀧村健治
編集:LIQLOG