使用する米は朝日米です。「朝日米といえば岡山」といわれるほど、朝日米は岡山県を代表する米です。古くから東は、「亀の尾」西は「朝日」がわが国の美味しい米の代表とされており、現在の美味しい米の大部分がこの2品種の血を入れて改良されてきました。飯米ではあるが醸しても、とても美味しい酒になり、岡山の酒蔵として「地の物を使いたい」といった気持ちで使用しています。
立ち香、凛と引き締まった柑橘の様。甘い香りの中に、青リンゴやスギのような爽やかな香りがある。口に含んだ初めの印象は締まっていて鮮烈さあり。5分〜10分でグラスの中で空気と触れ、香味が馴染む。爽やかな米の旨味が口を通り、朝日の特徴としてきれいさ、幅の締まった味の線、ゆっくりと熟成を歩む特性。一定時間(45分ほどの間)ではそれ以上の味の膨らみは限定的で、軽やかなジューシーさと余韻、喉の通りの後も飲み続けるにストレスの無い味わい。後から感じられるほのかな甘味と苦味の同居する味もこの時季ならではの美味しさと思います。総じて爽やかさ、蒼み、甘さと苦味の共存は良いマトリックスを描き、透明感のあるキリッとした味わい。