3年ぶりに集った笑顔。福岡県「城島酒蔵びらき」体験レポート
イベント情報
福岡県久留米市の城島地区は、筑後川の豊かな水と米に恵まれた全国有数の酒どころ。この地で毎年開催されているのが、8つの蔵元が一堂に会する「城島酒蔵びらき」です。
例年、約10万人が訪れますが、去年・おととしは新型コロナ対策のため「ドライブスルー方式」での開催となりました。
2023年は、3年ぶりの通常開催! 久しぶりの酒蔵びらきにワクワクしながら参加してきましたので、その体験レポートをお届けします。
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まずは、前日の作戦会議から!
城島酒蔵びらきはメイン会場のほかに、旭菊・池亀・筑紫の誉・花の露・比翼鶴・萬年亀・瑞穂錦・杜の蔵でも蔵びらきが同時開催されています。
1日ですべての蔵をまわるのは、時間とアルコールキャパシティの面からかなり難易度が高い。そのため、事前に行きたい蔵を選び、効率よくまわる作戦を立てておくとスムーズです。
最寄り駅は、JR荒木駅もしくは西鉄三潴駅。ここから駅、蔵、メイン会場をつなぐ無料シャトルバスが運行されます。
その順路に沿ってまわるのがオススメ。今回は、三潴駅から[杜の蔵 → 旭菊 → 池亀 → 花の露 → メイン会場]の順にまわります。
酒蔵びらき当日の2月18日(土)、10:15に三潴駅到着。雨の予報でしたが、駅のホームはすでに多くの人で賑わっています。
お酒呑みに雨は関係ないのだ。
駅を出ると、8蔵の酒樽が出迎えてくれました。早速、最初の蔵「杜の蔵」に向かいます。
食と体になじむ旨い酒「杜の蔵」
「杜の蔵」は1898年創業。“食と体になじむ、しみじみと旨い酒”を目標に、現代の食にあわせて楽しめる酒造りに取り組んでいます。
駅から歩いて、3分ほどで杜の蔵に到着。
この先から、なにやら歌声が聞えてきます。
これか! 先輩方による酒造りの歌。お客さんもみんな手拍子で盛り上がっています。
会場には、おでん、串焼き、もつ煮などの屋台が出店。みなさん、朝から好きなおつまみと新酒で一杯やっています。
うぅ、はやく飲みたい。
販売会場も大賑わい。一番人気は「蔵びらき限定 純米吟醸酒 2本セット」でした。
ここでようやく一杯目。
「杜の蔵 蔵びらき限定 しぼりたて 純米生原酒」をいただきます。
飲み口は穏やかで、中盤のふくらみがとっても豊か。これはうまい!
早速1本購入! 目の前で瓶詰めしてもらいました。
ちょっと寄り道「三潴ちょいのみ横丁」
杜の蔵から少し歩いたところに、シャトルバスのりばがあるのですが、そこに「三潴ちょいのみ横丁」というブースがあったので寄りました。
「ちょいのみセット」のチケットを購入すると、8蔵自慢のお酒から1杯と地元居酒屋3店が提供するおつまみから1皿が選べます。
まずは、お酒から。ここでは「筑紫の誉 無ろ過生原酒」を選びました。
甘味、旨味が豊かで濃厚な味わいです。
こんにゃく串は、よ〜く出汁が染みていて筑紫の誉との相性は120点。想像の上をいくおいしさでした!
ここからシャトルバスで、「旭菊」を目指します。
朝日が昇る勢いと日本花の菊「旭菊」
1900年創業の「旭菊酒造」では、”食事に合うお酒” をモットーに、米の旨味にこだわった酒造りを行っています。
蔵の入り口付近には、あざやかなお雛様がずらり。
旭菊では、おちょこを購入すると3種類の新酒が試飲できるようになっていました。
「本醸造 旭菊」は、酸が立っている! お燗がおいしそう。
「旭菊 銀生にごり」は、甘口だけどすっきり飲める。
「旭菊 しぼりたて生原酒」 は、アルコール19度で濃厚な味わい。
蔵内には販売・飲食スペースがあり、みなさんゆっくりと新酒を味わっていました。
バスで次の蔵、「池亀酒造」に移動します。
雫しぼりの大吟醸が絶品「池亀酒造」
1875年創業の「池亀酒造」は、伝統の技と独自の技術で個性的な酒を造っている酒蔵。黒麹で仕込んだ純米吟醸酒やゼリー状の梅酒など、めずらしいお酒もあります。
入ってすぐのところに、新酒の販売試飲コーナーが!
ここで試飲したのは、「池亀 純米 しぼりたて」。
しっかりとした酸、味わいも豊かです。
直売所のなかは、有料試飲・販売コーナーになっていました。
有料試飲ができるのは、上の写真の4種類。ここでは「亀印 大吟醸」を選びました。
香りがすごい! バナナやリンゴのようなフルーティーで華やかな香り。口当たりはさらっと軽やか。それでいて、旨味もしっかりある。
池亀の大吟醸は、圧力をかけずに自然の力で滴り落ちるしずくを集める「雫しぼり」を採用しています。
美酒の代名詞「花の露」
創業から270年以上もの歴史を持つ「花の露」。
軟水仕込みから生まれるきめ細やかな酒質が特徴で、代表銘柄の「花の露」は中国の古詩で美酒を讃えるのに使用される「花露」の雅語に由来します。
「花の露」の文字が、かっこいい!
蔵の入り口付近には、立派な鬼瓦。城島町は瓦製造業が盛んで、日本三大産地に数えられています。
敷地は圧巻の広さ。国道の反対側まで続く。
会場に入るとお祭りムード全開! おつまみから小石原焼きや錫器などの工芸品まで、出店が所せましと並んでいます。
試飲したのは「しぼりたて 純米大吟醸 生原酒」。
華やかな香り、ふくよかな旨味。しっかりとしたエキス分を感じました。
メイン会場はすぐそばなので、歩いて移動します。
8蔵40種類の日本酒が試飲できるメイン会場
いよいよメイン会場に到着!
受付で「飲みくらべチケット」と、おちょこを購入します。
試飲できる日本酒は全部で40種類!
お酒のランク別に、チケットの必要枚数が異なります。
会場に入ると、雨にもかかわらずこの盛況ぶり。
やっぱり、お酒呑みは雨なんか気にしない。
早速、試飲コーナーに向かいます。1杯目は「比翼鶴 今朝しぼり 純米吟醸酒」。
しっかりした旨味、飲み応えあります。
数ある出店のなかでおつまみに選んだのは「からいち」さん。からあげグランプリ「連続金賞受賞」にひかれました。
唐揚げはしっかり味が染みていて、まろやかさもあって、めちゃくちゃうまい! 豊潤な味わいの比翼鶴が、唐揚げをしっかり受けてくれます。
次は「花の露 純米大吟醸」。やさしい飲み口から、ふわっと広がる甘味。スルスルと飲めちゃいます。
こちらは、有料の角打ちコーナーで飲んだ「独楽蔵 特別純米」。やさしい香りと旨味。お燗にもぴったりの一本です。
ようやく戻ってきた日本酒の「わ」
おいしい日本酒を飲み、笑顔になっているみなさんを見ていると、ようやくこの光景が戻ってきたんだなと、しみじみ嬉しくなりました。
人と人をつなぐ日本酒の「わ」が、これからも広がっていくことを願っています。