大正2年創業。町の中央を流れる砂川流域は、昔からの米どころである。そして幻の酒造好適米といわれた雄町米のふるさとでもある。小坂酒造は砂川の支流、石寄川のほとりに蔵を構える。 農業用のため池が点在するこの辺りにはかつて、水をもとめて多くの鶴が舞い降りていたという。 代表銘柄の「鶴の池」は、鶴が飲んだ水と同じ池の水で育った地元米を原料に酒を醸したことから命名された。 仕込み水は、山際の安定した地層から湧き出した井戸水。水質は軟質。麹は、昔ながらの"すくも"で囲った麹室で、自然換気の中でじっくりと麹を育て、米のうまみを引きだす。蒸し米は、昔ながらの和釜を使用している。地元の米と水を使って醸した地酒は、温暖な気候と野菜を中心とした食生活に合う、味のある甘口に仕上がっている。